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月桂樹の葉を編む  作者: 叶笑美
勇往邁進
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世話になった人たち

「これが俺たちが帰って来た経緯だ」

「えぐいな・・・」

3人の話を聞き、アスタはつい引いてしまった。

「やっぱさ、アスタ裏切って目の前の快楽に釣られた俺らが悪かったんだよ。やった行いが全部自分に返ってきたんだ」

「アスタが何かデカいものを1人で背負ってるって知りながら、そんなアスタを心配もせずに好き勝手してきたからな」

「アスタはすごいよね、魔王討伐なんてさ。偉業を達成したんだもんね」

ラペもファルシもカプレーゼも、みんな元気なく言う。

しかし、アスタも決して元気とは言えなかった。

「まー・・・とは言っても、誰にも知られない偉業だけどな。誰にも知られないことって、やってないのと同じじゃないかな?」

アスタは後ろに手をついて遠く高い位置にゆっくりと流れ行く雲を見ていた。

「でもさ、少なくとも俺ら島民は知ってるよ」

「まぁな・・・」なんて気のない返事をラペに返す。

ファルシが元気付けようとアスタに聞いてみた。

「てかさ、そもそもめっちゃ強くなったんじゃないの?そんな魔王を討伐できるなんてさ!」

「そうだよ!魔王の討伐の前に四天王とかもいるんでしょ?」

「四天王ってめっちゃ強いんだよな!!噂では単身で世界最強レベルのきしめんとか!葵もすごいって聞くし!!」

続いてカプレーゼもラペも興味津々に聞いてくる。

アスタ的にはメリリーシャでの四天王との戦闘は、チョコの戦闘のような正攻法ではないことを十分に理解していたので、倒したとは思っていないらしい。

そして四天王という言葉を聞いても、きしめんや葵、パルフェといった本人たちの顔よりも財布の方が鮮明に思い出されていた。

『あれでノーティーエッグズよく買ったなぁ・・・』

しかし、そのノーティーエッグズで四天王や魔王軍隊員を倒し、そこで得た財布のお金でまたノーティーエッグズを買う。

何とも虚しい循環である。

遊び賃になんてほとんどならなかった。

そしてまた恨みを買い、また戦う。

「あー・・・戦ったってより・・・世話になったな」

そんな事情を知らない友人たちは驚きをあらわにしていた。

「え!?世話になった!?」

「どういうこと!?」

「魔王を四天王と一緒に倒したってこと!?」

「あぁ、いや・・・そういうわけじゃないんだけどさ・・・でも、説明難しいわ」

アスタは疲れていた。

そしてみんなも疲れていた。

だからそれ以上言及げんきゅうする者はいなかった。

その代わり、みんなで一度大きくため息を吐いた。

「アスタはさ、どうだったの?」

「どうって?」とファルシに聞き返す。

「女の子2人と旅してただろ?なんか恋愛とかならなかったの?」

「いや、あの2人は対象外だろ・・・。でも旅の中で出会った人に告白くらいはしたかな」

「え!?うそ!?」「いつ!?」「誰に!?」と次々に聞かれる。

頬杖をついて雲を眺めながら思い出にふけりつつ、半分上の空で語り始めた。

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