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ソラモヨウ  作者: SIN
32/88

32片

 俺と毛むくじゃらは近くのホームセンターに向かっていた。

 お目当てはペットコーナー。ではなく、母の日のカーネーション。

 ホームセンターの植物コーナーにはズラリとカーネーションが並び、1輪から鉢植えまで種類も豊富だった。

 「どれがえぇかなぁ」

 そう呟く毛むくじゃらは鉢植えの方しか見ていない。

 「お袋さん紫好きやし、これは?蕾も多いし、咲いてる花も多いから長く楽しめると思う」

 そう店員さんみたいな事を言いながら鉢植えのカーネーションを勧めてみると、

 「移動させる事も考えたら、持つ所あった方がえぇと思う」

 と、拒否してきた。

 なので持ち手のある鉢植えのカーネーションを見てみるが、紫色の鉢は1つもなく、白とか黄色とか、明るい色ばかりで、赤やピンクがあっても蕾ばかりだったり、逆に少し萎れていたり。

 良いのがないな。とは流石に言えず、

 「店の中もちょっと見てみよか」

 そう言って2人で店内の、ペットコーナーへ向かった。もちろん、見に行くだけだ。すると、成猫になって随分と割引になっていた猫のゲージに、新しい家族が出来ましたとの張り紙が貼られていた。

 ホームセンターに来る度に見ていた猫だったので、少し寂しいのと、嬉しいのと。

 10分程癒されてから植物コーナーに戻り、もう1度カーネーションを選んでみる事にして、大きくグルリと植物コーナーを1週してみれば、カーネーションの鉢植えを置いている棚がもう1箇所あった。

 そこには手持ちの鉢植えもあったのだが、そこにも紫色はない。しかし、咲いている花と蕾のバランスが良くて、咲いている花が萎れていない赤色のカーネーションの鉢植えがあるではないか!

 「これ、えぇと思う!」

 オススメの鉢を持って差し出してみれば、

 「それにしよ!」

 と即決。

 母の日当日は毛むくじゃらが仕事なので、このまま渡す事にした俺達はそのまま毛むくじゃらの実家に行き、1日早いけど。と、カーネーションを手渡した。

 お袋さんは物凄く喜んでくれて、窓際の棚の上に鉢を置いて飾ってくれたのだった。

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