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ソラモヨウ  作者: SIN
79/88

79片

 催眠術が本当にあるのか、それが知りたくなった。

 不意に。

 色んな動画を見てもいまいち信じられないし、寧ろ胡散臭かった。ある動画を見るまでは。

 それは普通のスーパーかなにかの防犯カメラの映像で、レジ前を映していた。そこへ1人のお客がレジに向かい、店員の前に手をかざして明らかにお金ではない物を出した。しかし店員は至って普通に清算してしまったのだ。

 催眠術は本当にあるのかも知れない。

 そこでまた催眠術について見てみれば「暗示にかかりやすい人」をテストする方法が書いてあった。

 サッと説明すると、無味無臭の液体を出しながら「これはとても強いバラの香りのする液体です。香りを感じたら手を上げてください」と言えば良いらしい。

 ほぉ、試してみよう。

 水をそれっぽく青色の四角い容器に入れて蓋をして、姿勢を正して向かったのは毛むくじゃらの背後。

 「なぁ」

 「……足音もなく背後に立つんやめてくれへんかなぁ!?」

 軽くビックリされながら、

 「見て、これ。めっちゃ良い匂いするから嗅いでみて」

 と、毛むくじゃらの前に容器を差し出し、ゆっくりと蓋を開けた。それだけじゃ何か味気ない気もしたので、自分でも1回大きく息を吸い込み、良い匂いがするとの小芝居をした。

 俺を不審そうに見る毛むくじゃらは、かなり恐る恐る匂いを嗅ぎ、

 「何も匂いせんやん」

 と。

 どうやら毛むくじゃらは暗示にかかり難い人間だったようだ。

 「当たり。これ暗示にかかり易いかのテスト」

 サラッと説明をすると、

 「絶対何か悪さすると思ってたからなぁ」

 と!

 どうやら普段イタズラを仕掛け過ぎているせいで、初めから疑いの目で見られていたようだ。

 もし、物凄い偶然で俺が催眠術を使えるようになったとしても、毛むくじゃらだけは催眠術にかけられない気がした。

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