覚書/人物画の黄金比
01 タテの黄金比
黄金比とは美術的に最も美しいとされている人物画のタテ比率だ。下図のように、身長に対するヘソから足元の高さ、1.000:0.618の値で示される。
では、身長に対する横の比率はどうなっているのだろう。次に示す黄金比表で、身長とスリーサイズとの相関関係を説明してみたい。著名人・有名な美術作品の計測値を表1と表2に示し、統計処理してみた。
挿図/Ⓒ奄美「黄金比」
02 ヨコの黄金比:男性
表1に示したのは男性の黄金比表だ。
縦軸がモデル名、横軸が原寸値と計算値である。表の右側「原寸」としたところで諸氏の身長(T)、バスト(B)、ウエスト(W)、ヒップ(H)といった計測値を表している。このままではバラバラでプロポーション比率が判らないので、仮に、身長を180㎝で揃えておく。
表の右側「計算値」のところで、180㎝÷実際の身長を係数(K)とする。係数(K=180/)を諸氏の実際の計測値に掛けて、身長を一律180㎝に揃える。条件が整ったところで、諸氏のバストに照準を定めつつ、バスト指数(L=K×B)、ウエスト指数(M=K×W)、ヒップ指数(N=K×H)を算出する。
ここで表の下側で「合計」だす。合計結果から、表右下の緑色で塗った全「平均値」が求められる。全平均値よりも数値が大きくなるものをⅠ型(赤色)、小さくなるものをⅡ型(灰色)とした。
表に示す身長(T)180㎝、著名人男性のスリーサイズ「平均値」は、バスト(B)98.8㎝、ウエスト(W)65.8㎝、ヒップ(H)88.2㎝となる。「Ⅰ型」は、B:125.9、W73.2、H88.1となり、「Ⅱ型」はB85.2、W62.0、H88.3になる。
「Ⅰ型」がいわゆる「マッチョ」好漢タイプ。「Ⅱ」型が「痩せマッチョ」美男タイプになる。たぶん『ドン・ファン』という教養系の文庫だったと思う。アメリカ合衆国で、ドン・ファンのイメージはⅠとⅡのどちらをイメージするかと、女性に問うたところ、圧倒的多数が(やや女性的な体型である)Ⅱだという回答があったそうだ。この件に関しては、後日、たまたまテレビの科学番組を視聴していたところ、生物は遺伝子レベルで、自分によく似た相手を伴侶に選ぶ傾向があるという説明を聞いて納得した。
表1 黄金比表 男性
03 ヨコの黄金比:女性
表2に示したのは女性の黄金比表だ。
男性と同じ方法で、身長の「基準値」を165㎝に設定し、「標準値」「Ⅰ型」「Ⅱ型」に分類してみることにする。緑で塗った標準値は、B86.7㎝、W58.0㎝、H87.8㎝であった。続いて赤で塗ったⅠ型は、B92.5、W62.2、H92.9となった。そして灰色で塗ったⅡ型は、B83.9、W56.2、H84.2となった。
『美女』と題した教養系文庫を読むと、Ⅰ型はミロのヴィーナスに代表される「グラマータイプ」に相当し、ハリウッドが女優のオーディションに使うようだ。モンローもⅠ型だ。これに対してⅡ型は、ジャンヌダルクに代表される「スリムタイプ」、あるいは少女体型。ジャンヌが生前に着ていた衣服が、教会に預けられており、そこから彼女の身長が158㎝であることが判明した。158㎝というのは、日本の女優や歌手に多い身長である。表に示した彼女のスリーサイズは、私の憶測である。
表2 黄金比表 女性
04 結論
男性の「逆三角形」、女性の「巨乳」というのは、身長に対する比率があるので、極端に誇張すると、ゴリラや土偶のように不格好な、ギャグ漫画キャラになってしまう。もっとも、コミカルなキャラを描きたいのであれば別で、上記の表から大きく逸脱したデフォルメ表現をとるのもありだと思う。
ノート20221129




