読書/コナン・ドイル 著 シャーロック・ホームズ 『まだらの紐』
適齢期の令嬢ヘレン・ストーナーがホームズのアパート部屋を訪ねてきて、姉の死にまつわる事件解決を依頼する。――ヘレンによると、彼女の家族は、ジュリアという姉がおり、姉妹は、医師の義父グリムズビー・ロイロット博士とサリー州にある荘園屋敷に住んでいた。故人である母の財産は、義父が管理しており、姉妹が結婚する際、半分ずつ相続させると遺言してあった。姉が突然死したのは二年前で、結婚が決まった直後のことだった。その姉が、「最近、真夜中に口笛の音が聞こえる」と話していた。ある夜、姉が、密室になった寝室で悲鳴を上げたので、妹と義父が扉を破って内部に突入すると、寝台で瀕死の状態になっているジュリアを発見。ジュリアは、「まだらの紐」という謎の言葉を遺し、謎の死を遂げている。
昨今、ヘレンの結婚が決まった。すると直後、義父は屋敷の改築を決定。ヘレンの部屋が使えなくなったので、ジュリアが生前使っていた寝室のベッドで休むことになった。すると姉が突然死するときの予兆だと話していた口笛が聞えてきた。――それでロンドン行き始発列車でホームズを訪ねてきたのだ。
ホームズは事件に興味を持って依頼を了承。博士に悟られないようにヘレンを先に返す。すると彼女をつけてきたロイロット博士が、首を突っ込むなと探偵を脅す。ホームズとワトソンは、率直な博士の悪意を確認することができた。そして汽車に乗って問題の屋敷を訪れ、ヘレンの案内で内部を観察。建物の内部にいくつかの不審な点があることを見出した。
故人である姉の寝室の隣室は、ロイロット博士の部屋で、通風孔がある。通風孔には引いても鳴らない呼び鈴の紐が取り付けられている。紐の直下に寝台がある。
ロイロット博士は、豹やヒヒといったインドから取り寄せた動物を飼っており、部屋ではさらにまた別の生き物を飼っているらしく、乳鉢や、先端がリングになった風変わりな鞭まで置いてあった。
ここにきてホームズとワトソンは、ヘレンを改修中の元の自室に避難させるとともに、密かに入れ替わって一晩を過ごすことにした。
その晩、ジュリアの部屋で過ごしていた探偵たち二人は、問題の口笛を聞いた。さらに妙な音がするので、マッチをすっ呼び鈴の引き綱に火を近づけたかと思うと、突如ステッキで引き綱を叩きだした。すると引き綱はするすると動いて通気口を抜けて隣室・ロイロッド博士の寝室へ移動。直後、博士の絶叫が聞えた。探偵たち二人が博士の寝室に突入すると、博士は、だら模様の毒蛇にに咬まれて死んでいた。
ホームズは、ストーナー博士の犯罪の全容をワトソンに語る。犯行の動機は、継子姉妹が結婚する際、相続させることになっていた、妻の財産を渡さぬためだ。――凶器は「まだらの紐」、インドの毒蛇だった。
――犯人は猛獣。こういうオチはどこかで読んだことがある。そうそう、ポオの探偵小説「モルグ街の殺人」。下地はそんなところであろう。つまるところは発展型のオマージュだ。
ノート20211117




