第四十四話
エピローグ
首の無い大柄な老人の亡骸を抱きしめながら泣き叫んでいる少女がいた
涙は留まることを知らず、ぼろぼろと零れ落ちている
泣いて、流れて、叫んでいる
大きな老人と、大きな獣が二匹、それと四匹の小さな獣が少女のほうへ向かって歩いてきた
「よお、お姫様。迎えに来たぞ」
老人が言うと、大きな獣が少女の顔を涙ごと舐める
老人と獣を見た少女は、さらに泣いた
「ごめんなさいごめんなさい」
少女は泣きながら謝って皆を順に抱きしめていく
時間がない
ひとしきり少女に泣かせた後、その頭を撫でながら老人が言う
「さあお姫様。行こうか」
行かなければならない
それは少女も分かっている
少女は頷いて歩き出した
その隣に獣達が寄り添う
大きな獣が老人と目を合わせ、互いに頷く
老人が来ないことを不思議に思った少女は振り返る
「俺はまだやることがあるんだ。先にいってくれ。見ててやるから」
嘘だ
少女は老人の元へ走り寄って抱き締めた
その顔を両手で掴んで下まで降ろし、頬に唇をつけ、大好きだと伝える
時間がない
少女は〝大好きだ〟と何度も伝えた
そうして泣きながら老人を抱き締めて決して離れようとはしなかった
離すものか
老人も獣達も困ったが、諦めて笑った
老人は少女を抱き締めて〝ありがとう〟と伝えた
少女にはなぜその言葉がかけられたのか分からなかったが、胸が熱くなった
獣達も寄り添った
時間だ
少女と獣達が光となって消えていく
少女が泣きながら消えていくのを老人は見た
老人の足元からは火が上がり始めていた
完
あとがき
シスバーガリ王国 王都バーガレオン シス・ガリエン王
ゴレオン(フォンド本家のある都市)当主 ロバート・フォンド
クーパー(北部の大きな街)
チュワモント王国 王都ワイングス ドッド・コールフィールド王
モントン(北部の大きな街)
コンパルド共和国 首都タリオン ステュイア・ホールデン元首
湖はベビー湖
ファーランド王国 王都ファーランド サリンジャー・ファーランド王
リトルアジア(LA)王都ムツ アクト・イサワ王
ミナト(LAの大きな街)
アンダーノース(LA北部の小さな集落)
グレーリーホール王国北部
ベルシビル(北部の小さな街)
アルファル(北部の都市)イズ達の運営する孤児院がある
グレーリーホール王国南部 王都サンストン ウェスケイン・ジマー王
ディエイカー王国 王都ウォーターウォール アルジャノ・ディエイカー王(王はあまり表に出てこず、実務はカデラック家が担っている)
大きな湖はウォーターヘブン(湖のほとりにオーレリアの隠遁場所がある)
王都にカデラック家の本家がある。当主はハンス・カデラック
ノウサ連邦
ライナン国、オーガロック国、レトンスコシア国、シンクラーレン国からなる連邦
ダン・チューイ元首
アナフア地方
リーチェン家を後ろ盾としてカジドウが治める都市オンソウ 宰相カジドウ
ラスバルニア王朝 首都ニルマナガル ラクシュタン・ラキストル王
ケーブ諸島クダラ共和国 首都ラスダーモ トカ・エスパルサ元首
商業自由都市オールドーク 人口百万人の大陸最大都市
名前を持つ竜
ザハク 七百二十五年、討伐
オーレリア(バジルを育てる)
ヴァシュタール
ヴクブ
エエカトル
シバルバー
コンキスタドール
名前を持つ竜で討伐されたのはザハクのみ。名前を持たない竜種は稀に討伐される。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
このあとはアーカー大陸外伝のお話をいくつか投稿予定です。
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