1/155
0. プロローグ
「あ~あ、うちの社用車こんなんにしちまいやがって、」
RV車とトラックの間でぐっしゃり押しつぶされたコンパクトカーを見下ろしながら、白だか黄色だかわからない、ぼやっとした玉になって、空をふよふよ~っと上がっていく。
ここはA県にある片道4車線もある幹線道路の交差点。40代独身サラリーマンの俺は、お客さんのところへ社用車で移動中、信号待ちしていたところを、後ろからごついRV車に突っ込まれた。
「さすが交通死亡事故No1の県、スマホでもいじりながら運転してたか?」
とか皮肉を言いながら昇っていく。
「まあ、同乗者いなくて良かったか…
会社の皆、あとよろしく、親父お袋すまんなぁ… 」
このまま雲の上にいって、その後はどこ行くんだろ? と考えていたら、
あれ? あれれ? なんか引っ張られるぞ? 横? いや違う、何が違う?
横とか縦とかじゃない! 変な空間に引き込まれる!
黒い空間に入ってどんどん加速する! 星が流れる!
やがて…
はっと気が付くと、真っ白い空間へたどり着いていた。




