おまけの第1話
ルー目線の第一話です。
僕はルュマヌュニャ。本名はもう少し長い。
あー、呼びにくいなら「ルー」とでも呼んでくれ。
森の屋敷に姉の娘と住んでいる。
生まれたときから見ているので妹のような存在だ。
その妹の名前はミュージェニュア。
愛称は「ミュー」
ある日、姉はミューを置いたまま戻ってこられなくなった。
死んだ訳ではないのだが、戻る目処もたたないので、死んだようなものと屋敷の者達には説明した。
ミュー担当のエリーや、教師はこちらに呼べたが、遊び相手がいない。
姉は自分で子育てをするつもりだったとかで、乳母も用意していなかった。
遊びに来たときはマーサが補助していたが、エリーだけでは荷が重かろうと一番若いヨーコを補助につけてみた。
ミューは、なにも欲しがらない。
おもちゃも要らないと言う。
母親が戻らないことを理解しているのか、なにも聞いてこない。
この屋敷に来て、欲しがったのはローテーブルだけだった。
そんなミューのために何かできないかと考えながら歩いていたら、大樹の根元に眠る10歳位に見える女の子を見つけた。
秋も深まり、いくら今日は暖かいと言っても、外に眠るのは寒かろうと思い、声をかけたが全く起きる気配がなかった。
肩を揺すってもみたが、全く起きない。
風邪でも引いては可哀想と思い、森の小屋につれてきた。
お茶でも飲もうかと思って外に出たが、自分でいれたお茶はあまり美味しくないと思いだし、小屋に戻ると女の子が起きていた。
「やあ、起きたんだね!」
なにかこちらを見て驚いている。
「君はなぜあんなところで寝ていたんだい?」
なぜ答えないのだろう?
「君はどこから来たんだい?」
すると、聞きなれない言葉でなにか返事をした。
「□△▽○◇」
あー異世界人か。たまに来るんだよね。
しまった、今日はペンダントもブローチも持ってない。
仕方ない直接見るか。
手を取り相手の思考パターンを読んだ。
「君は違う世界から来たんだね」
女の子は言葉が通じたことに驚いたみたいだ。
「言葉○◇◇△?▽▽△□□ですか?」
女の子は捲し立てるように質問してきた。
「ゆっくり話して。早いとまだ聞き取れないよ。僕は ルュマヌュニャ」
「此処は何処ですか?」
今度はゆっくり話してくれた。
「ここは君から見たら異世界。ルュマニェニャフという場所だよ」
「私は 百合香。地球という星の 日本という国に住んでいます。いや、いましたかな?」
「ゆりかという名前かい?」
「はい」
真名は名乗らせない方が良いかな。
「何て呼べば良い?ユリーとかどうだい?」
「あ、愛称ならリリーが良いです」
ユリカがなぜリリーなのだろう?
「ユリーではないの?」
「百合香は、百合という花の香りという意味の名前なのです。そして、外国語で百合をリリーと言います。友人たちからはリリーと呼ばれていました。母が百合が好きで名付けたそうです」
ゆりがどんな花かわからないけど名前にするなら美しい花なのだろう。
「そうなんだね。きっと君のように美しい花なのだろうね。リリー」
「え、あ、私は・・・」
なんか動揺しているみたいだな。ちゃんと説明しておこう。
「リリーは森の大きな木の根元に眠っていたんだよ。揺すっても起きないから此所に連れてきたんだ。」
「え?」
「リリーは妹と年が近そうだし、遊んでくれたら良いなと思って連れてきたんだけど、何か都合が悪かったらごめんね?」
これで大丈夫かな。
「い、妹さんは何歳なんですか?」
「妹は3歳だよ」
「???・・・わ、私は何歳に見えているんですか?」
「リリーは10歳位じゃないの?」
あれ、更に動揺しちゃった。謝っておこう。
「ごめんね。もしかして成人してた?」
「私は成人もしていますし、子育てもしたことがあります。そして我が子も成人しています」
成人した子供がいる?この異世界人はそうとう若く見えるんだな。
「それはすまない。ごめんなさい。失礼しました」
「いえいえ、若く見られて怒る女性は居ませんよ」
なんか物凄く大人な対応をされたかも。
そういえば、どこへ行くつもりだったのだろう?
「リリーは何処か行く所があるのかい?」
「いえ、そもそもここが何処だかわからなかったくらいですし、ありません」
「なら、行くところが見つかるまで僕のところに居ると良いよ」
成人した女性だとしても、子供に見えるし、保護対象だよな。
「名前、ちゃんと聞き取れないの、ごめんなさい。何て呼べば良いかしら?」
「僕のことは ルー って呼べば良いよ」
「ルー、よろしくお願いします」
「はい、お願いされます」
そして僕はリリーを屋敷につれてきた。




