表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/175

遠未来研究部-SF小説と奴隷

  

 

「おいシャル、昨日の更新よかったぜ」


「そう、貴方も毎回律儀に言ってくるのね」


「ああ、感謝してるからな、心底」


「それじゃ、私の奴隷にならない?」


「うえぇ、それはちょっと、、、」


「冗談よ馬鹿みたい、いえ実際馬鹿だったわね」


「なんだとぉー!!!!!」


 手を怒らせて怒った、腹が減った、飯を食っていたらむしゃくしゃも収まったので良しとしてやった、俺はホント心優しいなぁ!


 彼女シャルは、スケールが馬鹿でかい、更に超長編の、SF〈スペースファンタジー〉のネット小説をほぼ毎日の更新でコツコツ書いている。

 これが、ガチでマジで凄く面白いのだ、形容するなら滅茶苦茶レベルかね。

 全50部からなる超長編予定、今現在実際に執筆され閲覧できるのは第五部までだが、それだけで文庫本100冊の文書量という膨大である。

 プロットは既に最後まで細かく精密に創作されており、サイト内で設定資料として見ることも出来る。

 これまた本編と同レベルの膨大な文量である、世界観や設定等、キャラクターの概略遍歴等もあり、ネタバレを考慮しても読まないのが損なほど、それだけでも面白かったりする。


「シャル、お前生きてる間に、完結できると思うか?」


「さあ、私の能力も無限じゃないから、クオリティーを下げずに創作しようとすれば、一生の事業になりかねないけど、完結させる気はあるわよ」


「そうかー、大変だと思うけど、頑張ってくれ」


「ええ、尽力するわ。

 ところで、貴方が私専属の奴隷になってくれれば、より頑張れる気がするんだけど?」


「お前のその!歪んだ願望はなんなんだぁ! そんなに俺を奴隷にしたいかぁ!」


「ええ! したいわぁ!」


「やめろぉ!!!」


「やめないわぁ!!!」


「俺は絶対にお前の奴隷になんかならないぞぉ!」


「はぁ、ふぅ、、なんて、冗談よ、馬鹿みたい、こんな下らない事で熱くなっちゃって、ばーかばーかぁ」


「しばいたろか!この!この!」


「はぁーあ、最初会った時は、凄く御しやすそうな、大人しそうで弱弱しいオドオドした僕っ子だったのに、何時からそんなになってしまったのぉ?」


「うるさいよ、そんな昔の話はしらない、し、だいたいなんだそれはぁ、俺はそんなに頼りない感じだったか?」


「ええ、まあ大方、私を守れるような立派な奴隷になりたくて、今のような”俺”になったのでしょう?」


「そうだな、少なくとも絶対に、お前にだけは劣らない、立派な男になるのは絶対防衛線、てか死守ラインだなって思ってる」


「私だってそうよ、貴方に負けたら、即座に手篭めにされて、好き放題された後、ポイ捨てされる覚悟で日々必死なのよ?」


「俺を!どんなド鬼畜最低のクズ野郎だと思ってるんだぁ!!?」


「冗談なのに、いちいち過剰反応して、やっぱり自覚があって図星なのかしらね?」


「あぁー、もう付き合いきれないぜ、はぁー、、、」


「はぁ、奴隷ほしいわ」


「その呟き、やめてくれませんかねぇ」


「無理よ、本当に欲しいのだもの」


「試みに聞いてやる、どんなのが欲しいんだ?」


「そうね、苛め甲斐があって、純真で潔癖な、純粋さを失わない、誇り高くも折れやすい脆さを持った、儚くも美しい存在」


「具体的過ぎるぅ、、日々そういうこと考えてんだな、怖えぇよ」


「どこかに女の子に虐げられるのが生き甲斐で、絶賛そういう性癖を溜めて悶々してる人いないかしら? ちらちら?」


「こっち見んな」


「貴方って、意外と変態じゃないわよね」


「意外ってなんだ意外って、当たり前だろが、ラノベの主人公とかじゃないんだぞ」


「まったく詰まらない人だわ、フェチの一つもないなんて、人生楽しい?」


「フェチくらいあるぞ」


「へえ、どんな?」


「うーん、金髪碧眼フェチ、とか?」


 ちなみに、今目の前にいる彼女は金髪碧眼だな。


「私ってね、フェチって、その特性を楽しむ能力を異常に強化させた状態を言うと思うの。

 貴方が金髪碧眼をフェチにするのも、しょうがないと思う、だって常日頃から最高にフェチを刺激する対象がいるんだものね」


「そうかもな」


「、、、奴隷にならない?」


「ならないかなぁー」


「、、貴方の人生なんて、どうせ下らないんだから、私の為に人生捨てても問題ないでしょうが」


「この野郎、好き勝手いいやがるな、俺の男を否定して、平気でいられると思ってる?」


「乱暴するの?」


「そんな事はしないけど、悪口はやめてくれって事だ」


「嫌、貴方を罵倒して、沢山の罵詈雑言考えたり、それをどのタイミングで何時吐くか、それを楽しむのが私の生き甲斐の一つ、我慢して」


「勝手なことを、そういう考えなら、俺もお前を罵るぞ」


「犯罪ね」


「シャルもやってるだろう」


「いい、、美少女の罵倒は、ご褒美なのよ、きっと司法的にも認められているんじゃないの?」


「なわけあるものか、お前は馬鹿か」


「ええ馬鹿よ、偶には馬鹿になりたいと思ってしまうくらい、馬鹿よ」


「嫌味な感じだぜ、それ」


「頭が良すぎるとね、何も考えない時ってのが無くなるんだけど、本当に偶にはそうなりたいってのは本心よ」


「俺にはわからない世界だ」


「だから私の奴隷になれば、毎日調教してあげて、考えられる限り最高の状態に、貴方を仕込んであげるって言ってるでしょうが」


「遠慮しておくよ、そこまで望んでないし」


「向上心の無い馬鹿ね」


「いや、むしろそれは人間的に堕落してないか」


「ふっふ、どうかしらね、試してみない?」


「それ、不可逆だからな、ここは安全策を取ることにするぜ」


「つまらない話、利益の為にリスクを蒙る事を恐れている、というか、本当に私の奴隷になるつもりはないの?ねえ?」


「どうとでも言っててくれ、俺は絶対に奴隷になりえないから、他を当たってくれ」


「いないわよ、貴方よりも、撃って響くような良い音が鳴る、肉奴隷は」


「もう怖いから、お前は喋るな」


 その後分かった事であるのだが、最近彼女はスランプで、自作の小説の執筆が滞っているらしい。

 だから、そのストレス発散の為に、まあ溜まっているらしいな。

 俺にその全ての矛先を向けたく、有り余る彼女の熱情をぶちまけたいって告白されたった、俺は恐怖に戦慄しながら愚痴を延々聞いた。

 だが非人道的であるからして、半分は冗談で、もう半分は狂気に染まっていた、理性がなければ大変なことになっていたぞ。

 最後彼女は聖女のような笑顔で、俺に感謝を口にした。

 で、去り際に、つぶらな瞳で俺の袖口を掴んで「わたしの奴隷になって」と言われた、もちろん俺は断り、その日は其処で別れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ