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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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助っ人



今後の対応をどうするか相談するため、皆に執務室へ集まってもらった。

「ティー、現状を皆に話してあげて」

「あーい! 先ず未亜のママ達だけど、ネヴァー王国へ行って魔族領での出来事を報告。元凶のエルフを捕えるための協力を要請したんだけど、上手くいかなかったの」

「それってさ、やっぱり姉ちゃんが魔王としてセンティアを落としたら侵略者として糾弾するのが目的だった?」

「ううん。センティアを明け渡すのは本気だし、侵略者に仕立て上げるつもりもないの」

「あの国王は確かにまともそうだったけど、本当に信じていいんだね?」

「うん。他の国の代表と話してたりする内容もこっそり聞いてたけど、間違いないの」

国一つ明け渡すほどエルフとは事を構えたくないって意味か…。 (まぁ…。どこも自国内にもエルフはいるからやりにくいし)

確かにそれはあるだろうね。下手したら自国内でも反乱とか起きかねないか。

となると余計に厄介だな…。


「いくら勇者と聖女でも多数のエルフ相手では分が悪いから、仲間を集めようとしてるけど、下手にエルフに声をかけたら危ないし、かと言って魔法を使えない人を集めても…」

「でもアスカが魔道具を渡したのよね?理解してないのかしら…」

「まだ実際に使ってないから、性能を理解してないのはあるかも」

魔道具がそもそもない世界だしなぁ…。


「ロアール、渡す時にしっかり説明したのよね?」

「勿論です。しかしこう言っては竜魔王様に失礼かもですが、あの者たちには説明しても理解するのは難しいかもしれません。とんでもないものですし…」

「竜魔王様から下賜された魔道具を信じないなんて愚か過ぎます!」

「エノテラ、そうは言うが…。我々のように竜魔王様のお力を間近で見てきて庇護を受けている者とは違うだろう」

魔族の人達はもう魔道具を当たり前に認識しているし、日常的に使用しているからね。

これは私の認識不足だったなぁ。


「なあ、姉ちゃん。助っ人として呼ぶのに最適な人を知ってるんだけど…」

「まさかよねユウキ!?」

「まさかでもないでしょ。元々こっちでは顔も名前も知られてるだし」

「うーん…。力を貸してくれるかなぁ。二人も忙しいんだよね?」

「ママ、ティーが連れてくるから転移魔道具貸してー」

「いいけど…。嫌がったら無理に連れてこないのよ?」

「あいあい!」

ティーは渡した転移魔道具を持って行ってしまった。


「アスカお姉ちゃん…。ちょうどいいタイミングだし、精霊も助けていい?」

「そうねスピネル。戦いになるギリギリでお願いできる?」

「わかった…」

「希望する精霊は受け入れるから、スピネルとナギで仲介してもらえると助かるよ」

「わかりました。ママの寛大なお気遣いに感謝いたします」

精霊魔法に頼り切っているエルフは物理戦闘は不得手だろうし、いざ戦うってタイミングで精霊魔法が使えないとなれば混乱は必至。そのスキをついてもらうしかない。



しばらくして戻ってきたティーはうちの両親と一緒だった。

「二人とも突然ごめんね。来てくれてありがとう」

「ティーちゃんから聞いたけど、子供達に頼られて来ない親はいないよー。ありがとう頼ってくれて」

「だな。ましてや俺達に無関係でもないからな。任せとけ」

助かります本当に…。


二人にも詳しい話を再度したのだけど、母さんも父さんも怒ってて…。

「ミナに会ったら一言言ってやらなきゃ!」

「ったく…。相変わらずミナは良くも悪くも真っ直ぐだな。シュージには嫁の手綱くらいちゃんと握っておけと言ってやらないと」

それ、父さんが言えるセリフなんだろうか…。まあ今は何も言うまい。 (ハハッ)


「これからまたパーティ組んで動いてもらいたいんだから程々にね?」

「わかってるよー。まったく…」

本当にわかってるのよね?不安になってきた…。 (言うて元仲間だし)

そうね。任せると決めたのなら信じよう。

両親にはミナさん達と合流してもらうため、ティーに近場まで転移で送ってもらった。



「さてと…私も一度行くところがあるんだけど、何人か同行してもらっていい?」

「姉ちゃん、まさかとは思うけどネヴァーに乗り込む気?」

「うん。直接話して人となりを見たいのもあるし、話せる人なら今後の相談もしたいからね」

「竜魔王様、それでしたらあたしを!」

「そうね、ロアールは来てもらおうかな。となると、その間はブルガーとエノテラにここを任せたいから残ってね」

「かしこまりました。国とエノテラはお任せください」

エノテラは先手を打っておかないと来るって言うだろうし…。無理させたくないからおとなしくしててほしい。


「姉ちゃん、僕も行くからな。一応顔見知りだし…」

「私も行くよお姉ちゃん!」

「でもなぁ…。勇者として手紙を持ってこちらへ来たのに、私と一緒に行って平気なの?人質にされてるとか思われない?」

「それもそうか…。未亜姉ちゃんの両親が僕らについてなんて報告したんだろ」

「えっとねー魔王のママと身内なのを話せないから、ユウキ達は人の街に残った事になってるの。エルフへの対処は黒幕の娘夫婦である自分達だけが任されたからって」

「じゃあ連れて行くのは不自然だね」

「そっか。姉ちゃんの邪魔はしたくないし留守番するよ。未亜姉ちゃんも」

「うー…」

「ごめんね、未亜」

「はぁい…」

なんとか諦めてはくれたけど、あの顔は納得してないな。


「私達はリズとお留守番してるわ。任せなさい」

「ありがとうリア」

「マスター、でしたら私が行きます!」

「私がいくわよ〜?霧になっておけば何があっても対応できるもの〜」

「くっ…確かにキャンディのが適任かもしれません…。ではマスターの事頼みましたよ!」

「ええ〜。指一本触れさせないわ〜」

「じゃあロアールと、キャンディは霧化してついて来てもらうね」

あとはティーも来るでしょう。 (当然!)

出番があるかもだからよろしくね。 (任せてー)


これくらい少人数のが都合がいいか。あまり引き連れていくと臆病者だと舐められかねないし。 (流石にないでしょ)

念の為ってやつよ。 (そっちのがカッコよーではある)

でしょ?


城の座標だけ教えてもらえる?もう突然目の前にいって度肝抜いてやるから。 (おーわくわく)

回りくどいことをした挙げ句、後始末さえさせようっていうんだから、これくらいはしてやらないとね。 (誰に舐めた態度とったかわからせてやるのだー)

楽しそうね? (うんっ)








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