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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第三章

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森でキャンプ気分



ドラゴライア王国へは、明日出発することになったから、今日はこの森で夜を明かす。


母さんが、父さんとユウキとレウィを連れて夜の森へ向かうらしい。

ユウキと父さんはミノウシを捌いた時に出れるようにしたけど、レウィはまだだから魔力ドームに許可を出しておく。


目的はきっと父さんを鍛えるためだよね?

ユウキとレウィはいざという時の護衛かな?私も探索を広げて四人の周囲の警戒だけしておこう。

クッキーも上空から見てくれてるから安心。 クー!

お願いね。



私達は外にラグを何枚か敷き魔道具のライトを設置して寛いでる。気温もちょうどいいから過ごしやすくてね。気分はゆったりキャンプ。

リアと未亜は私の隣でシエルと地球から持ってきたファッション誌を見ながら何やら議論してる。

ティーはドラゴン姿で私の膝の上でスヤスヤ。


ラムネ達は自由にさせてる。キャンディは呼んだけど今はいいって還っていった。召喚拒否されたよ…。

まぁ無理強いする気はないけどね。 


そんな私達を見守るように少し離れて向かい合う形でお祖母ちゃん達がいる。

「ナツハがあのポンコツを連れて自分から森へ向かうなんてね。変わるものねー」

「なにかあったのかい?」

お祖母ちゃんは人の姿のまま翼だけを出し、広げて夜風に当てながらお祖父ちゃんを膝に抱きかかえてラグに座ってる。 

ぱっと見、親子にしか見えないけど、そうじゃない確かな絆が二人にはあるって今は感じる。

お祖母ちゃんは、私が母さんと戦った話をお祖父ちゃんにしてるみたい。



「アスカちゃんから話を聞いた時は訳がわからなかったけど…お二人を見てると納得ね」

隣のラグに座る王妃様からそう話しかけられる。

「はい。お祖父ちゃんって呼ぶのにはまだ慣れませんが…」

「それは仕方ないわよね。見た目はティーちゃんと同じくらいだし」

「ティーはあんなにじじくさくないの!」

わざわざ起きて苦情を言うあたり一緒にされたくはないらしい。

確かに雰囲気は紛れもなくお祖父ちゃんだもんね。 (ショタジジィ…)

ロリババァみたいに言わないでよ…。笑っちゃうから! (ぷぷっ…)



「アスカちゃん、さっきユウキ君からこれを渡されたのだけど…ユウキ君がナツハさんに呼ばれて行ってしまったから説明を聞けなかったの。何かわかるかしら?」

王妃様が持ってるのはアルバム。ユウキが夜更しして纏めたお誕生日パーティの写真。

「王妃様のお誕生日パーティの記念ですね。箱から出して開いてみてください」

「ええ…。 中身は本?  ……凄いわ! 私や、陛下が描かれてるのね。でもまるであの時をそのまま切り取ったかのように…こんな精巧な絵は初めてよ」

「そうですね、一瞬一瞬を切り取って絵にしたような物で写真といいます」

「こんな素敵なものを貰えるなんて…後でちゃんとお礼を言わなきゃ」

ユウキも頑張ってたから、これだけ喜んでくれるのなら本望よね。


王妃様は横に控えていたアリアさんにも見せながら嬉しそうに何度もアルバムを見返してた。



探索で確認してる四人が魔獣と接敵したね。

ユウキとレウィが一緒だから大丈夫だとは思うけど…クッキー、もしもの時はお願いね。 

任せてって意思が返ってくるから心強い。


「アスカ…大丈夫かしら?」

「うん、私も確認してるし空からはクッキーが見てくれてるよ」

「そう、万全なのね。安心したわ」

魔力の動きで戦闘を感じ取ったリアが心配してくれる。


お祖母ちゃんも気がついてるんだろうけど、気にしてる様子はない。

お子ちゃまなお祖父ちゃんに至っては全く読めない。常にニコニコしてるし…。

強さで言うならお祖母ちゃんには及ばないまでも相当なものみたいだけど。

ティー曰く母さんより強いみたい。



あ、倒したみたいだね。

ただ、戦闘に刺激されたらしい周辺の魔獣が何体か寄っていってる。

魔力的にユウキでも余裕な相手だけど…数が多い。 全部で7? 流石にヤバいか…。

「アスカちゃん、ストップよ」

立ち上がろうとしたらお祖母ちゃんに止められてしまった。

「数が多いから…」

「ええ。そうね。 でも大丈夫よ。ここはナツハにとってホームなのよ?囲まれたくらいで冷静さを失ったりしないわよ?」

いや、母さんの魔力乱れまくってるけど…。

「だ、大丈夫よ…。 何してんのよナツハ。その程度の相手に」

お祖母ちゃんも探索魔法を使って確認はしてたみたい。



母さんに比べてユウキやレウィは落ち着いて対処してるなぁ。

意外なのは父さんも落ち着いてることかな? 母さんは多分トラウマのせいだよね。

父さんがまたゲガをしたらって不安なんだと思う。



ユウキが母さんを守りながら3体、レウィが父さんを援護しつつ3体、父さんが1体。

これで周辺の魔獣は倒しきった。後は距離があるから大丈夫。

「ナツハ…ちょっと鍛え直さなきゃかしら」

「セイナ、加減してあげなよ?事情もあるんだから」

「こればかりは貴方に言われても…」

「セイナ、お願いだよ」

「…わかったわよっ! もぅ…」

お祖母ちゃんもお祖父ちゃんには勝てないらしい。


四人揃ってこっちへ向かってるから戻ってくるみたいだね。





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