No.6 圧倒的な差
ガッシャーーン!!
真っ二つになった巨大な拳が地面に落下する。
あ、やべっ、手ェ切っちまった、なんてこった、真っ二つだもん。
しかし、真っ二つになった巨大な手が一つにくっついた。
「ゑ?」
マジで!助かった!
って今俺何つった?
「オーッホッホッホッホ!!!!!手ェ一本切られたぐらい簡単に修復できちゃうの。最初からオマエ達に勝ち目なんて無ェんだよ!!!!!!」
いいえ、おかげ様で助かりました、ってか喋り方がだんだん変になってますよ。
リクが起きるまで多分もって2分、速攻でカタをつけないと。
『ファンネル 全開放、鹵獲モードに移行。』
その言葉とともに全てのファンネルがアーマーから放たれ、敵に向かって飛び出した。
そのまま敵を囲むように配置され、ファンネル同士、向かい合わせにビームを放ち、巨大な電磁ネットを創り上げた。
「えっ?えっ?えっ?」
戸惑う暇さえ与えてやるもんか。
『高圧電流、電磁パルス出力、最大!!!』
「ギャアアアアァァァァァァァ!!!!!!!」
数分後・・・。
あの巨大なアンドロイドは俺の造り上げた大型輸送機に吊り下げられていた。
とりあえずミッションクリア・・・、と。
ヘリを操縦しつつ、今回の帰還報告書を書いていた。
帰還報告
救助成功人数 7/7人 うち能力者1人
鹵獲アンドロイド数 1/5体
補足 璃藕の暴走により、アンドロイドがすべて破壊されたが、敵リーダーがアンドロイド残骸を使い、大型のアンドロイドを精製、その大型アンドロイドを鹵獲。
被害総数 0
「これでよし・・・と。」
これで指令が鹵獲数でいちゃもんつけてこなければ良いのだが。
あれ、何か忘れてる気がする、まぁいいや。
「オラァァァァ!!!あのデカブツはどこじゃーーー!!!!!」
思い出した、こいつだ、アレを壊されたらやばいな・・・よし、これで行こう。
「あ!あんなところに凄く強そうなアンドロイドが!!(棒読み)」
「え!!!どこだ!!」
今だ‼食らえ!ショックビーム!!
「あががががががががががががが」
バタッ
「ふぅ、これで良し、と」
あ、そうだ、こいつに責任を全部押し付けてしまおう。
そんな事を考えながら、操縦席の窓から地平線に沈んでいく夕陽を眺める事にした。