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ドリームワールド夢物語-朝、シャルとランニング後、星を見る

 

 

「うん、、、なんだ、夢か」


 ここは夢である、俺には分かる、何度も体験済みの経験だからな。

 酷く明晰な夢だ、現実と何ら変わらない、現実らしくない非現実的な物理現象が巻き起こる点を除けばな。


 確か前の回は、、、。

 親父が車で大暴走して、迂闊な大学生達が大勢いる場所を気が狂ったように走って、みんなに注意を喚起し。

 そのあと、近未来化した故郷の駅のプラットホーム、その巨大な橋のような場所を高速で走り、辺鄙な降り階段に車を突っ込んだ。

 親父は「足がついた」と言い、後方の窓から警官が一人見えて、しきりに窓越しにノックしていたっけ。

 その後、なぜか形見の品のように、巨大な豚の丸焼きをもらい、そんなの持って帰れないから、駅のプラットホームで食えるだけくって。

 残りは、アレ? どうしたっけ?記憶が曖昧だ、ここら辺で終わったか? 

 まあいい、親父の件は残念だが、案外この世界ならうやむやになってるかもな、次にいく。


 俺は今、青空の澄み渡る駅前にいる。

 二階構造の、現実よりも凄く発展してる感じの場所、だが人は少ない、逆に寂しい気分になる。

 あれだ、田舎の無駄に予算のつぎ込まれた人の全くいない学校や駅とか、例としては秀逸なんじゃないのか?


「おおおい!!! タクミぃ!!」


 遠方から声。

 駅構内に続く、なだらかな登り坂をランニング気分か走ってくる奴がいる。

 シャルだ、夢限定オリジナルキャラである。

 彼女は滅茶苦茶に美人だ、たぶん現実比で見れていれば、掛け値なしにそれくらい。

 まぶしい位のけぶるような金髪、スカイブルーのように澄み渡り美しすぎる、宝石を嵌め込んだような瞳。

 はっきり言って可笑しい位の見た目だ、どこのPCゲームから飛び出てきた完璧超人ですか? と問いたくなるような感じである。

 ちなみに、この夢世界では超絶トップアイドル級の容姿は。特に騒がれない仕様らしい。


「はぁ、はぁ、、気持ち良いくらい、、走ったぁ、、タクミも走ろおぉ!!」


 俺の所まで、坂だってのに全力で駆けたからか、息を乱している。

 だが、その表情は爽快に喜びを表現していて、ついつい俺も走りたくなるような素晴らしいものだ。

 ちなみに、俺も走るタイプの人種だ、高校では陸上を専攻し、分野は長距離って感じだ。


「シャル、朝から精が出るな、俺は本でも読んで、文化人らしく過ごすよ」


「てっかぁ! なんで昨日パーティーの後に勝手にどっか行ったぁ! 

 二次会も三次会もエンドレスであったのにぃ! メールもガンガンしたのにぃ! なんで返事しないのぉ!」


 パーティー? なんの話だ? てかパーティーって、なんやねん。

 俺の夢では、俺の認識も知らんか、勝手に設定やら話が進み積み重なっていく、いわゆる不親切設定なのだ。

 いつもの事と、軽く調子を合わせながら話す。


「はぁ~、せっかく昨日はみんな集まってて楽しかったのにぃ~」


 残念そうな顔でこっちを恨めしげに見てくる、いったい何があったんですか? できるなら俺も知りたいよ。


 そんな事を話した後、俺も町を一周、一巡りできるくらい、シャルに続く形で軽くジョギングした。

 本当、夢とは思えないって思ったね。

 現実の俺の故郷、故郷って言うと田舎くさいか? 

 普通にアレは町だろう、あれは何の変哲もないタイプだろう、あぁ~、普通の町って言うのは俺的に、田舎と都会の中間ね。

 この夢ヴァージョンの町は、色々な場所が近未来的なフォルムに変わってて、でも人口密度はあんまり変わってない。


「何時まで走るんだ?」


 俺がソレを聞いたのは、時間も忘れて走った後だった。

 辺りはすっかり暗くなっている。

 リアルと比較すると辺りは明るめだ、俺の町はもっと暗めなのだ、街灯の間隔とか的にいって。


「う~ん、もう満足かなぁ~、身体も十分暖まったぁ~~」


 シャルは足を止めて、駅前のけっこう広い休憩場のような場所でジュースを買っていた。

 俺はその広場の手頃なベンチに座って、空を眺めた、普通に星が見えた、風は特に冷たくなかった、リアルの季節換算なら冬終わりなのにな。


「はい、コーラ、好きだったでしょ?」


 はて、俺がコーラが好きなんて伏線、お前に張ったか?

 訝しげに思いながらも、ありがたくコーラをもらい、お礼を言いつつ受け取る。


「ペットボトルか、太っ腹だな、それにゼロカロリーなんだな」


「ゼロカロリー嫌い?」


「別に嫌いじゃないよ、ただ走った後は糖分があった方が、、ってな」


 濁しながら言った、別に不満は特にないが、お腹も別に空いてないしスルー感覚で言ったつもりだった。


「なによ、その言い方ぁ~、あなた糖分とって太りたいの? デブは最悪よ」


「いや、悪い意味で言ったんじゃない、それに、ぷは、普通にうまいしな、コレ」


 ペットボトルを掲げながら言う。


「そう? そうよねぇ、貴方も分かっているじゃないのぉ」


 シャルはベンチに座る俺を、斜め上から含みのありそうな変な目で見てきて、そう言う。

 麗しいポージングで立って、喉を晒してコーラを威勢よく飲む。


「はぁ~、もう夜も遅いし、解散かなぁ~」


 つまらなそうに地面を無意味に蹴ったり踏んだり、ぐりぐり踏みしめたりして、シャルは誰に言うでもないように、そんな事を言う。


「夜って、これからが本番だろう、まあ、一般常識じゃなくて、俺たちの場合はな」


 だろうよ、自分で突っ込みたくなる位には、お決まりの流れで定番で模式美みたいなモノ。

 夜に大人しくなるなんて、ありえない流れだ、おそらく、この後酷いオチのような展開のオンパレードが始まる、だろう多分。


「そうね、夜のハイキングとか、暴走車に乗ってカーチェイス紛いの事したり、それが私達のパータンだものね」


「ああそうだ、今はさしずめ、嵐の前の静けさって奴だぜ、きっとな」


 今までの散々なアレコレを回想しながら、遠い目をする。

 気づくと、隣にシャルがいつの間にか座っていた、疲れたのだろうか?


「どうした?」


「いえ、なんか眠くなってきたから、座っただけ、駄目だった?」


「駄目じゃないさ、俺の方に寄り掛かってきたら、俺が嬉しいけどな」


 シャルは鼻で笑って、星空を見上げた。

 二人寄り添うことなく、いつ始まるとも分からない、次の展開に待ち構える小休止のように、何も言わず星空を見ていた。

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