110. 勇者ユウキ
『盤面掌握!』
フミオ様の交戦が始まったのを感じた後、私は盤面掌握を展開し、情報収集を始めた。
この大陸軍の中の、本陣以外の数十か所で、黒い気の魔族が出現し、暴れまわっている。
それとは別に、特に強い気を持った5体がフミオさまの前に現れたのを感じた。
こうして敵を感じるだけで負担を感じる、、
特にフミオさまの敵! なにこのプレッシャー!! フミオさまと戦闘を開始したとたんに危険度が跳ね上がる!!
「くっ!」
私はあまりのプレッシャーに頭痛を起こし、頭を抑えた。
「アユミ、大丈夫?」
ヒナコさんが心配してくれて背中をさすってくれる。
「大丈夫、、フミオ様が戦闘を開始しました、みんなも戦っています。」
「そう、、この本陣に敵が近づいたら言ってね、私が撃退するから。」
「はい、お願いします、ヒナコさん。」
あ、、レオル、ルルとシェリーちゃんも戦い始めた!
みんな、、無理しないで、、
フミオさんがひと際強力な魔族、『枯れた指』と交戦を始めた!
俺は帝国の勇者として何度か下級の魔族と戦ったことはあるが、『名前持ち』の魔族と遭遇するのは初めてだ。
『名前持ち』の魔族は、体の部位に相当するような名前を持っており、その強さは他のものとはケタ違いだと伝承には残っている。
そして配下の4体の上級魔族もフミオさんに襲い掛かかった!
「させるかぁ!」
俺は、右側から飛び上がって突っ込んでくる翼の生えた魔族の前に入り込み、インターセプトした!
もう一匹、左側のやつはフミオさんの部下の獣人が止めたようだ。
こいつら、、闘技大会に現れた強力な魔族と同クラスだな。
≪ゲギギ、カゲノウスイ『勇者』カ、フン≫
「……挑発かい? のらんよ、さっさと俺に斬られてくれ。」
≪フ、ン≫
魔族が手をかざし、火球を作る!
『氷槍!!』
空中で1メートルほどのつららのような氷の塊を作り、魔族に向けて飛ばす!
グワァァァアアン!!
火球と氷槍が激突し、空中で水蒸気爆発を起こした!
空へと飛び上がる魔族!
≪グォォオオオオ!!≫
魔族は空中でいくつもの小さな火球を作り、打ち出した!!
ドン! ドドドン!
次々と降ってくる火球を避け続ける、地面には小さなクレーターのような穴がいくつもできた。
『ファルコンスラッシュ!!』
剣を振り、風の斬撃を飛ばす!
≪!! グ、ア!≫
魔族の蝙蝠のような羽を切り裂いた。 落ちてくる魔族、有効打のために直接斬るべく、走る!
≪ズニ、、ノルナァ!!≫
地面に落ちた後、すぐに立ち上がり、両手のひらを前に突き出して火球を作る魔族、
バスケットボール大のとんでもない密度の火球が二つ!
くっ、撃つ前に詰めたい!
[ ユウキさん! 援護します!]
この声は、アユミさん!
ごめん、返事する余裕ない!
[『角成竜馬!!』]
うお!! 突然手足から青白い炎が噴き出した!!
すげぇ! ロケットのような加速で魔族に突っ込む! これなら!
「ォォオオ! 貫けぇ!『破魔聖剣突きぃ!!』」
右手で突き出した『勇者の剣』の刀身から青い光があふれ、俺の体ごと包み、特攻をかける!!
≪ヤケシネェ!!≫
放たれる2つの巨大な火球!!
ドッドンッ!!
ゴッ!!
俺は勢い余って魔族の居たところを通り抜けていた。
魔族は足首や肩などの部位を残して魔法ごと消滅し、、
やがてそれらの部位も黒いチリとなって消えていく、、
「ありがとう、アユミさん、とんでもない威力だな、助かったよ。」
[ いえ、ユウキさんがすごいからですよ。私はちょっと力を引き出しただけです。]
いや、ちょっとやそっとじゃないと思うが、、
フミオさんのところにはすごい連中が集まっているな、、
よし、次の敵は、、近くで下級の魔族が一般兵を相手に暴れている。待ってろ! すぐ行くぞ!




