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月桂樹の葉を編む  作者: 叶笑美
群像劇
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61/110

うどんとの噂

魔王が出た後、うどんに額をひっつけながらガン飛ばされつつ責められた。

「おい、富裕層の、エリート、だって?」

いちいち軽く頭突いてくる。

「は、はい・・・そのようで・・・」

「俺は!親は!いない!いんのか?」

「は、はい・・・」

最後にきつく頭突かれた。

「俺はお前みたいな坊ちゃんが一ッ番!!大っ嫌いだ!!覚えとけ!!」

「はい・・・」と答える葵は頭突きの痛みに手で押さえながら堪えていた。

その後、ベッドでうどんは寝た。

葵は仕方なく上段のベッドに上る。

「おい、お前の下ってのはなんか気分悪いな。下で寝ろ!!」

「え?」と言ったものの、仕方なく下りる。

「いや、やっぱお前に背中を向けつつ一晩寝るんだろ?それも嫌だな!!」

「じゃあどうすれば?」

聞き返したことにイラついたのか、また睨まれた。

「お前が考えろ!!そのエリート頭で!!」

そう言ってまた頭突きされた。

「イタッ!!・・・でも、これ解体して横並びにするのも」と言い掛けた時、食い気味に「それだ!!」と大きな声を出した。

うどんが命令するので横並びに置いたら、ギリギリ入った。

もちろん、勉強机は死んだが・・・。

「すげーな、葵!お前天才じゃないか!!」

「そ、そうかな?」

葵はこれがあまり得策でないことくらいわかっていたので、認められたはいいが微妙な気持ちだった。

そして消灯時間となり眠りに入る。

うどんは何も思うことなく眠りに入ったが、葵は気になって仕方なかった。

何故なら、ギリギリ入ったと言うことは、2つのベッドが陸続きになったということだ。

その夜、案の定うどんの悪い寝相故ゆえにこちらのベッドまで転がって来た。

足が葵の腹に乗る。

その重みで目が覚めた。

仕方なく足を戻して背を向けて寝る。

今度は腕が振り下ろされて来て顔に当たった。

痛みに耐えていると、顔を鷲掴みにされる。

「魔王様!!俺がやりました!!」

耳元で大きな声を出され、我慢できずに起き上がった。

「何が!?」

さすがの葵も怒りでうどんを突き返す。

何かムニャムニャと言いながら自分のベッドに戻って行った。

そして翌朝、葵はベッドの足元で縮みながら眠り、うどんが広々と斜めに大の字で眠っていた。

ベッドを2つ並べることによって、うどんのベッドがダブルサイズになり、悠々と寝返りを打てるようになり、葵はその分迫害を受けることとなった。

だが、うどんも得ばかりではない。

ちゃんと制裁を受ける日は来た。


「おう、じゃあな!」とドアの前で仲間に言った後、うどんが部屋に入ってくる。

もうこの景色に慣れた2人は、ベッドしか踏み場のない部屋に何も違和感を感じなくなっていた。

しかし、そんなマイナールールはこの2人だけのものであって、他の仲間は部屋の様子を見て驚いていた。

そんなある日、2人には変な噂が上がった。

うどんが部屋を出ようとしたら、仲間が集まって、どうやらドアの外で聞き耳を立てているのもわかる。

「なんだよ、お前ら!最近変だな・・・」

「いや!なんでも!!」

そう言うとみんなすぐに解散する。

しかし、ある日葵が噂を耳にしてしまった。

「なんかさ、外にいる時はあんま話さなかったり、うどんが葵を睨みつけたりしてるけど、怪しいよな」

「うん、うん。どう見てもあれはカモフラージュだよな!!」

何のことかさっぱりわからず、そのまま身を隠して聞いていた。

「だってさ、ベッド並べて寝る?普通?」

それを聞いた途端にハッとさせられた。

最近慣れてしまって違和感を感じなくなっていたが、確かに変だ。

「絶対夜な夜なイチャコラしてんだよ」

「音聞いた奴いる?」

「いや」と仲間の1人が首を横に振る。

「音出さないようにがんばってんじゃない?」

「うっわ!そこまでして・・・」

これ以上聞いてられない、そんなことより早く改善せねばと思い部屋に走る。

「うどん!大変だ!」

「わー!わー!わー!!」

うどんも何故かパニックになっている。

「どうしたうどん!?」

「葵こそどうした!?」

お互いパニックになっていた。

部屋の前で2人でパニックになるが、まだ冷静な葵が軽く飛び跳ねるうどんの肩を掴む。

「変な噂が広がってる!!俺たちの!!」

「そうだ!だから俺は来た!!」

なんだか映画のようなセリフを吐く葵。

「俺が助けてやる!!うどん!安心しろ!!」

「ほ、本当?」

パニックのあまり、涙目になりながら葵の手を握る。

「まずはベッド・・・上に」

葵もやはりパニックにはなっていたので、変な言葉だけを廊下で残してうどんの肩を抱き、うどんは葵の腰に手を添え、部屋に入って行った。

それからしばらく並べていたベッドは重ねられ、久しぶりに床が顔を見せた。

もうこの時には葵が上段で寝ることに異論はなかった。

そして、当然のように2人の廊下での会話は噂を本物だと周りに信じ込ませたのだった。


「仲良くない?」

「そんなことねーよ!」

葵は否定したが、正直ディンブラもこの時噂を信じたという。

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