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集結

ダンジョンの異変が発覚してから、すでに五日。ジュールはドワーフ戦士たちと共に、ゴルダイン北部にある「古代の淵」での防衛線に加わっていた。 【生成】スキルを駆使して、爆弾、捕縛網、補給具……次々に道具を作った。最前線に立つ彼女は、いつしか皆の頼れる仲間となっていた。

だが、戦況は悪化の一途を辿っていた。

魔物たちは日に日に凶暴化し、異形へと姿を変えていった。魔素測定器の数値は、発見当初の十倍になっていた。空気が粘りつくように重く、視界すら霞んで見えた。

「くそっ、切りがねぇ!」

怒号が飛び交うなか、ジュールは息を荒げながら【生成】を続けた。修行で磨いたスキルは冴えていた。だが、それでも……魔物の波は止まらなかった。

「もう、街まで危ない……!」

彼女は決意を固め、街の避難誘導に切り替えた。ドワーフ戦士たちに後を託し、街の中心へと走った。


避難誘導を始めたジュールの目に信じられない光景が飛び込んできた。避難のために人々が外へ向かう中、逆にゴルダインへと入ってくる騎馬がいたのだ。

こんな状況で、いったい誰が……。

馬から飛び降りたのは、見覚えのある小さな猫人族の少女だった。少女はジュールを見つけると、一目散に駆け寄り、その小さな体で強く抱きついてきた。

「ジュールお姉ちゃん!」

「エヴァ!」ジュールは驚きながらも、優しくエヴァを抱きしめた。その体温が、言葉よりも確かな再会を告げていた。

同時に、後方から、切羽詰まった声が響いた。

「ジュール!エヴァ!」

振り返ると、土埃を纏ったサラの姿と真人の姿があった。二人も息を切らせながら駆け寄ってきた。

「サラ!真人!みんな、なんでここに!?」ジュールは混乱しながら尋ねた。

エヴァが、目を潤ませながら顔を上げた。「お祈りしてたら、おねぇさんの声が聞こえてきたの!『北へ、地脈の集まる地へ』って!だから、ここに来たの!」

続いて真人とサラが説明を始めた。「まるで何かが地下を這いずり回るような凄く不快な【直感】があったの。それでも真人に調べて貰ったら……。」

「各地で地脈の異常な活性化が起きていたのだ。私が【鑑定】した結果、地脈の魔素濃度は北側に行く程に強いことが判明した。」

真人は、皆の表情に浮かぶ、新たな決意の光を感じ取った。そして、三人の視線を受け止めるように言った。

「地脈の集まる地は、ここじゃない。ここよりさらに北の島――“アヴァシオン”だ。」

かつて、神の祝福に満ちた“天国”と呼ばれた島。だが今は、魔素が飽和し、誰も寄りつかぬ“瘴気の墓場”。

そこが悪神に落ちてしまったエミアリルのいる場所だと、エヴァが受けた「おねぇさん」(アズライル)からの信託と、真人が【鑑定】で特定した情報が告げていたのだ。

「出発よ。使徒としての……。」何でも屋のジュールは、使徒として覚悟を決めた表情で呟いた。

「でも、アレックスとリーは?」エヴァが心配そうに尋ねた。

「大丈夫。彼らも……導かれてる。必ず来るわ。」 サラの瞳には確信が宿っていた。

四人はすぐに準備を整え、馬車でヴァロリア大陸の北端へと進んでいった。空気は冷たく、どこか重かった。やがて、海の向こうに不気味な黒煙が立ち上る島が見えてきた。その黒煙の魔素濃度は、かつて訪れた火山島の比ではないかった。

『対象:島/名称:アヴァシオン、状態:魔素濃度:上限値オーバー、計測不能』

『危険度:予測不能』

『警告:精神汚染、生命体変異の可能性有り』

「……あれが、アヴァシオン。」

ジュールは【生成】を使い、小型船を創り出した。それはただの帆船ではなく、魔石を動力源としたモータースクリューがついた、現代的なデザインの船だった。

「みんな、急ごう。」

ジュールは、生成能力の開花に驚き、呆然としている三人に喝を入れるように言い放った。ジュールの言葉にハッとした三人は平静を取り戻し、小型船へと乗り込んだ。

アヴァシオンに近づくにつれ、どんどんと瘴気は濃くなり、視界はモヤがかかったようだった。海中からは次から次へと魔物が飛び出てきた。しかし約二ヶ月の修行を経た四人にとっては、痛くも痒くもなかった。

サラは魔物の心臓を的確に狙い放ち、真人は風魔法で周囲の魔物を巻き込む水柱を立ち上げた。ジュールはサラへ使い捨ての矢を供給しつつ、船の操縦に神経を集中させていた。エヴァは新たに習得した広範囲の回復スキルを発動し、仲間たちを支援した。

アヴァシオンに近づくにつれ、金属のぶつかる音や咆哮が強く聞こえてきた。それはアヴァシオンで誰かが戦っている音だった。

上陸した四人が目にしたのは大量の魔物相手に戦うアレックスとリーだった。

アヴァシオンの上空は瘴気で覆われていて、常に陽が届かない。その上、魔物はキメラのような異型で極めて凶暴性の高い魔物が多かった。空気は重く、息をする度に肺に石を詰められるようだった。しかしそんな中でも、アレックスは高速で移動をしながら短剣で魔物の首を的確に切り裂き、リーは舞うように優雅に魔物を地面へと叩きつけていた。

しかし魔物は依然として減っているようには見えなかった。魔物が一斉にアレックスへと飛びかかろうとした瞬間、真人は肩から下げていたバッグから一冊の本を構え、叫んだ。

「アレックス!リー!しゃがめ!」

叫びながらも真人は本へ魔素を流し、魔法を発動させた。次の瞬間本から魔物に向かって見たことの無い程巨大な稲妻が走っていった。稲妻は周囲の魔物を一斉に焼き焦がした。

「すっげ…………真人!今のなんだ!」アレックスは二ヶ月前と変わらないハイテンションで真人に声をかけた。

「雷魔法だ。それより、二人共、無事で良かった。」

「おう、みんなもな。」

しかし、再会の喜びを分かち合う間も与えず、地面は激しく揺れ始めた。地震に呼応するかのように魔物たちは咆哮を上げ、こちらへ向かって襲いかかってきた。

「ちっ。再会の握手くらいさせろよな!」

そう言いながらもアレックスは魔物へと向かって走り出した。

それに全員が続く形で戦闘を開始した。


修行を終えた六人の使徒が、一つの目的に向かい再び集結した。だが、六人がただ集まっただけでは、地脈の暴走は止まらない。大地を揺るがすほどの魔素の暴走が、アヴァシオンの深奥で蹲る悪神の存在を、否応なく告げていたのだ。

【本日の残業報告】

・古代の淵、防衛戦は持久戦モード突入

・街の避難誘導中に、猫天使が突撃来訪

・次の目的地が判明→「北の墓場」アヴァシオン

・ジュール、もはや小型船まで創れる系女子に進化

・瘴気の海、魔物ラッシュ → 四人全員クールに対応

・上陸→アレックス&リーと戦場再会

・真人、雷魔法を初公開 ・使徒六人、全員集合


#本日の残業報告 #走ってくる猫耳かわゆす#魔素濃度上限オーバーって何#危険度s+すぎる#生成スキルの進化が止まらない#ジュールの船は普通に売れる#修行成果発表会 in 瘴気海域#全員集合は心の栄養#ィベント詰め込みすぎ案件#再会の挨拶より先に稲妻ビーム#次回予告は絶対エミアリル声優

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