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ソラモヨウ  作者: SIN
23/88

23面

 弟が風邪を引いた。

 熱もなく、そんなに咳込む事もなかったと思う。

 その風邪が治る頃に親父にうつった。

 熱はないものの夜になると酷く咳込んでいた親父は市販の薬を飲んではいたが、眠くなる成分入りだった為に朝と夜の2回飲まなければならない薬を夜の1回だけにしていた。

 そんな咳の凄い風邪を親父が克服しようとした矢先、弟にうつった。

 熱はなく、咳とたんが酷いと言う親父と同じような症状だったので、余っていた市販薬を同じように弟も飲んでいた。眠くなる成分入りなので朝と夜の2回飲まなければならない薬を夜の1回だけにしていた所も、薬を飲む直前までお酒を飲んでいる事も含めて、同じように。

 しかし、全く治る気配がない。

 夜になると激しく咳込み、酷く苦しそうなのだ。

 長引く風邪に終に市販薬もなくなると、親父は病院に行けとも言わないし、薬を買いにも行かない。そしてそれは弟も同じで、病院に行かないし、薬も買わない。

 なのでドラックストアに向かったのは俺。

 ポイントが500円分溜まっていたので、それで。

 わざわざ会計後に“ポイント溜めてて良いですか?”と言ってくる店員に、今日こそは強気で“いいえ、使います”と言う為、物凄く気合を入れてドラックストアに向かったのだ。

 風邪薬の陳列棚の前で、かなりの時間薬を選び、咳とたんに特化した薬を手にレジに並び頭の中で何度も“使います”と唱える。

 そしてレジの前に。

 「10%割引券です。どうぞー」

 差し出される10%割引の券とレシート。

 うん……ポイントの事をなにも触れられない場合の対処法がさっぱり分からん!

 「はぁ……どうも……」

 俺は10%割引券を受け取り、そのまま帰宅した。

 こうして敗北に終わったドラックストアでの一戦を終え、仕事から帰ってきた弟に薬を手渡したのだが、何日過ぎても一向に良くなる兆しがない。

 相変わらずの辛そうな咳込みに、もしかしたら咳喘息かもしれないと思い立ち、それとなく弟に病院へ行くように勧めようとして断念する。

 何故なら、言う前に弟は自発的に病院へ行っていたのだ。

 「どうやった?」

 熱はないからインフルエンザではないとは思うけど……

 「あー、なんかな、何らかのウイルスに感染してるーって言われた。一応抗生物質と咳止め処方された」

 インフルエンザではなかったんだな、良かった良かった。それに咳喘息でもなかったのかー……ん?

 何らかのウイルスて!

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