読書/コナン・ドイル 著 シャーロック・ホームズ 『自転車嬢の危難』(短編)
依頼者は若く美しい女性。音楽家の家系で母と貧乏暮らしをしている。親戚といえば南アフリカで一旗あげに出国した叔父だけ。彼女は田舎暮らしの老紳士に、高報酬で、家族のピアノ教師として雇われた。彼女の家と職場の屋敷は距離があるので自転車通勤していた。そこで問題が生じた。やはり自転車に乗った髭の男にストークされるようになったのだ。依頼を引き受けたホームズは、ワトソンに、現場に近い居酒屋で情報収集するように指示をだす。その結果、彼女の叔父に関わった、南アフリカ帰りのならず者たちが浮上した。
犯人の目星をつけたホームズが、ワトソンと、ピアノの雇い主の屋敷に向かおうとすると、ならず者の一団が自転車に乗っていた彼女を襲い、屋敷に拉致して強姦(原文は隠語で「結婚」)しているところに踏み込み、実行犯の急所を外して射撃。ワトソンに介抱させた。
ならず者たちは、南アフリカにいたころ、彼女の叔父と関わったことで、美貌の姪がいることを知った。彼女の叔父が死ぬと、カードゲームで勝者が彼女をものにし、残りが(金銭ないしは夜伽の相手だと思われる)分け前に預かるという取り決めとなった。ところが、英国帰国後、老紳士が若いピアノ教師に恋をしてしまい、悪い仲間達が、彼女に襲い掛からないように、髭で変装、自転車で彼女の後をつけて護衛していたのだ。
事件解決後、悪人達は地元警察に引き渡されて懲役刑をくらい、ピアノ教師は無事に遠方に住んでいる婚約者と結婚。叔父の財産を受け取った。
ノート20211027