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第二十一話 指導、見えない影の対策

 

俺は熟睡するカレンを背負った。


「ルリディア。その飴玉をくれた奴の特徴はどんな感じだ?」


「えっと、確か優しそうなおばあさんでしたよ。頭巾とマントで顔の表面しか見えませんでしたけど」


「あれ? 私はおじいさんに見えましたけど」とエンリィは口を挟む。

 二人の意見が違うことからテロリストの正体を特定するのは難しいだろう。


「探し出しますか? 一応、会ったことがある私であれば見つけられるかもしれませんよ」


「いや、おそらくもうこの街から姿を消しているだろう」


「どうして分かるんですか?」


「テロリストはかなり警戒心が強いとみた。そう簡単に尻尾は出さないだろう」


「そうですか。許せないですね。そのテロリスト」


「今回は陰湿なやり方で喜ぶような奴だが、酷い奴はいきなり命を狙ってくる。運が良かったと思うしかないな。さぁ、勇者アカデミアに帰ろう。今日のボランティア活動はお開きだ」


「はい」


 それから三時間ほどでカレンは目を覚ます。


『知らない人から貰った食べ物を無闇に食べてはいけません』と親が小さい子供に教えるように俺はカレンに向けて口が酸っぱくなるほど教育した。

 流すように聞くカレンに対して俺は理解してもらおうと教えるのにも必死だった。


「分かったからもういいでしょ。ナオユキ先生」


「お前、本当に理解しているのか? 下手をしたら死ぬところだったんだぞ」


「分かっています。反省してますって。課題でも何でもしますからそれでいいでしょ?」


「俺はお前が憎いから言っているわけじゃない。死なれたくないと本気で思っているんだ。それをしっかり受け止めてくれ」


「ナオ……ユキ……せんせー? 泣いているの?」


「え?」


 頬に手を当てると濡れていた。


「何だろうな。カレンが無事に居てくれてホッとした証拠かもしれないな」


「ごめんなさい。ナオユキ先生の気持ちも分からず、私の勝手な行動をしてしまって」


「いや、俺がついていながら危険な目に遭わせた責任もある。カレンは俺の教えを守ってくれたらそれでいい」


「ナオユキ先生。私が間違っていました」


 カレンは俺の胸に飛び込んだ。

 俺の気持ちが伝わったのか、カレンは貰い泣きで顔を濡らしていた。

 今回の件を受けてより一層、生徒から目を離せないことを悟った。

 勇者アカデミア内では部外者が侵入しない限り安全圏内だ。

 だが、イベントや行事などで勇者アカデミアの外に行くときはより慎重に行動しなければならない。


「なるほど。テロリスト……ですか」


 俺は冒険者ギルドに立ち寄り、イロハちゃんに話を聞いてもらっていた。


「あぁ、危うく生徒が犠牲になるところだった」


「酷い人もいるものですね。今は注意喚起するしかないと思いますが、対策をするとしたら難しいですね。ナオユキさん一人で生徒を全員守るのは不可能と思います」


「今、俺が出来ることは生徒一人一人に気を配ること。それと生徒に二度と不幸がないように指導すること。それくらいしか出来ないな」


「生徒の位置情報が分かるような鑑定スキルを使うのはどうでしょう。範囲は限られますが、範囲内であれば生徒がどこにいようと鑑定スキルで位置は把握できます。他にも結界を張ることで侵入者や生徒が脱走しようとすればすぐに分かりますよ」


「鑑定スキルでもそんな使い方が出来るのか」


「えぇ、ナオユキさんでもトレースしたらすぐに使えると思いますよ。結界を張るとなれば少し難しいと思いますけど」


「なるほど。まぁ、悪くないけど……」


「乗り気じゃなさそうですね」


「生徒を縛り付けているみたいで気が引けるだけだ。例外はいるけど」


「例外?」


「ルリディアには奴隷刻印で縛り付けている。でもそれは他の生徒に被害が及ばない保険だ」


「確かに亜人族って理性が失われたら危険ですけど、今はどうなんですか?」


「以前に一度、暴走したが、それ以降はおとなしいものだ」


「そうですか。でも何かあってからでは遅いですよ」


「まぁ、そうなんだが」


「ナオユキさんの気持ちは分かります。せめて勇者アカデミア内だけでも鑑定スキルで位置情報を把握してみてはどうでしょう」


「分かった。やってみるよ」


「でもナオユキさんの鑑定スキルにトレースしますね」


 俺の鑑定スキルにトレースしたことによって生徒たちの位置情報が目で見ることが可能になった。


「合わなかったらアンインストールも可能なので遠慮なく言って下さい」


「ありがとう。イロハちゃん」


「いえ、いえ。また何かあればいつでも相談して下さい。それにしてもナオユキさん。教育者としてイイ顔になっていましたね」


「そ、そうか?」


「はい。勇者だった頃より全然いいと思いますよ。それに生徒のことばかり考えて生徒さんは幸せですね」


 俺は生徒を持ってから変わったのか。

 勇者アカデミアを設立したのは成り行きだったこともあるが、こうして今の俺の立場は俺自身ではなく生徒の存在が変えてくれたんだと思う。











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