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祭りだ!(勇者不在)

 あ、また落ちた。


 俺は最後の競技「YUUSYA」の犠牲者――もとい、参加者の末路を見ながらほほを掻いた。

 まさか参加者50人中40人が第一関門で脱落するとは思っていなかった。


「やりすぎだった、か?」

「「「あたりまえだ(ですー)!」」」


 思わずぽつりとこぼした台詞に、周囲の観客一同から総ツッコミ。

 いや、「S○SUKE」参加者なら半分はクリアできると思うぞ? ……たぶん。


 俺はアリ地獄のような現象、流砂に嵌ってもがき飲み込まれていく参加者に目を向けると、周囲の冷たい視線を誤魔化すように口笛を吹いた。





 俺が用意した特殊障害物踏破競技「YUUSYA」は平面直線距離300m、10のアトラクションで構成された高難易度競技である。


 陸上コース150m海上コース150mと、半分は海の上を進むことになる。

 ラストのアトラクションはお約束の「20mロープのぼり」だったので、海の上の方が安全かな、と思ったのだ。

 ただ、その段階で参加者を半減させるほどの視覚的インパクトがあったようだが。



 アトラクションの説明をしよう。


 まず第一関門に「流砂ゾーン」100mが待ち受ける。

 これは砂地にいくつかの流砂エリアを設置してあるエリアで、流砂に嵌ったら脱落という「比較的簡単な」アトラクションである。

 ちゃんと最低2m幅の順路があり、目に見える流砂を避けて進めばゴールできるはずであった。

 問題は流砂を維持するために「飲み込んだ砂をたまに噴出させる」というギミックで、運悪くそのタイミングで流砂の横を通ると砂が目や口に入って、その痛みで転落してしまうのだ。


 第二関門に用意したのが「振り子通り」50m。

 10m間隔で巨大な振り子が左右に振れている間をすり抜けて通るだけの、やはり「簡単だと思う」アトラクションだ。

 振り子の大きさは直径2mの大玉風船。振り子として使うためにそこそこの重さがあるけど、中身が空気の布玉だ。ぶつかったら失格だけど、当たったところで痛くはないので怖くも無いはずだ。

 なのに、第一関門を潜り抜けた参加者10人のうち9人がここで脱落した。解せぬ。


 第三関門は「氷の海中道路」10mだ。

 ここから海中コースなのだが、真っ直ぐな下り坂になるよう幅3mの、氷の道を用意した。最初の高さは水面で、最後の高さは水深30cmだ。そして道の上から落ちたら失格。これはわりと難しい。

 ポイントは氷の上を歩くというのと海中という事で、冷たい氷の上を歩くために足の感覚が無くなり、波に足を持っていかれるという嫌なコンボが発生する。

 最後の一人もここで脱落した。


 第四関門以降が「木の板渡り」「ターザン」「吊り輪わたり」「回転地獄壁登り」「棒の森」「50m水泳」「20mロープのぼり」という並びになっている。細かい内容は一部を除きなんとなくわかると思う。

 「回転地獄壁登り」は巨大脱穀機な円筒を上るもので、ゆっくりとだが回転するのでそこそこの速さで登らないといけない。「棒の森」は太さ15cm高さ2m前後の棒がたくさん立っているエリアで、落ちたらアウトの中国武術っぽい奴だ。


 ……やっぱり「SASUK○」よりは簡単、だろ? 時間制限も無いし。

 こちらの参加者があっちの参加者ほどガチじゃないだけで、難易度設定は間違っていないと思う。





 ただ、俺とみんなの間には埋めがたい認識の差がある。

 しょうがないので最優秀選手には景品を出すという事で話を付けた。


 ふぅ。やれやれだな。

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