スター釣り勝負
この世界でもウサギと呼ばれている。<客寄せパンダと同じだ>
この戦いを最初から見ていた天帝は「あの大根行司がとんでもないことを
仕出かしてくれた。胃が痛い、スーさんに急いで謝罪しないと」
汗を拭き「スーさんはどちらに?」慌てて走り出し、スーさんの元へ行った。
俺は「スケさんカクさん、鬼が出難いだろうから、
見えない場所で待機してくれ、何かあったら念話する」
「今の若なら大丈夫で御座るな」仲間が見えなくなった。
俺は東十神剣に持ち替えて、
「詐欺師の鬼娘はどこかな?早く出て来ないと、この剣で討伐するぞ」
「ア!チョ~ンなぜバレたチョン」鬼の美少女ラムニクチョンが姿を現した。
ラムニクチョンの格好はトラ柄のビキニ姿で、まるでラ〇ちゃんだった。
俺は「その格好は鬼娘の正装なのか?」
「言いたいことは分かるチョン。あっちはトラで私は女郎蜘蛛だチョン」
俺は「お前の名はラ〇ちゃんが、ニクいでニクチョンではないのか?」
「よく分かったね。私の本当の名はサンだチョン。バカな父ちゃんが付けた
名だよ。そのせいでスターになれないのよ。著作権の問題でね
容姿は私の方がいいのに、ラ〇ちゃんはスターになれてさ、
私は名のせいで最初からスターになれないのよ。それでニクいわけ」
俺は「確かにサン〇ターはマズイな、サン星も賛成と呼ばれそうだな」
「あんた話が分かるね」理解者が現れて嬉しそうにしていた。
上機嫌で「では、なぜ鬼の私が女郎蜘蛛の仲間になったのかクエスチョン?」
俺は<これは難問だ。鬼が…>考えた。
「分かったぞ、お前は『オニイサン』と呼ぶ声がすると
自分を呼んだと思い反応していた。
女郎が客引きに、お兄さんと呼ぶ声がしてもだ。
それで女郎蜘蛛の仲間になったわけだな?」
サンは「正解、お兄さん凄いチョン、私と遊ばない?」
「本当に美味しい話だけど、あとが恐ろしいからお断りするよ」
サンは「私が詐欺だとどこで気付いた?」
「ゲンは夜間非行が専門だと言い、サンは白昼堂々と、そして星部警察が
あるなら他は何があるか?宇宙に東西南北は無いからな、部署は無いはず。
それと俺の元いた世界の匂いが二人からした。ラ〇ちゃんの存在する世界だ。
ラ〇ちゃんは本とアニメの世界に存在して実在しないぞ。
憎んでもしょうがないぞ。あとは虫下しの効果だな
虫よけになるはずが無いのに、ゲンとサンは虫除けと言ったからだ」
サンは「うまくやってると思ったのになぁ」
俺は本題に戻した。
「それでサンが、ここに来たのは女郎蜘蛛に頼まれてたからなのか?」
「今日ここで、腹違いの姉が試合するから妨害に来たチョン。
姉は織姫でアイドルスターになれて、私はスターになれないチョン。
だから彦星の悪い噂を流して、困らせてやったチョン」
「会場が急に変わって慌てたよ。私は蜘蛛を自由に操れるから、
スパイだーを世界中に放っているのよ、すぐに分かったチョン」
俺は「サンは天帝の娘だったのか?」「そうだチョン」
「それでサンは語尾にチョンを付けてるわけだ」
「父ちゃんが昔カチョ~ンと語尾に付けて、課長まで出世したからね」
俺は「神経グチョ~ンでは無かった?」「谷毛糸カチョ~ンだよ」
「どっちでもいいな、お前は俺にもスパイだーを差し向けていたよな?」
「何だかスパイだーが、糸で操れない危ない男がいると
報告があったからだチョン。気になったわけさ」
二人の会話を遠くから見詰めているスーさんと天帝がいた。
天帝は「うちの娘が本当に申しわけない」
スーさんは「いいから黙って、友広君が説得するのを見ていなさい」
「彼が神王なんて知らなかったんですよ。参ったなぁ、うちの娘が殺される」
スーさんは「君ねぇ、いつのまに愛人とか作ったわけ?、
別に私は、羨ましいわけでは無いのですがねぇ、今度の査定に響くよ。
娘さんは美人だねぇ。あなたに似なくて良かったですよ。
それからねぇ、創世の血は美女に弱いから心配はいりませんよ」
俺は「サンは新しい乙姫にならないか?そうすれば鬼音姫と呼ばれて
スターになれるぞ、ついでに彼氏のゲンは音源になるから相性がいい。
サンも幼いときには餓鬼だったから楽器は得意だろ?
音源と楽器ーだ。それで巡業して回るのもいいな
夢を育てる仕事でスターになれるぞ。
盛山パイ・リョウコさんとセットで公演すればいい」
サンは「私は楽器ーも歌も上手いよ、最近ダンスを踊ったりもするよ」
「それはいいな、俺がステージ付き竜宮城の転移型を作ってやるよ」
サンは「それで私はあなたの愛人になれるのね?」
「それは無いよ」「だって家を貰って生活する女は愛人でしょう?」
いつの間にかスーさんが側にいて「話はまとまったみたいだねぇ。
これでサンは新しい乙姫で決まりだ。あとの手続きは私に任せなさい。
異論は出ないと思うけどねぇ、出たらいいねぇ、私が処分しましょう。
久々に腕が鳴りますよ」荒くれスサノヲの本性が出た。<怖い>
俺は「スーさん、俺は釣り大会の準備をします。あとを頼みます」
「友広君、後は任せなさい」俺が去るとスーさんは
「サンちゃん、焦って愛人の話を進めないで、ゆっくりと寄生するのですよ」
「そうですね。勉強になりました」「がんばるのですよ」「はい」
俺は、釣りの最中に大勢で囲むのも問題があるので、
野外に客席を作って大スクリーンを設置した。
神界の中継班はすでに来ており、海辺のカメラ設置を終わってテストを始めた。
大根行司は、行司本部から偉い行司が来て怒られている最中。
偉い行司は「貴様、今日のは完全にアウトだろうが」蹴りを入れて
「何がセーフとか言ってやがる。行司をやめてしまえ!」怒鳴った。
だが、なぜか大根行司は嬉しそうにしていた。
偉い行司は俺の側にきて「俺がオーバーに怒って見せないとなぁ、
これが監督の役目だ」俺は<監督?気にしたら負けだ>
偉い行司は「ここを今日の土俵にする。いいな」と宣言した。
そして行司は「旨い物を食わせてくれると聞いたからなぁ、来たんだ。
早速食わせてくれよ。おい、行くぞ」スタッフに引率されて宴会場にいった。
ばあちゃんとスーさんがサンとゲンを連れて撮影スタッフと
何か打ち合わせをしていた。
俺は<気にしたらダメだ>と思い、見ないようにした。
暗くなり、彦星と折姫がそれぞれの選んだ釣り場で待機した。
今日のイベント『スター釣り対決』が行司の
「いいか、重量が重い魚を釣った方が勝ちだからな、時間は3時間だぞ
はっけよい 残った!」の掛け声で二人が釣り始めた。
神々も今日の対決を楽しみにしていたので、熱の入れかたが半端ではなかった。
司会神が「始まりましたね、対決はどちらが勝つか?
解説神のイマ勝代・イマ勝矢のお二人はどう思われますか?」
勝矢は「まぁ、まーくんの出来次第だろうね」「マー君はいませんが?」
「私はねぇ、マー君とは言っていない。リールをどうまーくんと言ったんだ
君は本当に釣りという物を分かっているのか?」「いや、失礼いたしました」
勝代は「あんた素人相手に、何を本気で怒ってるのよぉ~恥ずかしいわよ」
各領は中継をカササギが夜空の星で行なわれているかのように偽装した。
20分後、折姫にマグロが掛かった。
大物が釣れたときの補助にえびす様が付いている。
ゆっくりと時間をかけて見事に釣り上げた。記録は二百三十キロの大物だ。
神々と各領も「これで決まった」折姫が早くも勝った雰囲気になった。
彦星が仕掛けの折神を、遠くに飛ばすことが出来ないからだ。
折姫は80分経過したところで、またマグロを釣り上げた。今度は三百五十キロ。
90分で行司は「20分休憩」と宣言して休憩タイムになった。
折姫は彦星のところにいき「彦ちゃん、絆を信用出来ないの?」ビンタした。
神々と各領の人々、男女共「お~、折姫はいい女だ」と拍手した。
後半戦に入り、すぐに彦星に今日始めての大物マグロが掛かった。
だが、このマグロはマグロフグゾウと呼ばれ、ワラをも掴む心情の人に
迷いを誘う魚で、又の名をワラをセーラすまんと呼ばれる魔魚のマグロだった。
フグゾウは星彦の心に『ウッフッグ~、あなたの心に迷いがあるでギョざる。
あ~、この糸は夫婦の絆でしたか?切ってしまえば楽になるでギョざるよ~』
彦星は『折さんとの絆を切るつもりはない』
フグゾウは『なら私が切って差し上げましょう』急に沖へと泳ぎ出した。
彦星は慌てて糸を伸ばした。
これを見ていた観衆は「大物だ。これで勝負が面白くなった」と喜んだ。
フグゾウは『切ってしまえば、お好きな釣りをやり放題なんですがねぇ~
そうですよぉ、ピチピチ美人のギョセイも釣り放題ですよぉ~、
ウッフッグ~、おしいでギョざる』
彦星は<美人はアスカさんみたいに怖い>と心に言い聞かせた。
後半戦に入り残り30分を切った時点で、
折姫は、今日マグロを四匹釣ったが記録は三百五十キロが最高だった。
彦星は大物が掛かって一時間も格闘していた。
彦星の異変に気付いた折姫は、近くにあった石を投げつけて
「しっかりしなさい。絆が切れることはないわよ!」と叫んだ。
投げられた石は彦星に当たり、彦星は<折さんの意思を込めた魔魚だ>
長い戦いの淵で疲労困憊していた彦星は
<長い淵、夫婦で石のマギョ、そうだ疲労・コンパイで完敗だ>
意思の魔魚そして疲労困憊で完敗の歌を思い出した。
<かたい絆に、想いを寄せ乳、ブラには青春がある…完パ~イ、今オッパイの>
そこから別人のように彦星はマグロフグゾウと格闘を始めた。
フグゾウは『痛いでギョざるよ』『お前に折さんとの絆の強さを見せてやる』
彦星は残り時間5分を切りやっと大物マグロフグゾウを釣り上げた。
大きさは今日一番で観衆は大いに沸き上がった。
計測に入るとマグロフグゾウはどんどん小さくなり50キロしか無かった。
マグロフグゾウはフグの仲間で膨れていただけだった。
フグゾウは「本当は小さいでおじゃる。ソーラすまんでおじゃる
毒もあるで、ごじゃるよ」俺は毒ターテン解毒を掛けて「フグ刺だな」
宴会でフグ刺とフグチリのメニューが増えて神々が喜んだ。
行司が「時間だ。試合終了だ」長かったスター釣り大会が終了した。
彦星は試合の結果はすでにどうでもよかった。
折姫のところに走って行き、抱き付こうと近づいた。
観衆はこれを固唾を呑んで見守った。
そして二人は抱き合いキスを交わしたのである。
七夕は本来、夫婦が一年間、積もりに積もった不満の捌け口として
大喧嘩をしてもいい夜であった。
それが彦星と折姫のキスで、愛し合う二人の甘い夜になったのである。
スーさんは「なぜ折姫は彦ちゃんが近づいたときに
『私との絆を信じてないわね』って一発殴らないのですかねぇ?
私は期待していたのですよぉ、お笑いの資質が折姫にはありませんねぇ」
じいちゃんは「ワシもそう思うのぉ、がっかりじゃのぉ~」
俺は<ここはウケを狙うべきだと思った。創世家のお笑いの血が怖い>
表彰式が行なわれて、折姫と彦星が一緒に手を繋いで表彰台に上がった。
天帝は「お陰さまで娘夫婦が仲良くなれました。スーさんありがとうございます」
スーさんは「まだ分かりませんよぉ、ほら、君も愛人を作りましたからねぇ」
そして司会神が「みなさん、新しい乙姫が決まりました。
新星スター鬼音姫は名をサンと言います。それではプロモスター・ト」
サンとゲンが歌って踊るプロモが流れた。
曲はコインダンスの警報に使った曲でコインだ。
これを見た人々が「美少女だ、隣の男はいらないぞ」と騒いだ。
翌日には各地にサンのファンクラブが出来たほど人気者になった。
スーさんは「私がサンの後援会の会長になりました。あそこで折姫のパンチが
出ていれば、このプロモはもっと盛り上がりましたよねぇ、おしいですねぇ」
こののち折姫はえびす様の弟子でもあったので、
七福神の仲間になり夫婦円満の神『布袋尊』布袋様になったのだが、
布袋尊の姿が旦那の彦星になって伝わった。
布袋尊の姿を良く見ると釣り好きの彦星である。
実は弁財天が紅一点にこだわったからだ。
サンの紹介が終わり。俺たちは神々と宴会場に集まり宴会になった




