ヘチマ
馬車の改造が終わってそれなりに座り心地など、居住性が向上した。
居住性の向上は馬車の乗客の疲労軽減に繋がり、微かにだが生産性の向上に繋がる。また、乗客のストレスも大幅に軽減されている。
劇的な変化ではないが、こういった改善を積み重ねていくのが成功への最短ルートである。
それ以上の近道が無いとは言わないが、リスクまで考えると最短ルートは地道な積み重ねだと思う。
スポンジ関連で思い出したのだが、小学生の頃にヘチマのスポンジを作ったのを思い出した。
ヘチマの栽培は理科の授業でよく行われる。孫もやっていたかは知らないし聞いていなかったが、俺が子供の頃はそうだった。
ヘチマはヘチマ水って化粧液とか手に入るし、未熟な実は食用になったはずだ。
原産地は確か……インドだったな。
インドと言えばシルクロード交易。
シルクロード交易をやっているのは爺さん。
爺さんに頼んでヘチマを入手してみるか。
「ヘチマ? ふむ、今度の便で発注してみるとしよう。
化粧水に体を拭く粗布の代用品に。食用になる事も考えれば、王国全土に広めてみるのも悪くないかもな」
爺さんに話を振ると、利用方法の多いヘチマは魅力的に映ったらしく、わりと乗り気であった。
爺さんは胡椒交易の終わりがそろそろ見えてきたため、その代わりになる物を探していた。
ヘチマは長期取引に向いているわけではないけど、それでも一時的に取引を活発化させる要因になり得る。
とにかく何でもいいのだ。交易を有効活用する何かであれば。
なお、胡椒の栽培は順調である。
すでに一部では収穫が行われており、少量ではあるが王国内で栽培可能という結果を出している。
今はまだ木が成長しきっていないので国内需要を満たすほどではないが、このまま、後数年もすれば外国に出荷できるようになるだろう。
その時はもちろん、他所で栽培されないように熱湯処理した物だけを売る事になる。
へちまは1年草なので、入手できれば次の夏や秋には収穫できる。
栽培そのものは簡単だし、手間もかからない。水やりと風通しを怠らなければ何とかなる。
たしか春は二日に一回、夏は一日二回だっけ? 蔓の伸び具合を見て水の量を増やすようにすればいいんだったか。
あと風通しの悪い所で育てると病気になるから、ネットなどに絡ませて伸びる方向を指定したり剪定などして風を受けやすくするといいんだったな。
ぼんやりと考えてみると、なんとなく思い出してきた。
あとは実際にモノが手に入ってから思い出せばいいか。
うん、何とかなりそうな気がしてきた。




