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第74話 急展開

 ドラガゼス元首とパトリキオスがいる応接室の扉を開けた時、俺の瞳に予想外の光景が映った。二人が誰かに襲われている。パトリキオスが剣で応戦してはいるが、かなり押されぎみである。


「ユキオス遅かったな」

 二人を襲っている黒服を着た男がニヤリと笑いながら俺にそう言った。そして俺はその男をしっている。


「あ、あなたは――。ロバートさん!?」


「ガルシアヌスが予想以上に早くやられたのは誤算だった。しかし、ただでは負けん!」


「ロバートさん武器を捨てて投降してください。今ならまだ――」


「何をバカなことを。この世を正しい道に導くことができるのは勇者のみだ。魔王ではない。俺はその道の先駆者であり前衛者なのだ!」


「そんな理屈……。あなたは大根をあんなにも愛していたのに!」


「変わったのだよ。お前も変われユキオス!」


「ユキオス、ヤツの言葉を聞くな。満遠会長、バックアップを頼みます」

 その言葉の後、町衣紋が走り出す。それに呼応するかのように会長も走り出した。


「ぐっ!」

 二人の歴戦の勇士の攻撃を受けてさすがにロバートさんはよろめいた。その隙をついてパトリキオスが剣を浴びせかける。


「ちっ……。さすがに分が悪いな。なら、これだ!」

 そう言うなりロバートさんは少し間を取り懐から何かを取り出した。


「それはまさか――。召喚パン!?」


「そうだ。さぁ、出てこい。時限式臨剛加火炎機導魔人アカゴス・ババロニゴズ!」

 そして、ロバートさんはパンを食べた。その瞬間、周囲の空間が乱れ時空の地場が歪む。その空間から炎を纏った魔人が出てきた。


「あいにく俺にはあまり時間がなくてね。船を待たしているのだ。じゃあな!」

 その言葉を残してロバートさんは走り出した。その後を追いたくても魔人が放つ炎が熱くて部屋から出れない。


「コイツを何とかしないと……。それにしても熱い!」

 凄まじい熱さと炎だ。しかし、肝心の魔神は何かをするわけでもなく立ったままだ。不思議と調度品や絨毯も燃えてはいない。まるで魔人がいる空間だけが違う場所のように。その時、魔人が一歩一歩と動き出した。


「い、今だ――。逃げましょう。パトリキオスさん元首を頼みます」


「わ、わかった!」

 こうして俺達は第二応接室から脱出した。


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