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第76話 兵士の証言

 ――警戒灯台。

 海港都市ドミルセーエフを海からの脅威から守るために海岸地帯に一定数の距離をおいて作られた防衛施設である。灯台としての機能も備えており常時兵士が駐在している。

 消えたロバートさんを探して俺達はその場所に足を踏み入れた。


 ***


「ユキオスさん、こちらにいるボジーさんが夜勤の時にロバートさんを見たそうです!」

 そう言いながらコフブさんが駐在隊員を連れてくる。


「本当にロバートさんを見たんですか?」


「誰かはわからないですが……。夜明け前に砂浜を駆けていく影を私は見ました」

 その時ボジーさんははっきりとそう言った。


「ここはあまり人気はないのですか?」


「はい。なんてたってここは第三種警戒地域ですから。夜明け前に人影を見たのは本当に久しぶりです」


「そうですか……」

 ボジーさんの証言とロバートさんが消えた時間帯は繋がる。断言はできないがここからロバートさんは船に乗った可能性が高い。

 ――でも、どこへ……。


「コフブさんここから海を挟んで一番近い都市はどこですか?」


「海の状態にもよりますが、恐らくハルビガですね」


「ハルビガ……?」


「はい。ちなみにハルビガは聖司法都パルメクルの領土です。パルメクルは今、ゼゴー大統領が代理統治しています」


「パルメクル――。ゼゴー大統領??」

 ダメだ。知らない名前のオンパレードだ。ここはとりあえず情報収集が必要だ。


「パルメクルってどんなところなんですか?」


「パルメクルは大統領が代理統治する国です。最近、貪欲にその支配地域を拡大しています。ハルビガも最近併合された町です。そしていろいろと良くない噂もあります」


「良くない噂……」


「はい。あまり大声では言えないので耳を近づけてください」

 コフブさんは真剣な顔をしながら俺にそう言った。なんだろう……。とても気になるぞ……。


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