王伝編集官 異伝 エナナニ&クイーン
これも2024年4月の古漬け。半分で止まってましたね。覚え書きとして。
エナナニはテウルカ村の村長です。
クイーンはミニダンジョンで魔石の生産管理をしています。
エナナニはアリオ君という幼馴染にプロポーズされてもじもじしてます。
それをクイーンは不思議に思ってます。
両想いなのにねって。
『彼のこときらい?』
長い時を共に過ごしたクイーンに問われ、エナナニは目を伏せ静かに首を振る。
『なら迷うことないのよ』
テーブルには小さなかわいらしい花束と紅いリボンの巻かれていた小箱。とてもうれしい贈り物だ。告げられた想いも。
それでもクイーンの問いに答えられないでいる。エナナニが大切に抱えている籠には生まれたばかりのクイーンの子がすやすや眠っている。起こしてしまわないよう声で会話していない。大蟻族は女王になる子を任意の数産むがクイーンは初めて女王候補を産んだ。
そう、候補なのだ。複数の女王候補に加え小数の夫候補も生まれる。夫候補は他の女王から生まれた女王候補と番になる。夫と出会えなければ子孫を残せないのは生物として避けられない。
エナナニとクイーンが出会ったのも番探しの旅の途中だった。運悪くケラケラ鳥に絡まれつつかれている所を助けてもらい、クイーンは今こうして幸せな暮らしをしている。だから次はエナナニだと。
『迷っているんじゃないの、ただちょっと・・・』
深呼吸しながら目を閉じて、自分の心を辿ってみる。遠く遠くまで澄んだ青空の下で遊ぶ子供達。その頃の私と彼は大勢の中で顔見知りくらいな認識だった。私たちの世代は人数が他の世代より少なめで近所では私と彼くらい。いつも遊んでくれたお兄さんお姉さんたちが忙しくなる頃には、小さい子たちが遊んで攻撃するようになっていた。
互いに交流はないと思っていた。向こうもそう思っていると。でも彼はちがっていた。アリオはずっと私のことを見ていたって。そっか、研究院に提出する論文の追い込みにも、それ以前の試験も。友人が気を付けてくれたのかと思ってたけど。
ええ、そうなのよ。全然気づかなかったのに、彼からのプロポーズに納得もしてるしなにより嬉しい自分の気持ちにこそびっくりよ。クイーンに言い訳すら出てこないんだもの。
「明日、お返事するわ」
知ってるわという顔つきでエナナニの肩に頭を寄せてわが子を見つめた。
『いいこね、いいこね』
どちらにいってるのかしらねぇ。昔は私がお姉さんのつもりだったけど、お母さんになったクイーンにはかなわないわ。
やはり書くのは楽しいです。




