72 下 草原に降り立つ者達
俺は探査機をモニターを見て、100%の居場所を割り出していた。
一つは乗り捨てられた車があり、もう一つはいまだ動いており、最後の一つは止まっている。しかも、止まっている場所であいつに付けていた二つの発信機が消えた。たぶん電子レンジとか火とかで壊したんだろう。現に財布に付けたSの発信機は生きている。
まぁ、あいつに付く変態って再犯多いから正直プラスプラスで捻って付けるのが限るがそろそろ終わりくさくもある。
「軍曹、失礼します!」
俺の近くにいつの間にか居たヘリ整備隊員が大声出して話しかけて来るがCPU(むき出しのエンジン)の五月蝿さに通常の声より小さく聞こえる。
俺は彼に向き頷く。
「目標降下まで! 後! 10分です!」
「感謝する!」
彼の敬礼に敬礼と大声で返す。
俺は立ち上がる。
「全員聞け!」
なんていわない。
俺の行動はここに居る全員が注視しなければならない目標である。
だから、俺が立つということは降下が近いと判断できる。が、まあ、寝てる奴もいるから、声なんて出さずジェスチャーで『寝てる奴、起こせ!』と指示する。
隣が寝ている奴がいないか周りを見て、居たら隊員は起こしている。
彼らの注目するべき隊長こと俺は、やはり声でなくジェスチャーで会話する。
『地獄の入り口にようこそ、諸君』
含み笑いでニヒルに笑ってみせると、声は聞こえないが理解できているこいつらは口を開けてケラケラと笑っているのは解る。
『さて諸君! 諸君の実力ではただの遠足気分だろうが、一つだけ言っておきたい。
この戦いでは、麒麟団長のご子息が捕まっている・・・』
次のジェスチャーで会話を進めていくと団長の子息ということで顔つきが真剣みを帯びる。が、俺からの言葉は違う。
『俺は奴の従兄弟として、異父兄弟みたいな者としてお前達にこの言葉を送る。
おそらく、最悪が人質にされるが、遠慮なく俺の異父兄弟を撃て。
奴らに、人質が人質にならないことを教えてやれ!』
こう言い放つ。と、最初の頃は真剣だったが、皆きょとんとした後、
『いいんすか、撃っちゃって?』
『あはははは、さすが軍曹言うことがクレバーだ!!』
『麒麟団長は、何も言わないですかね?』
などなどとジェスチャーが俺の方に向かってくるから、
『良いんだよ。いい加減、高校生にもなって身を守れない奴が悪いし、今までそれを放置してきた伯父さんも悪い! 何より、俺がこの隊の隊長でお前らは隊長の命令に従うのが道理だから、最後は全部親父がどうにかするから気にすんな!』
『『『『『軍曹、スゲー丸投げ! さすがだぜ!!!!』』』』』
俺の反応に見ていた全員が同じジェスチャーをし返してきた。
『お前ら仲いいな!』
『『『『『仲間ですから!』』』』』(親指を立てながら言った。)
軽口を叩きあいながらいると、肩を叩かれた。
ヘリの整備隊員は声を出す
「残り5分です!」
俺は頷き、感謝を示して、レンジャー達に向き直り、『残り5分、降下準備!』としじする。
隊員達は一斉に立ち上がり自分のパラシュートを開くのに必要なフックをヘリの中に引いてあるワイヤーに引っ掛けていく。
俺は時計を見る。
この瞬間俺はCPUにも負けない大声をここで初めて出した。
「これより、降下に入る!!! 全員準備はいいか!!!!」
「「「「「おう!!!!!!」」」」」
「これより降下する!!! 感覚5秒!!! ゴーゴーゴーゴーゴー、降下! 降下!!降下ぁ!!!」
目の前を一番最初の隊員が空に飛び立っていく。
飛ぶと同時にパラシュートが開きやすいようにするための紐がワイヤーに残り、5秒間隔で増えていき、最後に俺は整備隊員に敬礼をして、それに飛びだった。
飛び立ち地面に吸い込まれるように落ちること7秒でパラシュートが開き、目標地点まで3km手前の草原に俺達は着地するのだった。
俺は全員無事かどうかの確認をした後、本来ありえない命令をここでするのである。
「よし! では、必要な武器弾薬(水筒含む)以外の装備を一箇所に集積しここに置いて行き、電撃作戦により人質を救助する。また、この場の装備に関しては別働隊に回収させる。」
と、言うことだ! と無線でヘリに一方的に連絡だけして、行動に移した。
責任は親父が取るだろう。問題はない! というか面倒掛けられたんだから、俺にちょっかい掛けてこないように色々仕事を振ってやるよ!




