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読書/織田作之助著 『アド・バルーン』
つぎつぎと妻を代える落語家の父をもつ大阪生まれの「私」・長藤。継母が代わるたび腹違いの兄弟姉妹ができてくるのにうんざりして丁稚にでるが、飽きっぽくて長く続かず、職を転々とする。そんな彼が幼馴染の芸者・文子に恋心を抱くも、彼女は東京のお大尽に見受けされてしまった。金のない「私」は文子恋しさに線路伝いに歩いて、合いに行くのだが、帰りの汽車賃を渡されて、惨めに追い返された。川岸から身を投げようかと思っていたところ、救ってくれたのは、金物拾いの青年・秋山だった。秋山としばらく一緒に仕事をして、そこから巣立つように、少しマシな仕事をしていき、性根を据えて働くようなる。酒もやめ、貯蓄もするようになった。秋山とまた会いたいと、願っていると新聞が記事を書いてくれ、これを読んだ人によって、秋山と再会。二人は五年ごとに互いにまた会おうと約束する。五年後、自分を勘当した父親と再会。最後の継母とともに一緒に暮すようになる。保険外交員となり、人並み以上の稼ぎをするようになり、父親が死ぬと墓を建ててやる。父の没後は継母を養った。……塞翁が馬のような物語だが、風に飛ばされ続けたアド・バルーンも、係留されることになる。教養小説。
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