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ソラモヨウ  作者: SIN
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4面

 誰もいない家の中は非常に静かで、のんびりと出来る。

 いつもなら自室に篭る所、ダイニングの椅子に座ってラテなんて飲みながら、風通りが悪い自室のドアを開け放って換気をする。

 窓から勢い良く入ってくる風がカーテンを大きく揺らしダイニングまで流れてくると、何故だか一気に浄化された気分になった。

 気分が軽くなった所で夕飯にしようと、前日に作って余っていたシチューを皿にとって電子レンジの中へ。

 食べるのは自分だけなので、グラタンにするとか、ドリアにするとかアレンジはせず、そのまま暖めるだけ。

 1分程で良いかな?と、スイッチを入れた瞬間だった。

 電子レンジを置いている棚の下の段に白くて丸い玉?が現れたのだ。

 無音だけどバチバチと光っている白い玉はフワフワと宙を漂いながらゆっくりと近付いてくる。

 何だろう?

 急いで自室に向かい、眼鏡をかけてダイニングを振り返ると、白い玉は電子レンジから離れた場所に浮いていた。それはダイニングの中央。

 ヒューと窓から風が入ってきて、カーテンが舞う。

 後ろから前に向けて吹いていく風を感じるが、白い玉はユラユラと揺れてはいるが、その場に留まったまま。

 風の影響を受けていない?と言う事は、意思があると言う事か!?

 フワフワ、ユラユラ。

 「……」

 パタン。

 自室のドアを閉め、見なかった事にした。

 部屋の隅に移動して、あの白い玉が部屋の中に入ってきた時の事を想定して武器を目で探すが、あの白い玉の正体が分からないから出来るだけ触れたくはない。

 ピィー ピィー ピィー ピィー

 シチューの温めが終わった音が聞こえたので恐る恐るダイニングに出てみると、そこにはもう何もなかった。

 あれは、なんだったんだ?

 気になったのでシチューを食べながら調べてみると、球電という現象に行き当たった。なんでも雷から発生するとか、自然に発生したプラズマの固まりだとか。そして触れた者が、ただでは済んでいない事が書かれていた。

 そんな恐ろしげな物体が、いきなり家に?ありえない。

 だったら、あれはなんだったんだ?

 更に“球電”を調べて行くと、興味深い一文を見付けた。

 “球電の目撃例の大多数は幻覚で説明できる”

 「ふっ……」

 俺はまた、ビタミン不足のようだ。

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