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その4

とりあえず投稿いたしましたが、例のごとく後で手直しが入ると思います。すみませんっ!

でも、話の筋は変わりませんので安心してください(笑)

 と、いうことが先日ございました。読者の皆様、先日の話ですからね? そこ間違えないようにお願いしますorz。


 あれから一年生の【若】さんと【姫】さんとも仲良くなれたような気がします。ただね、各クラスで選抜されただけはある顔面偏差値の高さのせいで会うたびに目眩がするのは仕方がないことだと思うのですが、どうなんでしょう?


 彼らと廊下で会った際、声をかけてくれるのは嬉しいのですが、個々人(ここじん)で種類の違う神々しい笑みと腰にくる美声に、間近で見たことのないーー美声については声優さんのおかげで耐性はあると思うーー僕にとっては微笑みの爆弾でしかございません。何度、昇天したことか。貴方たちは僕をどうしたいのですか?


 あ、思えばそういう時は櫻森くんか柳橋くんが側にいたような気がする。だから声をかけてきたのかも。ああ、そういうことですか。納得しました。僕一人ならスルーされるということですね。


 そんな人気者の櫻森くんと柳橋くんの、某有名ロボットアニメの父親にぶたれたことのない我が儘茶髪主人公と赤色大好き金髪マザコン野郎の如く、凡人が入り込めないやり取り(先日の本人写真否定説)を思い出し、腐男子兼アニメオタクの僕としては、マザコンが幸せになるための世界がなかなか創れず発狂しそうな人とシンクロしているのか、少々ムカつきながらも、とりあえず学食へと向かうことにしました。せっかく厨房の方々が(櫻森くんが)無理を言って用意してくれた朝食を食べないなんて、そんな勿体ないこと僕にはできません。できないんですがーー


「……すみません、生徒の食事って、こんなに豪勢でしたっけ?」


 なんとっ! ここの学食、各テーブルごとに担当者が決まっていて生徒は、その担当者に食事の注文をしたら、あとは運ばれるのを座って待っているだけ。まるでレストランなのだが間違っても庶民の味方のファミレスではなく、テーブルマナー必須の高級ホテルのほうだから。ここ重要。


 しかも聞いた話によると深夜は、バーとして学校関係者が利用するためソムリエがいるそうな。まあ、こんな山奥だから大人の娯楽のひとつとして営業しているんでしょうけど、ほぼ休み無しの状態で学食(ここ)の方々の体調管理は、ちゃんとできているんでしょうか?


 そんなことよりも、この目の前の朝ご飯……何なんですか、コレはっ!


キラキラと光輝くふっくらとした白いお米は、新潟産コシヒカリで一等米の特A。米を炊く水も新潟から取り寄せた湧水を使用。ふんわりとした黄色の玉子焼きは、烏骨鶏の卵をふんだんに使い、味噌汁の味噌と豆腐は、櫻森家が契約している老舗からのお取り寄せ。具の長ネギ、おひたしのほうれん草は国産で無農薬、有機栽培している提携農家のものだけを使用。肉厚の脂ののった焼き鮭は当然、北海道産。そして盛られた器は、どう見ても量販物ではない高級食器メーカーの物。


 以上が本日のテーブル担当、林間さんからの食材説明でした。庶民でも揃えようと思えば、できなくはないだろうけど、これと同じものとなると一体、幾らになるのやら。自分は今、敷居の高い高級料亭に足を踏み入れてしまった感覚に陥っておりますです、ハイ。


 そうそう、学食の代金なんですが奨学金に含まれているそうです。ありがたいことです。奨学金バンザイ!


「「実にシンプルでいい(ね)」」


 満面の笑みで箸を取る2人に、中学校の生徒指導の先生の言葉がよみがえる。これか、価値観の違いというのはっ! 何回か食堂(ここ)を彼らと利用しておりますが、その中でもできるだけ質素なものを選んでいたし、早くその場から離れたい一心で彼らが何を頼んだとか今まで気にもしていませんでした!


「こ、これがシンプルならウチの食事は何なんだ?」


 家計のため、スーパーのチラシとネットと睨めっこしながら選んだ一番安い特売の米。朝早くから並んでゲットした数量限定の低価格10個入りパックの白い卵に、安い価格を基準とした月毎に味が変わる味噌。豆腐は1パック50円以下の充填豆腐で野菜は、その日のうちに使うので見切り品。肉と魚は、夕方以降に値下がりした賞味期限ギリギリのもの。しかも焼けば大丈夫、焦げがあっても死なないからと食卓に並ぶ豪快さ。さすが庶民の主婦は節約上手だね。そういう努力のおかげで僕は生きているんだね。ありがとう、お母さん。隆は今、一般家庭とのギャップに驚いております。


「福田様、暖かいうちにお召し上がりください」


 ナイスミドルの林間さんに微笑みと共にやんわりと促される庶民代表、福田 隆。すみません、食べるどころか箸で触れるのも、おこがましいんです……って、あれ? いつの間にか湯呑みが置かれている。普通の緑茶なんだけど金色に輝く何かが入っているんですけど、これって、まさか。


「そして、こちらのお茶は京都の宇治……」


「も、もういいですっ! 食材の説明は、非常にありがたいのですが庶民の僕には手の届かないものばかりなので、食べづらくなりますから!」


「……差し出がましいと思われるでしょうが福田様、今後のことを考えて慣れていただきませんと」


 そう言ってダンディな林間さんは、チラリと櫻森くんと柳橋くんに視線を向けた。何故に?


「そうだぞ、姫。これから先、パーティーなどで出されるものが食べられなくなるぞ?」


「今はまだ学園生活中だから多少は目を瞑ってもらえるけれど、企業や政財界からのお誘いがきたら……」


「ちょ、ちょっと待って! それ、僕には関係ないよね? 君たちならまだしも庶民の僕には全く関係ないから!」


「「「……」」」


「な、何故に無言? 何故に固まる? ねえ、何で? どうして?」


 またしても僕だけ置いてきぼりにされてしまった。どうせ僕は古い人間、オールド〇イプですよっ!

お読みいただきありがとうございます!

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