45 上 ただ見ている事しか出来なかった残念な奴の話。
一応ここまで、本当はあと二話書く予定だったけど時間的に無理でした。
僕はただ、見ている事しか出来なかった・・・・・・・・・・・・・。
ヘリコプター(J66?)に乗り込み、思った感情が飛び出していた。
でも、それを言ったら二人揃って、僕を呆れた目をして見てくることに少なからず心が怯んだ。
というか、コタツはまだしも、麗子さんの瞳と言葉が辛い。
「やかましいですわね」
僕の心がハートブレイクしそうに成ったが、コタツを見て何故か持ちこたえた。
何故だか、コタツには負けられないという気持ちが僕を支えた。が、かなり辛くて、それでも何故か彼女を見なければと思って見てしまう。
麗子さんは僕とは一切視線を合わせないで隣にいるコタツを見て、甘い台詞を吐いていた。
「そんな見つめられたら、照れてしまいますわ」
と、今まで僕に見せたことの無いような甘く蕩けた表情を見せて、好意をコタツに向けていたのが印象的だった。
そして、僕はふと、本当にふと気が付いた。
コタツが親族以外の女の子にこんな優しい表情を向けるのは初めてだった。
そんな中彼女はコタツの腕に頭をコテっと音を立てるように腕に寄りかかり幸せそうしていた。
僕は血を吐きそうだ。
そんな中にコタツは何かを思い出したかのように壁に固定されているパイロットがかぶるようなヘルメットに手を掛け彼女に話しかけた。
「えーと・・・・き、麒麟さん・・・・」
「麗子でいいですわ」
「いや・・・・・・」
困り顔をしているコタツがいるが、アレは親しくない人の名前を呼べないという困り顔だった。
僕は心のそこで、そのままのコタツで居てね。と応援したりした。が、
「麗子と及びください。龍様」
彼女は華の咲いたような笑顔で名前を読んでくださいとお願いしてくる姿に、幻覚かもしれないが口の中に血と生臭さと鉄の味を感じてきている。
「・・・・・れ、麗子・・・さん・・・・で、勘弁」
口の中の色々なものを飲み込んで、前を向くと何故か敗北したコタツと、彼女は小声で「しょうがありませんね」と嬉しそうに微笑んでいる彼女を見て、口を押さえて彼らを必死に耐える。
その間もコタツと麗子さんの会話は続いていく。
「で、いかがなさいましたか?」
「ああ・・・ヘリってエンジンかけるとすげぇ、五月蝿ぇんだ。本来は耳栓とかあればいいんだけどないから変わりに、後、たまに乱気流で揺らされて、ヘリの備え付けの部品に頭を強かに打つこともあるんだ。
少し窮屈だけどしといた方がいい。」
「物知りなのですね、龍様は」
ニコニコして嬉しそうに話す彼女を見て何か焦った。
焦った僕は足が動いた。
彼らの前まで行き、コタツの持っていたヘルメットを取っていた。
「ぼ、僕だってそのぐらいは知っているさっ!」
コタツから取ったヘルメットのバックル部分を見て、側面を押して片方を抜こうとした。
でも抜けない。
それで、チラッと二人を見ると、絶対零度の視線を麗子さんから、呆れ眼な視線をコタツから感じ、僕はもう後戻りできなくなった事を悟った。
「付け方は・・・・・あれ? これどうやってつけるんだ?」
そして、必死な思いでヘルメットを弄っている中自体は進展した。
唐突にコタツに声をかけられた。
「ハンカチとティッシュ貰うぞ! あと、メット高級品だから落とすなよ」
『えっ! 何っ?』
と、思っている中、コタツは時おり見せる真剣な表情で僕に近づき僕のポケットを弄りだす。
僕は最初何のことか解からず驚き、ポケットに手を突っ込まれたくすぐったさに悶え、コタツの行動を見てわかった。
「わぁっ! ~~~~~っ」
麗子さんが鼻血を出していた。
だけど適切な処置をテキパキとやっているコタツに、一瞬負けた気がした。
が、今動かなければ、そう思って昔鼻血を出した時に首にチョップをすると言いという記述を見たのを思いだし、チョップをしようとした。
だが、それは直ぐにコタツに阻まれ途絶した。
「コタツ、鼻血を出した時は・・・・」
「いや、その話は知ってるけど、それ都市伝説だから」
僕の言いたい事を直ぐに理解して、尚且つ冷静に言いきったのだった。
また不定期です。
まあ、出すときは活動報告にいつ出すか入れますんで、そいつを見てください。




