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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
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32. 戦火の中の花嫁

 ヤマナ達はデルハルトの避難民を連れて国境を越え、レガトの砦を通過しテリクスに帰ってきた。

 到着するころ、トモナリがようやく起きた。


 テリクス湖畔には、デルハルトから逃げた人たちの難民キャンプができている。

 難民キャンプの前ではデルハルト王が待っていた。

 ヤマナの部下たちはあらかじめの指示で領主の屋敷へと案内しようとしたが、デルハルト王は民と一緒にいることを選んで難民キャンプにいた。


「トモナリ、すまぬ、、

 そなたや民を置いて先に逃げて、、、

 本当にすまぬ。」


「おうざまぁあ、ごめんなさいぃ

 いっぱい、守れなかったよぉ、、

 うわあぁぁあん」


 デルハルト王の脱出は本当にギリギリだったらしい。

 少しでも国民を逃がそうと、頑張っていたが、最後は臣下に引きずられるようにしてテリクスまで引いた。


「お久しぶりです、デルハルト王」


「おお、ヤマナ殿!

 この度はトモナリと国民を救出してくださり、感謝致します!

 この恩にどう報いればいいのか、、」


「いえ、、救出が遅くなり申し訳ありません。


 ヒューレは無力化しましたが、デルハルト国内に軍はまだ残っています。

 兵力もまだ相手の方が優っております。

 今後の対応を考えねばならないでしょう。」


「その事だが、テレシアを朕の娘とする話、是非にそうしたいのじゃが、、、

 肝心のテレシアと会う事が出来なくては、、」



「総司令閣下、申し上げます!!」

 伝令がヤマナの元に走ってきた。



「テリクス南方より軍が近づいております。数は約2千!

 王国旗を掲げております!

 陛下、おんみずからの出陣と思われます!」


 -- ナイスタイミングだ! ゼノラウト8世陛下!

 ヤマナは思わず拳を握りしめた。


 王国軍の指揮は北東の領主、シュルトがとっていた。




「デルハルト王よ! 無事か!」

 ゼノラウト8世が走り寄り、デルハルト王の手を取る。


「おお、おお、ゼノラウト王よ、

 感謝する、感謝する、、」

 デルハルト王が両ひざをつき、ゼノラウト8世の手を、すがるように握りしめる。


「それで、こんな時なのじゃが、、

 ワシは、、

 其方の、えーと、」


 -- 陛下ガンバレ!

 ヤマナは心の中で応援する。


「ええい!

 其方の娘のテレシアをワシの妃として迎えたい!」


 -- よし、よく言った!


 陛下の後ろでテレシアが、両手で口を押さえて驚いている。


「もちろんじゃとも、

 順番が逆になってしもうたが、、

 テレシアよ、朕の養女となっておくれ、そしてゼノラウトに嫁ぐのじゃ、

 良いかの?」


「はい、

 もちろんでございます、

 お父様。」


 テレシアが涙を流して答える。






 すぐに一行はテリクスの街の教会へと向かった。

 重臣や関係者だけを集めて急遽、ゼノラウト8世陛下と、デルハルト王女テレシアとの結婚式が行われた。領主はヤマナとシュルトだけの参加だ。


 大々的な披露宴は後日、王都で行われることとなるが、今はつつましく結婚式が行われた。

 指輪とドレスなど、最低限必要なものは陛下が用意してきたらしい。


 式に必要な準備は、陛下が連れてきた神官たちと、エリス、ヘレンが行った。



「テレシア様、きれい、、」

「ああ、きれいだな、」


 祭壇で誓いを交わすゼノラウト8世とテレシアを見ながら、ヤマナは隣にいるエリスの肩を抱く。

 いつか俺たちも、、そう言おうと思ったが、結局言葉にはしなかった。



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