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ソラモヨウ  作者: SIN
66/88

66片

 毛むくじゃらは一時期、坊主頭だった。

 今は何事もなく伸びているのだが、坊主頭にすると色々楽だったらしく、時折独り言のように、

 「また坊主にしよっかなぁ」

 とか言ってくる。

 何故俺に伺いをたててくるんだ?やりたいならしたら良いじゃないか。

 普通ならばそう思うのだろうし、好きにしたら?くらいは言うのだろう。

 しかし、俺は毛むくじゃらの独り言に対して全力をもって拒否する。

 「絶対アカン。似合ってへんし、変やし!」

 実際似合ってはいなかった。

 毛むくじゃらの目付きは悪くて人相が怖い。その上言葉使いも少々荒いのだ。そこへスキンヘッド。更にグラサンとくれば、物凄くガラが悪くなってしまう。

 そんな相手から、

 「あぁ?」「お前なぁ」「えぇ加減にしとけよ」

 などと言われてしまうと恐ろしい事この上ない。

 本人曰く、怒ってるわけではなくて注意。らしいのだが、注意するだけなら声を低くする必要なんてないし、言葉使いを荒くする必要だってない。

 「怒ってへんねやったら、10秒に1回コミカルな動きして」

 当時は注意を受けるたびに恐ろしかったので、思い切ってそう提案してみた。

 声と表情が怖くても、何処か1箇所だけでも“怒っていない”と感じられる部分があれば必要以上に怖がらなくて済む。

 我ながらいい提案だ。

 そう自画自賛した所で、

 「注意されんようにするって考えはないんや?」

 呆れた風に小首を傾げる、というコミカルな動きで注意を受けてしまった。

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