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ソラモヨウ  作者: SIN
5/88

5流

 床屋に行くのが嫌いで、中学時代から1度も行っていない俺は、鬱陶しくなったら自分で髪を切っている。

 隙バサミがあれば、なんとでもなるのでたいした事ではないのだが、多少時間がかかるので鬱陶しくなったら括ったりして誤魔化している。

 当然髪は長くなっていくので、今の長さは肩甲骨辺り。だからと言ってもっさりとしたロンゲと言う訳ではなくて、隙バサミでチョイチョイと毛先を軽くしているので、物凄く良く言えばロングウルフ。ただしワックスなどを使ってのセットなんて面倒臭くてしていないので、ただただ髪の長い人なのかも知れない。

 そんな俺を、1代目はなにやら熱心に見つめてくる。

 どうしたのか?と首を傾げると、

 「貧乏パーマって知ってます?」

 と聞かれた。

 やった事は流石にないが、聞いた事はある。

 「寝る前に三つ編みにしておくと、翌朝パーマになっている。って奴ですよね?」

 笑顔で頷いた1代目は、スッと俺の頭を指差した。

 聞かなくとも分かる、貧乏パーマが見たいらしい。

 仕方ないので2つに分けて編んでいると、途中で帰ってきた毛むくじゃらが何事か?と笑い出す。

 「明日可愛くなってるから、楽しみにしとれ」

 と言ってやると、今度は1代目が笑い出した。

 こうして翌朝、髪にはゆるいウェーブがかかったのだが、昼食を食べる頃にはストレートに戻っていた。

 「次は髪を濡らしてやってみましょう!」

 どうやら1代目の気は済まなかったようだ……。

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