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どうやらこの世界において、神様の加護を貰える人というのは割合にしてとてもとても少ないらしいです。ただし迷宮に来る者すべてに分け隔てなく問答無用でばら撒かれるウルーシュカの加護は除く。
そんな希少価値のある加護を与えられた人は、基本的には加護を与えてくれた神様が司るものに関連する分野で才能を発揮することを世間から期待され、また実際にその方面に向いている人材であることが多いようです。ジルドナート青年が加護を与えられたことがきっかけで魔法系ヒーラーに転向したっぽいのはそういう理由からか。
そんなわけで、加護が貰えたすなわち神様に能力があると認められたという図式が成立しなくもないらしいです。
つまり、加護の徴がある人はその神様に関連する分野で使える人材と見なされるため、引く手あまたで食いっぱぐれる心配がなくなる、みたいな感じ? 実情はともかくミケちゃんはそう考えているようだ。
うーん、そんな理由で欲しがっていいものなんだろうか、神様の加護って。もっと真摯な祈りとか信仰心とかなくていいのか。
あ、でもミケちゃんの主張につき合ってるジルドナート青年の反応的に、ミケちゃんみたいなこと言いだす人はそう珍しくもないのかもしれない。少なくとも、この罰当たりめーとか不敬だぞーとか、ガチめに怒られるようなことではないんだろうなー、な感じだ。
まあ要するに、なんかすごいことして評価されたい、っていう子どもにありがちな将来の夢なんだろうけど。スポーツで全国大会出てスカウトされて、とか、俳優になって話題のドラマで重要キャラにキャスティングされて、とか、難関大に首席合格して在学中に起業、大成功で時の人に、とか、軽い気持ちで始めてみた動画配信で超話題に、とか、頭の中で夢想するやつ。そういうのの類例だと思えば微笑ましいかも?
――あれ? じゃあもしかしてジルドナート青年のケースって、ミケちゃんからするとけっこう理想形だったりするのかな。
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