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CASE1 その③



りんご先生の診察を見ながら、患者さんの状態を確認する。

搬入時よりも表情が和らいでいる、痛みがすこし改善したようだ。


しばらくすると医師から指示が飛ぶ。


「痛み止めを点滴しながらCTへ。あとは採血結果を待ちましょう」

「了解です」


私は電子カルテで指示を確認し、先程確保した点滴ルートからアセリオという痛み止めを点滴する。


「痛み止めを点滴しますからね。それから、画像の検査に向かいます」


これから行うことを患者さんに説明し、ポケットにある医療用PHSで放射線部門へ連絡する。


「ERです、1名CTをお願いします。名前は○○さんです」

「えーと、大丈夫です。CT1号機でお願いします」

「わかりました、行きます」


撮影場所を確認して、診察室ベッド(ストレッチャーです)を押してCT室へ。

りんご先生も一緒にストレッチャーを押してくれる。


CT室へ到着、放射線技師の指示で患者さんを検査台に誘導する。


「自分で移動できそうですか?」

「行けると思います」


患者さんは自分でストレッチャーから検査台まで移動できた。

表情は…それほど苦しそうではない、痛みが落ち着いている状態が続いているようだ。

(いくら痛み止めの点滴を投与しているとはいえ、こんなに早く効果でないのでゴザル)


ストレッチャーを検査台から離した場所に止め、操作室へ向かう。

CTスキャンの放射線量はかなり多いので、検査室からの退避は必須。


CT撮影操作室待っていると、患者さんの位置調整を終えた技師さんが戻ってくる。

そしてCT撮影が始まる。


始めは位置確認のレントゲン(のような画像)撮影

その後、体を輪切りにする画像をたくさん作るCT撮影だ。


白黒とは言え人間を輪切りにした画像、新人の時に初めてみた画像はとてもびっくりしたのを覚えている。

そう言えば、以前人体の○○○展みたいな展覧会でガチの輪切り人間を見たこともあったな〜


そんなことを考えていたら撮影は終わっていた。

りんご先生と技師さんが画像を確認している。

私もチラ見… うん、よくわからない。


正直、CT画像は難しすぎてほとんど読めない。

脳出血や尿管結石のようなわかりやすい画像なら読めるのだけれどね。


「アッペですね」

「やっぱりそうですか、わかりました」


技師さんと先生が確認し合う。画像診断の結果は急性虫垂炎(盲腸、医療用語でアッペ)とのこと。


「採血結果待ちで良いですか?」

「そうですね、結果が出たら患者さんに説明します」

「了解です。リカバリーに移動しますね」


りんご先生にこのあとの流れを確認した後、患者さんの元へ向かう。

ストレッチャーに戻ってもらい、今度はリカバリールームへストレッチャーを進める。。


初期診療(ER)が終わった患者は一度リカバリールームと呼ばれるベッドに案内し、そこでしばらく待機となる。

点滴などの治療をを続けながら、採血などの検査結果を待ち、入院になるのか・帰宅できるのかという医師の判断を待つのだ。


リカバリールームのベッドへ患者さんを移し、モニターをリカバリールームの物に切り替える。

ナースコールの使い方などを説明した後、引き継ぎのためナースステーションへ。

今日のリカバリールーム担当はさしさんだ。


「さっしー、引き継ぎよろしく!」

「はーい。どうだった?」

「アッペ」

「おお、正解じゃん!やるねぇ。商品のレッドブル、冷蔵庫にあるから」

「…あれ、外れた時の話じゃなかったっけ?」

「正解したからご褒美です」

「どちらにしても翼ははやせと?」


そんなやり取りをしながら、患者さんの状態を申し送る。


「同乗者のかたはどちら?」

「受付の方で待機してもらってる〜」

「了解。じゃあ声掛けしておくね」

「助かります。私はER片付けてきます」

「あいよ〜、あい先輩には片付けに行ったって伝えておくね」

「せんきゅ〜」


私はベッドサイドへ戻り、先程の患者さんに担当看護師が変わるので引き継ぎをしたことを伝えた。

あれ、さっきよりやや表情が険しい。痛みがぶり返して来たか。


「痛み、また来ました?」

「…徐々に」

「わかりました、あまりに辛かったらナースコールを押してください。担当の看護師を通して先生に相談しますので」

「はい。ありがとうございます」


すれ違ったさしさんに疼痛増強していることを伝え、私はストレッチャーを初療室へ戻す。

さ、ここからはお片付けの時間。


ストレッチャーを定位置に戻したら、ストレッチャーに敷いてあるカバーを替え、周囲を片付ける。

一通りの片付けが終わったら、電子カルテに記載しきれなかった記録を書き込む。カルテを完成させて一息つく、ここまで終えて今回の救急車対応は終了だ。


「よし、終わり!」


そんなことをつぶやいた後、ナースステーションに戻る。



ポロロ、ポロロ、ポロロ、ポロロ…


ステーションに辿り着く前に再びなるホットライン。次の患者受け入れ要請だ!

私は再び、ホットラインを受けているあい先輩の元へ向かった。

この話はここで一区切りです。

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