覚書/アニメ『葬送のフリーレン』感想文
『葬送のフリーレン』原作漫画11巻、アニメ5話まで視聴した。
原作漫画が、書店で平積みになったいたので、購入して読み始めた。最初は流すように何となく読んでいたが、アニメ化されたとき、金曜ロードショーで映画風にまとめて4話まで一挙放送したとき、作品コンテンツが理解できた。
短命種族の勇者は、各地に石像を建てることで百年かけて長命種族エルフに思いを伝え、勇者没後、エルフは問題を解決するたびに、愛の深さを悟ってゆく。――映画『with love』と重なる「恋文」のコンテンツだ。YOASOBIによるアニメ主題歌「勇者」が物語謎解きの鍵を示している。
昔の仲間の僧侶ハイターが死に臨んで、里子フェルンを弟子に取る。天才フェルンは飲み込みが早く、瞬く間に師の技量に近づいて行くのだが、物事の表面にとらわれていて、根幹というものを知らない。まじめな性格ゆえに、師が旅の途中で収集する魔法を、「くだらない」と断じる。
フリーレンが、くだらない魔法にこだわって収集する理由を、かつて魔王を倒した過去の勇者一行が、とても喜んだ理由で、結果的に、仲間たちが、魔王討伐達成の潤滑油となった。――フリーレンが披露した「くだらない魔法」には、一度見た花を複製するもの、甘い葡萄を(仲間のドワーフ戦士アイゼンの好きな)酸っくするもの、土でゴーレムを組成しブレークダンスさせるものなどがある。
また後にフリーレンたちは、余興で一級魔道士試験を受験にゆくのだが、試験管は師匠フランメの師匠ゼーリエだった。そこでゼーリエの回想が入る。フランメは人間種で伝説の魔術師であり、ゼーリエは数千年を生きる最強の魔術師である。――かつて魔王が王国を危機に陥れたとき、フランメは、ゼーリエに、「貴女では無理」と言った。――よほど悔しかったのか、意趣返しとしてフリーレンを不合格とし、弟子のフェルンを合格させた。
つまり魔王討伐が仕事なら、くだらない魔法とは趣味・娯楽・教養だ。それらは人生を彩るものである。――漫画家の矜持なのだろう。傑作だ!
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――本作が、つまらないという感想があったこと――
アニメ評論家の岡田斗司夫氏によると、感動には二種類あるとのことだ。
レベル1が、主人公に、「神様、助けてください」と叫ばせる実写映画『地球の中心で愛を叫ぶ』や、その流れを汲むアニメ映画『君の名は』が挙げられる。
レベル2が、上質な背景絵、洗練された演出で、遠回しに言う本作のような作品だ。
言い換えるならば、ラノベは、なるべく読者に負担を与えないように、主人公の行動理由を先回りして描く。これに対して文学作品は、読者に行間を読ませるように描かれているのが特徴となる。ラノベがレベル1なら、文学作品がレベル2となるわけだ。
YouTubeでアニメ感想系動画を視ていると、正直つまらないと言っているユーチューバーと、感動して泣くユーチューバーとがいるのだが、そこで読解力差が露呈してしまう。――もちろん、つまらない動画はみない。
ノート20231009




