アヴァシオン
地面を割るような揺れが止まらぬ中、新たに魔物たちが、瘴気に覆われた森の奥から、湧き出してきた。 その魔物たちは先程とは比べものにならないほど肥大化し、異形に歪んだ姿をしていた。もはや魔物というより、災厄そのもののようだった。 一体ごとに濃密な魔素が噴き出し、空気は熱く、視界すら歪んで見えた。中には、クラーケンと同等の巨体を持つ異形すら現れ、その魔物はスライムのように柔軟に攻撃をかわし、熊のような一撃を叩きつけてくる化け物だった。 周囲の魔素濃度は、もはや100%に達しようとしていた。
だが、使徒たちも怯まなかった。 それぞれが修行で得た力を解き放ち、連携して戦場に挑んだ。
最前線を切り開いたのは、アレックスとリー。 アレックスは【透視】で敵の急所と動きを正確に捉え、短剣で無駄なく仕留めていった。盗賊特有の高速移動で敵陣を乱し、リーの攻撃の隙を作った。 リーは【身体制御】で己の身体を完璧に制御し、魔物の攻撃を紙一重でかわし、巨体を投げ、その関節を砕いた。 彼女の「強くなる理由」を宿した拳は、真人の大魔法に匹敵するほどの威力を放っていた。
中距離から支援するのは、サラと真人。 サラの【直感】が迫る危機を正確に察知し、仲間に即座に警告を飛ばした。 さらに、サラが放つ矢は正確無比だった。一射で複数の魔物を貫き、時には多重操作で同時攻撃を成し遂げた。矢の雨はアレックスとリーの負担を大きく軽減していた。 真人は【鑑定】で敵の特性と弱点を即座に解析し、戦況に応じて複数の属性を的確に操った。 魔導書による広範囲攻撃で敵を薙ぎ払い、拘束魔法で戦線を安定させた。さらに【光】属性による結界魔法で、仲間を奇襲攻撃から守っていた。
後衛では、ジュールとエヴァが支援に徹した。 ジュールは【生成】で戦場に即座に対応。巨大魔物に対して周囲の魔素を吸収して爆発する魔石を投擲したり、さらにその魔石用いたバズーカ砲まで生成し、遠距離殲滅を担った。 彼女はエヴァの傍に寄り添い、治癒中に襲ってくる敵には剣士として応戦した。 エヴァは【透明化】で戦場を縦横に移動し、負傷者を見つけては即座に【治癒】。 さらに広範囲の浄化で瘴気による精神汚染や疲労を軽減し、仲間の意識を保たせた。彼女がいなければ、すでに誰かが倒れていただろう。
熾烈な戦闘の末、ついに魔物の波を一時的に押し返すことに成功した。 しかし、それは決して勝利ではなく、ただの「小康状態」に過ぎなかった。そのことは戦っていた使徒達が一番理解していた。
このまま突き進んでも、得られるのは死だけ。 魔素の枯渇は即死を意味し、疲労もまた、命を落とす引き金になる。
「休もう。一度止まって、立て直そう」
静かに、だが決然と言ったのはリーだった。2ヶ月前の彼女なら突っ込んで居たであろうが、修行を終えた彼女は焦ることが一番危険だと知っていたのだ。誰もリーの言葉に異を唱えなかった。
避難場所の確保にアレックスが【透視】を使ったが、周囲の魔素による熱に干渉でされ、視界が光に包まれていた。
「ごめん、役立たずで……」 アレックスはそう苦笑した。
そこへエヴァの声が重なった。
「洞穴あったよ!」
明るい声が響いた瞬間、全員の間にほっとした空気が流れた。
サラの【直感】が安全な方向を指し、エヴァが【透明化】で先行し、瘴気に紛れて洞穴を発見したのだ。
使徒達は重い身体を引きずりながらも洞穴へと移動した。
全員が中に入ったことを確認したジュールは、即座に【生成】で巨大な岩を入口に配置し、臨時の安全地帯を作り出した。
洞穴の壁には魔石が自然に埋まっており、魔素を吸収して淡く光を放っていた。 おかげで内部の魔素濃度は若干薄まり、呼吸も外と比べればいくらか楽だった。
しかし、地震は止まない。まるで、悪神の鼓動が地の底から響いているかのように揺れ続けていた。
「お疲れ様。……ここからが、本当の戦いだ」
真人の静かな声が洞窟に響いた。全員の顔に疲労がにじんでいた。それでも、諦めの色はなかった。 むしろ、そこに宿っていたのは、確かな覚悟だった。
【本日の残業報告】
・上陸→即戦闘
・瘴気の森から常時リスポーン
・前衛:アレックス&リー
・中衛、司令:サラ&真人
・後衛、回復:ジュール&エヴァ
・魔物退行→揺れと瘴気は継続中
・一時撤退を選択→洞穴でセーブ
#本日の残業報告#魔素100%ってそれもう魔素じゃなくて液体#魔素さんインフレしてますよ#バズーカ生成は反則でしょ#エヴァいなかったら全滅してた説#リーの成長が泣けるレベル#猫耳が唯一の癒し#次回予告:悪神「お待たせ」




