21 お屋敷探険 再び
「リリー様、午前中はどうされますか?」
「そうなのよねー。・・・そうだ、竹ヒゴとか、キリとか、接着剤とか、用意できますか?」
「はい。揃えておきます」
「ありがとうございます。というか、一緒に回ってはダメですか?」
「大丈夫です。今から探しますか?」
「はい」
マーサと材料を探すことになった。
道具類はすぐに揃うらしく、竹ヒゴを探すことになった。
木材がある倉庫に来たが、竹はあるものの竹ヒゴはなかった。
どうしてもなかったらあの竹を削ろうかしら。
次に、家具などを修理するという部屋に来た。
細かい部品類はあるけど竹の加工品は見当たらない。
「無いですねぇ」
「次はどこを探しましょう」
「マーサとリリーちゃん?こんなところで何やってんの?」
声をかけてきたのはクックだった。
手に、取っ手の壊れた蓋を持っていた。
「クックは何をしに?」
「これ直すのに要らないノブが無いかと思って」
蓋の取っ手の代わりにノブを付けるつもりらしい。
ちょっと感心した。
「ゼベットにきちんと聞いてから使った方が良いわよ?」
「じいさんは好きなの持ってけってさ」
「そう。それなら。そうだ、竹ヒゴ見なかった?」
「竹ヒゴ?何に使うんだ?」
マーサがこちらを見た。
私が答えて良いのだろう。
「工作です!おもちゃを作ります!」
「どのくらい必要なんだ?」
「長さは大人が広げた手のひらくらいで、数はできれば何本かです」
「んー良いのがあるぞ」
「本当ですか!」
「キッチンにある」
「竹串?」
「知ってるのか?」
「故郷の料理で使います」
「なるほど」
クックに連れられてきたのは誰もいない中キッチンだった。
広さも程ほどあり、蒸籠や餅つき機のような物迄有った。
「たしかこの辺に・・・お、あった!」
箱に入った沢山の竹串を棚の上から取り出した。
「このくらいで良いか?」
「はい。十分です。使っちゃって大丈夫なんですか?」
「前に来た料理人が置いていったんだ。要らなければ処分してくれって」
「それなら遠慮なく」
手に一掴みほどくれた。50本位有るだろうか。
「どうもありがとうございます」
「お礼は料理のアイデアで良いぞー」
ぶれない人だ。
マーサが小声で ぶれませんね と呟いていた。
どうやらクックはお休みの日だったらしい。
休みの日まで料理道具の心配とは凄い人だなぁ。
「そろそろ昼食の時間ですね。どちらが良いですか?」
「マーサさんの都合で決めてください」
「ではサブダイニングの方で」
「はーい」
竹串はマーサの持っていた袋にしまい、そのままサブダイニングに向かった。
テーブルには、クック他数人がいてくつろいでいた。
マーサと共に席につくと、ヨーコが給仕してくれた。
「ほ、本日のメニューはこちらです」
紙をもらったけど読めないのでマーサに渡した。
マーサは受けとるとそのまま紙を伏せ、飲み物などを頼んでくれた。
「何が書いてあるんですか?」
「メニューと、飲み物の種類です」
「今日のメニューは何ですか?」
ちらっとクックの方を見たマーサは少し考えてから言った。
「見てのお楽しみです」
どうやら、クックに内緒らしい。




