62 副団長室(仮)
虫の子たちをほくそ笑みながら見送った後、本題のクソ爺(父親)に合う為に、第一指令所の中に足を入れて、山田一尉筆頭に歩いて行く。
一尉より下の階級の人間が目の前に来ると端により頭を下げる敬礼をし、上の階級の場合、我々が後ろにいる事もあって、山田一尉は敬礼簡略の礼を相手にしている。
俺達はというと、一応俺とキンタは知り合いもいるから頭だけ下げ、それを見習って麗子さんも静々と頭を下げている。
そんな事をしている間に二階にある副団長室の前についた。
この副団長室は誰が居るのか、なんて、言わなくもわかるよな。
そう、俺の親父【虎門 狼】の居る部屋である。
しかし、今そんな事をのうのうと話してないで早く入れよという人が多いだろうが現状は入れない理由がある。
それはなにか?
中からねっ・・・・・、中からアベックが乳繰り合っているような声が聞こえてくる。
そのせいで、入って大丈夫なのか駄目なのかが解からない。
解からないから待っていると、この声を聞いているキンタと麗子さんがソワソワしだしている。
終いには揃って頬を紅く染めて、キンタはあらぬ方向を向き、麗子さんは俺の肩口のシャツを掴み、下を向いている。
俺は扉の向こうを見るつもりのゴミを見る目で見ていたが、山田さんですら戸惑っている中思いっきり扉を殴った。
中から聞こえていたアベックの声はたちまち止まり、殴った俺をここに居る全員が見ることに成ったが、「麗子さん、ちょっと失礼」と一言かけてから、徐に手を扉に掛け開いた。
その中に居たのは、うちのオトンとオカンだった。
俺は疲れた目を彼等に見せて、訴える事にする。『何してんの? 親父は人呼びつけといて!? オカンは久しぶりに見た。そして、もうほんと何やっての?』と。
「おっ! 用やっときたか龍・・・・つーか、いきなり扉叩くなよ! びっくりして、気がそれちゃうだろ? 全く親の顔を見てみたいものだ!?」
俺を見咎めると直ぐに理解をし軽口を叩き込んできてくれる親父に俺も負けじと言い返す。
「そうか、どうしても見たいならいい方法がある。
一つは目の前の女を見て、もう一つは鏡を見れば親父の見たいものが見れるぞ!」
「ほう!? なっ、何だこの美しい女性わ!」
ゴミを見る目で親父にいうと親父は、先ず母を見て虫唾が走るのりのいい言葉で母を褒め称え、母は親父の言葉に頬に手を当てわざとらしくしなを作って、いやん私の事!? と喜びの姿勢を取る。
なっ、クソメンドくせぇだろ? 俺の親!!
そんな中現状に追いついてきたキンタと麗子さんが口を揃えて母を呼んだ。
「おばさん、お久しぶりです。今までどちらに居たんですか?」
「えっ!? 何で、スズメおば様がここにいらっしゃるのですか?」
で、タイミングは一緒だけど言っている、驚いている内容が全くちげー。
「いや、キンタお前のん気すぎ!? で、麗子さんあれ、俺のオカンだから」
「えっ? でも・・・・、あれはまさしくスズメおば様・・・・ですよ・・・ね?」
俺の突っ込みにキンタはそのままだったが麗子さんのほうが言動に反応してくるが俺が言っているためスズメおばさん(キンタ母の名前=スズメ)でなく、混乱しているようだった。
ふと、幾つか気が着く。
俺とキンタが従兄弟であることを知っているのか? とか、オカンたちが双子であることを言ったっけ? もとい、麒麟家ほど大きい家なら此方に居る学生の個人情報とか知っているのではないのか? とか思うがすぐに思い至る。
そうだ、うちって国家秘密満載で詳しい情報とか手に入れるには国防大臣以上の人の認可が無いと閲覧出来ないんだった。そうか、母までその中の一員化していたか!?
その時俺は色々気が着いた。
で、俺達から言わせて貰えば俺達からばらすのは問題ないためここで麗子さんに教えることにする。
「あの人は俺の母さんなんだよ」
「ええ?? スズメおば様がお母さん?? この人も産んでる? でもって、麒麟おじ様(キンタ父)との間にこの人が居て? え? ええ?」
俺とキンタを見て、うちのオトンと今この場にいない麒麟伯父さんを創造しているみたいだが、直ぐに俺は思い至る。
俺の説明悪いな。
「いや、じゃなくてキンタのお母さんと、俺の母さんは一卵性の双子なんだ。
麒麟家ならそういう情報とかきてないの?」っていっても、あれだな東宮も古くて情報統制がきつい家だから情報を見るのきついな。最後の方は小さくブツブツと呟いて自分に考える力を戻す。
「そういえば、麒麟おじ様に元々婚約者が居たけど逃げられたという話がありましたが、元鞘に戻ったとか色々ありましたけど、もしかして・・!」
「そっ、元々は母さん(コタツ母)が伯父さんの婚約者ね。で、東宮としての立場があって双子のスズメ叔母さん白羽の矢が立ったらしいけど、お互いに出会ったらぴんと来たから今はとても幸せだって前に言っていたよ」
「では、本当に此方の方が龍様のお母様なので・・・?」
「うん。一応名前言っておこうか名称で判断する方が(作者的に楽)楽だし、でオカンの名前はツバメっていうのね。」
「スズメに、ツバメ・・・・」
「いいたい事は何と無く解かるけど、東宮家の女子につけるときの伝統で鳥の名前つけるんだと、で、双子出来たから似た音の名前にしたんだって、オバー(祖母)が言っていたよ」
「・・・・・な、なるほど・・・・」
今情況に何とか納得をする麗子さんだが、それを目聡く見ていた母はニヤリと嫌な笑みを浮かべる。
「あなた、麗子さん。もしかして、麒麟 麗子さんかしら?」
「えっ!? あっ、ハイ麒麟 麗子と申します」
麗子さんはスカートの端を持ち上げ上品にお辞儀をする。
この冷静さがあることに少し驚いた。いや引いた気持ちも無くはない。が顔と態度には決して出さない。男としてであるがここで目聡い男が一人居た。
哀愁漂う表情で母にわからない一つの頷きを見せる俺の父。
敵対していた父とあっ、親子だった! と思い出したのは俺だった。
昔、お袋が親父に迫ってきた時の話を思い出したこの時、親父のドン引き理由をここで解かった気がした、そんな瞬間だった。




