オーク討伐大会
この大会は『一神どうだいブタ千闘』と名付けられて、その日を迎えた。
目標を一神に千頭と決めての大会である。
その日集まった神は我々を除いて百二十神で、飛竜は五百以上が集められた。
俺は、木刀以外の武器が欲しい神の注文に応じて武器を製作した。
弓神は「矢のいらない30センチの小さい弓をお願いします」
俺は「弓は不利ですよね」「まぁ何とかなるでしょう」
スケさんは生け捕りにしたときの箱を自分の倉庫に入れて
狼と三百の子豚作戦の指示を狼たちに出している。
俺は「スケさんは殺気を出してもいいからな、
殺気を出せば親オークが子を捨てて逃げ出すはずだ。
今から森に入り早目に子ブタを確保して、森から出てくれ」「分かったで御座る」
じいちゃんが「では『一神どうだいブタ千闘』を開催する、
今回は後で食えるからのぉ、がんばってくれ。三日で何とかしたいが、
焦ることはないぞ。大会に参加してくれた神にはジャワ島宿泊券10枚を出す。
温泉付じゃぞ。優勝神にはの、一年間のフリーパス券じゃ、当然家族も含める」
集まった神たちは「やるぞ~」とやる気満々になった。
じいちゃんは「詳しいことはのぉ、今から孫の友広が説明する」
俺は「みなさん大会に参加していただきまして、ありがとうございます」
「森の面積が広いのでこちら側から、3百メートルくらいの間隔で
森に入って狩りをしてもらいますが、殺気を抑えて下さい。
神獣が先に森に入って子豚を捕まえていますから、オークが騒いでいる場所が
あると思います。それは勝負の運と将来のブタ肉だと思って許して下さい。
森から逃げ出してくるオークは追わないで飛竜に任せてください。
飛竜が上から小便をかけます。汚い話になりますが、オークに小便をかけると
オークション待ちになるので動けないのです。これは検証済みです。
神たちは「それはなんだ。よくそのことに気付いたな」と大笑いした。
俺は「これが鳥インフルギャグザです。オークションにかかったオークは
後で抽選をして選ばれた神がブタに落とします。クリーンを勿論かけてからです。
これはクリーンな抽選にするためです。俺からの説明は以上です」
神たちは「流石、創世神様の孫だ。ギャグの申し神だ」と騒いだ。
じいちゃんは「それでは、喧嘩しないようにの配置についてくれ。
開始の合図は白竜のブレスじゃ、遠くからでも見えるじゃろ。では配置につけ」
カクさんのブレスで大会が始まった。
カクさんはそのまま竜の姿で、他の竜に指示を出してもらうことになっている。
実は小便が都合よく出るはずが無いので、竜は自分の溜めた物をタンクに入れて
片足に縛り付けムーゴのホースを使って必要なときに出すのだ。
このホースショーの演技は水を使って
練習済みであり、今日が本番のホースショーである。
<緊張したら予備タンクに溜めて、いい演技を見せて欲しい>
俺とスーさんは、飛行してオークの組長がいる可能性があるので探している。
スーさんは「よく50万ものオークが一つの森にいましたねぇ」
俺は「向こうに林がありますから、森は後林で潤っているのかも?」
「そうすると大きいから組長以外に伍長も考えておかないといけませんねぇ」
俺とスーさんは、小さい池の周りにいたオークの組長らを殺して回った。
スーさんは「これで大会に出ている神たちが戦い易くなったでしょうね」
俺たちは戦いの最前線まで後退して戦いに参加した。
3時間ほど戦い昼食のために神たちと朝、集合した場所に戻った。
昼食はカツ丼でブタを少しでも消費したかったからだ。
棒神先生が「牛若麻呂、回収しながら狩りをするとリズムが悪くなる
他の神たちも同じ意見だ。何とかならないか」
俺は「武器にカウントする機能を付けます」
俺は『王ならバハムート・旧ダビンチコース・豚何トンカツ』
武器にブタを狩った数を記録するように改良して回り、
「武器に自分の名を書いて間違えないように」と伝えた。
俺は午後から回収係りになるために死豚回収・広域魔法を作り、
死は使いたくないので『ふとん回収、打ち直し』
と名付けてカウント機能も付けた。<これでブタ狩りのペースが分かる>
昼休みの間に、各神へ仮に与えられた倉庫に入っている、ブタの数が発表された。
双刀使いの双刀神が五百を狩り、
移動時間を含めて、ほぼ20秒で1頭を狩っていたことが分かり、
剣神が「長い武器を振り回すのは、弱い相手では不利だぞ
誰か俺と組んで二人で狩りをしてくれないか?二連打するには二人が有利だ」
棒神先生は「拙僧が組もう。一年間のパスも交代で使えばいいからな」
この会話を聞き二人一組の方が有利だと神たちが気付き、
一心同体の大会に午後からはなった。弓神は双刀神と組んだ。
<弓神は避けられたのに、双刀神は頭が良いな優勝候補だ>
午後から俺は回収係りで後を付けていったのだが、
<回収しないで狩るだげだと神の残像しか見えない>
<俺も忙しいとサボらず、また棒術を習おう>
お金さんも参加していた「若さん手裏剣の大会でもしてくださいな
神様のペースに付いていけませんよ」バクチは「いつでも温泉に入れるくせに
大会に勝ってもしょうがねえだろ?」「あら、そうでしたねぇ」
俺は「二人で回収を手伝ってくれよ」
バクチは「それは気が付きやせんですいやせん」
お金さんは「あたいの倉庫に生臭い物はちょっとね」
俺は「お金さん、遺産〇続に入れられるようにするから手伝ってよ」
『モンペ、お金さんに遺産〇続の使用許可を出してくれ』『はい』
「お金さんも急いで後を追わないとマズイから行くよ」
「若さんの頼みならしかたありませんねぇ」
<回収しながらジグザグに進むのは大変だ>
スーさんも途中から手伝ってくれた。
カクさんのブレスで午後の狩りは終了し、オークションをすることになった。
抽選で順番が決められ、並べられたオークを1分間だけ狩りが出来るルールだ。
大きく狩りをした頭数を稼げるチャンスなので緊迫した抽選会になった。
俺はじいちゃんにオークションを任せてブタを回収して回った。
スーさんは、狩りの終わった場所の木を伐採し
防火林道のように森を切り開く役目をしてくれるので
俺は草薙の剣のように薙ぎ倒す、木薙バージョンの剣を製作した。
スーさんに渡すと「これは四種目の神器ですねぇ」ニヤリと笑った。
俺は<何かマズイ武器を渡したかも?>木も回収して回った。
後に、この防火林道のような道は、
海からコスモス大陸に抜けるのに便利な裏道として使われた。
まだ木の株が残る裏道は陸ルートと呼ばれ使われたが、不思議なことに
コスモス大陸へ陸ルートを通り、株につまずいても記憶に無いのである。
俺は今日の結果を知り、午後に先生がアドバイスをしてくれたことを感謝した。
二人組で狩っても同じ時間で5倍以上のオークを狩ることが出来たのだ。
1日目のトップは予想通り弓神・双刀神の組で七千頭で
二位は棒神先生たち五千頭・全体では約32万頭だった。
大まかな数字で出すことを昼食のカツ丼に因み丼勘定でいいと
この大会で採用された。午前中の結果と午後からは二人組になり、
武器から読み取りと大変だったからだ。
それで1tイットンで百以下を切り捨てた。トンカツ方式が採用されたのである。
<明日一日で終わりそうで良かった。先生のお陰だ>
スケさんたちは子豚三百を無事に確保して、ウインナーランドの仮豚舎に入れ、
各領への分配はツネさんに任せた。
この日、参加した神たちは温泉に入りジャワ島に宿泊した。
ジャワ島の宿泊施設には、料理を作るのが好きな無名の神が、
珍しい食材で好きな料理が出来ると集まって来ている。
この日、大会に参加した神たちが大食いなので「俺たちは従業員じゃないぞ」
と料理を作るのが好きな無名の神たちが騒ぎ出した。
宴会担当の主神は困り「お客様は神様でございます」
あの有名な台詞が出てしまったが、営業用ではない本物<大丈夫>だ。
「バカか?俺たちも神だ、能天気な頭の中が晴れ男の宴会担当の主神さんよぉ」
騒ぎを聞き付けた、じいちゃんは「とんこつスープとチャーシューを
使ったラーメンという、美味しい料理があるんじゃがのぉ、
研究してみる気のある神には教えるぞ」全員がこの話に乗り騒ぎは収まった。
じいちゃんは、監視システムで有名なラーメン店の調理映像を与えて研究させた。
この時のメンバーはラーメンを見事に作り上げて、ラーメンズ神になった。
後にメンバーは、メンズクラシブというラーメンの本まで出版して
男神のパッションリーダーになったのである。
大会2日目は出遅れている神たちの提案で、オークがまだ残っている森を
神たちが取り囲んで殺気を出して、中央に追い込み集めて逆転出来た方が
ギャグの大会に相応しいと言い出したのだ。
じいちゃんは「それはいいのぉ、最後は泥仕合になるけど面白いの
弓神組がそれでいいならやるが、どうじゃ?」
弓神は「いいですよ、その代わりに優勝商品は二人分でお願いします」
じいちゃんは「よし決まった。二人分出すぞ」
始まった大会は序盤は昨日と変わらなかったが中盤から
神の殺気でオークが大パニックを起こし、
恐れをなして木に登った『ブタも恐れれば木に登る』のである。
弓神はそれを予測していたようで、次々と仕留めていった。
慌てた他の神は飛行魔法を使い狩り始めたが、一頭狩るのに時間が掛かった。
双刀神は、地上のオークのみを凄い速さで狩り始めたので、更に他の神たちは慌てた。
木を蹴ってみたりもしたが、やはり一頭狩るのに時間が掛かるので諦めて、
地上にいるオークを追い始めた。
だが残りの面積が少なくなるほどオークは木に登り怯えた。
肩車をして狩る神や棒を継ぎ足して狩る神、
そして木刀を投げるなどと奮闘したが、弓神の組は二人が別々だから二倍狩れると
考えた神たちは、組を解消して個々に戦い始めたので弓神組とは差が更に開いた。
結局、木に登ったオークは弓神の、
地上のオークは双刀神の独壇場になってしまったのだ。
狩ったオークの数は53万頭<もっと増えて、あの森から出てこなくて良かった>
表彰式が行なわれたが優勝は当然、弓神組で大差が付いたので
フリーパス五年間分が与えられた。
優勝者のスピーチで弓神は「私は弓神ですから、弦を担いで30センチの弓で
散々打っても散発的に打っても、多くのオー九に当てることが出来ました」
と創世神を喜ばせるスピーチをした。だが武闘派には意味が理解出来なかった。
スーさんは小声で「兄さん、九九くらいは学ばせましょうよ」
じいちゃんは「やらせておるんじゃがのぉ」
そんな時に両手剣神が「もっと強い相手で大会をしてくれよ」飛んで火に入った。
スーさんは「あなた方は神ですからねぇ、地上に神より強い魔獣はいませんよ。
ですから私が強敵を与えて上げましょう。一年以内に九九を完璧に覚えてきなさい。
覚えられない神は今の地位は没収します。いいですね」
武闘派は「出来る気がしません」と火に油を注いだ。
スーさんは大声で「強敵を与えて上げましたよ。文句をいうな!決定事項だ」
じいちゃんは「みんなガンバルんじゃぞ」
こうして武闘派の神にとって最強の強敵が出来たのである。
両手剣神は部屋に戻り「両手で足りない数を覚えられるはずがない」と呟いた。
俺は、優勝した弓神にお願いがあったので、
ジャワ島にオークの森で回収した木材を材料に家を建てて上げた。
弓神は「これはオーク材ですね」
この言葉でオーク森の木はオーク材と呼ばれるようになった。
俺は「弓神様、エルフたちに弓を教えていただけないでしょうか?」
「私が教えても良いのなら教えますが」
俺は「その許可を取ります。二千歳以上のエルフたちは畑仕事をイヤがるので、
せめて弓だけでも達人になれば、森から少しは出ると思いまして」
弓神は「私でよければ先生になりますよ」「ありがとうございます」
翌日、夢の島に発酵倉・研究所・従業員の宿舎とヒョウシさんの家、
そしてシロシさんの家を作ったが、シロシさんは驚いて
「こんな光景を目の前で見せられると、
普段、そうは思えないんだけどなぁ、本当に神様なんだな~」
ヒョウシさんは「うちの愚息が申しわけない。こんな立派な広い家をもらい
舞い上がってしまったのかな、名をヒロシにでもしたらいい」冗談を言った。
桜さんは「お父さんったら、ヤダも~」笑いが止まらなくなった。
シロシさんは「おやじは絶好調だなぁ、僕のことを言えませんよ」
俺は火精霊と光精霊を出して、手の平に乗せて見せて
「これは火が必要なときに火を出してくれる精霊と光を出す精霊です。
光精霊は疲れたときに回復もしてくれます。これを使ってください」
シロシさんは「精霊は本当にいたんですね」
俺は「神素を持たない人に、姿は見えませんが話しは出来ますから
呼べば側に来てお願いを聞いてくれますよ」
ヒョウシさんは「夜の明かりになってくれるわけだね、
火災の心配をしないで、夜に明かりがとれるのは助かります」
シロシさんにも二精霊を預けた「三つ男に見えれば喜ぶのにな」
その後引越しの荷物を、俺が一旦倉庫に入れて運び指定の場所に置いた。
桜さんは「神様は便利ね、うちの誰かが神様にならないかしらねぇ」
シロシさんは「兄さんが一番近いんじゃないかなぁ」みんなで大笑いした。
トラさんがいつの間にかいて「その神になるには試験でもあるのか?シロシ」
「僕は知りませんよ。神様に聞いてくださいよ」「ん、どうなんだい青年?」
「俺は生まれたときから神だったから試験は知りません」
トラさんは「そうだよな、だと思ったんだよ。
『俺は生まれ付いての神ですから』言ってみたい台詞だよなぁ
あれ!シロシとおやじさんも白神と表神で、生まれ付いての神じゃねえか?
桜は、まだ神様が欲しいのか?まったく欲深い妹だよな、シロシ」
桜さんは笑いながら「そうね、お兄ちゃん、近くに神がいると気付かないものね
これから便利に使わせていただくわね」
シロシさんは「待てよぉ、僕は不器用だからなぁ、これ以上便利にはならないよ」
トラさんは「バカだなぁ、シロシ、桜はなぁ、
トイレで便利に紙を使おうとしているわけよ。クソまみれになっちまうよなぁ」
「そうなのか桜?」「さぁ、どうでしょうね」みんなで大笑いした。
俺はブタ肉と牛肉を置いて「今日はもう帰りますから、
みんなで食べてください」「お、ありがとうな青年、また遊びに来いよ」
挨拶をして、スーさんと話し合いがあるのでジャワ島へ転移した。
俺は<ワカメ村は後ろには森ある。オークがいるならなぜ襲ってこない?>




