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性文化

 祭りが終わり、その片付けで一日を費やす……事は無かった。

 準備そのものを大して何もしなかった事もあり、片付けるものも少ないのだ。精々が酔って吐いた奴の吐しゃ物の清掃だとか、誰かが置き忘れた皿やコップの片付けなどだ。

 なので、二日酔いの連中の尻を叩き、いつも通りの仕事をやらせている。

 酷いと思うこと無かれ。この世界では働かないと食っていけないのだ。ニートには生存権が無い世界。この世界はその程度に厳しい。





 収穫祭後すぐに、嬉しい報告があった。



 畜産センターから兎の出産があった。4つ子だった。

 兎は年中発情期で、いつ出産しても不思議じゃない。今回は収穫祭後に偶然重なったわけだ。

 一般的な動物の赤ちゃんの例に漏れず、生まれたばかりの兎にはまだ毛が無いので、寝床に麦わらを積んでおいた。これから寒くなるので、こういった気遣いも必要だろう。


 願わくばすくすくと育ってほしい物である。



 もう一件は、人間側の妊娠だ。

 娼婦の一人の懐妊が確認され、この村で初めての赤ちゃんが誕生する。

 妊娠したのは19歳の娘で、まだ若いし母体の心配はそこまでしなくていいと思う。いざとなれば俺が魔法でどうにかするし。俺の魔法なら帝王切開だってできるし普通の出血や体力低下などにも対応可能なのだ。魔法チートは本当に便利である。


 当たり前だがその子は娼婦の仕事から外し、他の仕事だけでいいとお墨付きを与えた。肉体への負荷が高い仕事もやらせない。

 今回の対応では単純に妊婦の仕事を減らしたから、女性陣には妊娠のメリットを分かりやすく提示された格好だ。出産リスクも俺という保険が存在することでほぼ無いと言ってよく、出産に対する心理的ハードルはずいぶん下がったと思う。


 このまま妊娠する娼婦が増えれば男どもの夜の生活に悪影響が出るので、娼婦を多めに人を増やさないとまずそうだ。

 そこだけが問題点かね?



 そうそう。

 俺にとってはわりとどうでもいい事だが、子供の父親が分からないことについては誰も気にしていない。子供の親は、村の大人全員というのが常識なのだ。

 そのため父親が誰というのを気にするのは貴族階級ぐらいであり、一般人はフリーセックス、アバウトな性文化である。結婚すれば貞淑を求められるが、未婚女性の誰が誰と体を重ねようが気にしない。


 ただし、同性愛は違法だけど。

 薔薇(あべさん)百合(ゆりりん)は異常、非生産的として国法で取り締まり対象になっている。

 子供が出来ないのは困るからね。思想の自由など無いのだ。

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