見下ろす三人
ザクザクと山道を踏みしめる音が響く。
「おい、イリオス! 少し待てって!」
先頭を行くのは赤毛の少年。その後ろを追いかける少年少女。彼らの腰には剣や弓が提げられている。
やがて山の稜線を越えて、ようやくイリオスは足を止める。
「あれが……ダンジョン都市リムフォード!」
見下ろした先には、地方にしては大きい都市。イリオスがキラキラとした目で見ていると、「このバカ!」と軽く頭を小突かれる。
「ディーン」
イリオスは幼馴染の顔を見る。白い髪の少年だ。
「イリオス、はやるのは分かるが少し落ち着け」
一拍遅れて追いついてきた茶髪の少女もイリオスに言う。
「そうだよ。ダンジョンは逃げないから」
だがイリオスの興奮はまだまだ冷める気配がない。
「でも、ずっと夢に見てきたダンジョンだぜ!」
そう言って背伸びをし、都市を目に焼き付けようと眺め続ける。
白髪の少年ディーンと、茶髪の少女……コミティスは肩をすくめる。
「やれやれ。先が思いやられるな」
「まあ、良いんじゃない? ここではしゃぐ分には」
彼らは近隣の村ネーベルンからやってきた三人組。
これから冒険者になるためあの街へ降りていく。
リムフォードの街を見下ろす視線には期待と希望が満ちていた。




