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二日目5


 他言無用にという約束で、師匠から聞いたことがある。私には知る資格があるそうだ。

 彼女が身に付けている黒と白の竜骨を使ったリング状のペンダント。神々のいる天界と魔界の導き手、巫女の証だわ。


「私達初対面よね? どうして……」


 枯れ木のような音で咳き込む少女。私の発言をさえぎると、持っていた大剣を構える。

 男が右手に炎をまとわせ、今にも魔法を繰り出そうとしていた。


「二人まとめて死ねっ!」

『スッ』

「ーーーーなっ!」


 しかし右手の炎は瞬時に消え、魔力の反応も止まる。男は何が起きたのか理解が出来ないといった様子。


「くそっ! 魔女め……」


 魔眼だわ。

 彼女の眼。瞬きする度に瞳の色を変え、その度に魔力の種類が変化しているみたい。

 あの男の魔法を強制的にキャンセルしたんだわ。

 複数の魔眼持ち、確認出来ただけでも七色、シェーラの言ってた七色の眼を持つ少女って……。


「ーーッ!」


 次の瞬間には四本の鎖が地面から出現し、男の体に巻き付き拘束された。

 見ていただけの私にも戦慄が走る。

 少女は男の首筋にゆっくりと大剣をかざす。あっさりと、そして呆気なく決着がついてしまった。


「ねぇ。えっ……と」

「……私はプラトー」

「私はアミュレットよ。ねぇプラトー。どうして私を助けてくれたの?」

「……あなたは、……あの人のお気に入りだから」


 あの人?



 拘束した男を連れて、私達は教会の外へ出た。

 プラトーはというと飛び立つ鳥を見送るように空を見上げている。


「あなた名前は?」

「……ヨキだ」

「じゃあヨキ。私の質問に答えてくれる?」


 ヨキは観念したのか、主のことから全てを答えてくれた。

 これまたあっさりだ、雇い主に不満でもあるのかしら?

 この教会での一件、終始にわたって私は何もしてないのだけど。これ私の手柄みたいにしちゃっていいのかな?

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