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あ、異世界ってゲームと同じなの!?  作者: さグや/娘々
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5話 最終回 「終焉神と創造神よ、永久に綴ろう」

朝、太陽が昇り水上姉妹は、抱き合っていた。

何故、そうなったのかと言うとお互いの思考を共有するためであった。


「…これさ、やっていてこっぱずかしくない?」


「黙って集中。殺すわよ、馬鹿姉様。」


静かな早朝の時間に二人は、三日前からこの調子で同盟の長期結託を確実のもとに考察していた。

どうしてそうなったのか?

それは、時界神、混沌神、秩序神、見聞神、姉妹神、星詠神の意志を揃わすためだった。

それぞれの神々は、神の声を聴く聴聞会にホログラムを出して出席する準備に追われていた。


「だが、あの姉妹のお姉さんだっけ?…舞様には、本当に敵わないな。」


「そうね、まさかとは思わなかったけど終焉神と創造神に話をさせて欲しいと言われたのだからね。」


「私達、神の六神が居ないと召喚も出来ないのだと知っていたわけですから。」


「ユピテルの姉妹になら、簡単に呼び出せるものを我々に頼むのだからね。切れ者よ。」


「まぁまぁ、皆様。召喚神を呼び出してご登場をさせましょう。」


「まずは、召喚神のイメラ・ルビナルスを呼ぶことまで知っているのが驚きですよ。」


六神の皆は、召喚神の存在に気づいていた水上舞に不思議と思っていた。

そもそも、神々の中では人間界に送る神もまたその召喚神の手によって召喚されるのだ。

そして、そのイメラの存在はひた隠されていることが多いのが、人間の知っている領域。


「ふぅ、終わった。さてと、見聞神にこの記憶を紙に出して貰う事にするわ。」


「まったく、私が手伝わなくても良かったでしょうに。馬鹿姉様。」


「そんなこと言わないでよ。一応、結は文章力とか小説とかやってるじゃん?」


「それが、どうしたって言うのよ?」


水上結。

元の居た世界では、小説家であり作家としての実力がありその道のプロでもある。

彼女無くては、姉のオペレーターとしての実力もあることが然り。

そして、古今東西の博識と世界の歴史に触れているのもあるので心強い味方。

なので謂わば、「動く図書館」とも呼ばれている。


「見聞神さん、私の記憶から紙に写してくれませんかね?」


「うん、良いよ。それじゃぁ、頭を読ませて…うわっ!?なんていう、知識量を!?」


「あ、私、こういうスペック量を溜め込めることが出来るんですよ♪」


「なるほどね…人間とは思えないわけですね。興味深いものですね。」


だとか言っている割には、舞の記憶から神であるグルナスの神の力によってテーブルの上に大量の紙が量産していく。

神の御業とも言うべきなのか、グルナスにとっては朝飯前のようにスラスラと書式までも舞仕様になっている。


「あ、それとなんですが…この記憶、消すことって出来たりします?」


「うん、それは、無理♪」


ですよねという顔で舞は、少し残念がるもグルナスからしたらあの知識量によって神の力が大幅に削られていたようで。

顔が真っ青になりながらも人前では、そんな表情をしたがらなかった。

元気な笑顔が一瞬にして真っ青な失笑を見せることになったのは、言うまでもないであろう。


「それでそれで、イメラさんは、呼んでくれたんですかね?」


「あ、一応、聴聞会に居るみたいですよ。なぜか、其処に終焉神と創造神の御三方と言う形でなのですが。」


「…さてと、此処からが私の見せどころね。あ、あはははは。」


舞の笑顔から緊張の表情へと変わった時に、皆は思っただろう。

『これ、失敗するフラグですわ。』と。

だとか、言うまでも無いまま舞は、聴聞会に人間代表として出席をすることになった。

誰もが、緊張するのも頷けるのもある。

そう、神の中でも最高位に存在するオーラを放っているのだ。

こんな、神々しい世界観を見られるのはごく一部の神であっても下っ端ぐらいなものだろうなぁ、と。


「え、えぇー…本日は、晴天なり、晴天なり。あ、あの、音って入ってる?音が入ってなかったら、私、お笑い者なんだけど?」


お馬鹿な舞のおテンパな渾身の漫才を最高位の神の前でやってのける。

そこにしび…いや、それは、言ってはいけないことだと自重するのもやぶさかではないのだが。

終焉神は、大笑いをして、創造神は、呆れてしまって、召喚神はと言うと…背を向けて噴いてた。


「で、では、人間の水上舞よ。其方の素性を明かしてから、話を聞こう。」


「気を取り直した!?そこで!?もうちょっと、ボケているところを見ていようよ!!面白いのもっと欲しいよ?ほらほら、やってやって!?」


「終焉神よ、茶番は、終わり。我々の素性から話すのが道理と言うものでしょう。」


仕切り直している創造神、面白みを欲している終焉神、終焉神と創造神を宥めようとする召喚神。

この三人、意外と仲が良いのか?と思う女神たち一同。

この神があってこそ女神たちが居るのは、納得をした水上姉妹。


「私から自己紹介を。私は、創造神のクリエイスト・ルミラー。」


「我が名は、終焉神のムゲニール・エンダストだ♪」


「汝は、召喚神の…。」


「あ、召喚神さんは、名前は知ってますよ。結構ですよ。」


「ちょ!?な、汝の…名前、言わせて?せめて、最後まで言わせてくれたら、お菓子あげるよ?だからお願い、言わせてください。」


メンタル弱いな、召喚神。

子供に飴ちゃんをあげたがるおばちゃん並の涙目待ったなしな慌てぶりを見せている。

懇願を見せているイメラさんの自己紹介を聴くことにした、舞。


「さ、さて、汝の名は、召喚神のイメラ・ルビナルスですよ。やっと言えた、噛まずに言えた。練習した甲斐がありました。はい、お菓子♪」


調子が狂います、イメラさん。

最高位の神様ともあろうお方が召喚神を務めているとは思えないほどの、ちょろ神となっている始末。

意外と外向きは真面目キャラでありながら内面は、仲間はずれされると困る委員長キャラに格付けされている様に見えますよ?

それで良いんですか、召喚神さん!?


「さ、さて、イメラさんの紹介も終わりましたので…話の続きをしましょう。」


そうだった、同盟結託申請の話をすることをイメラさんの強烈なギャップに押されて忘れかけるところだった。

せっかくのお菓子を貰ったので、ポケットにしまって先ほどにテーブルの上にあった大量の紙を見せることにした。

もちろん、見聞神の力によって投影機を借りてなのだが。


「では、神々との同盟によるデメリットの改善案とメリットとなる提案について話をしたいのですが。

この世界の状況を通して知り得た情報を私が解決案を申します。

神々と他のモンスターたちにとってみれば、共存共栄をするにしても考えが対立をしている主な理由。

それが、『文化と生活の脅威性』かと思われたのです。

神々の生活範囲は、自然の摂理によって賄えていますが…多くは、人間たちの宗教関連から得ている。

でも、モンスターの生活とは…人間を襲い人間と同じような生活によって構造されています。」


舞の話の中では、神とモンスターの類が生活面で悪循環の指摘を話していると、終焉神が面白く食いついて来た。


「ほほぅ、さすがは…我々神々の政治関連に着眼点を持ってくる話題としては、面白い♪」


「ですが、終焉神…私たちの生活観念を人間に知られていることに驚きはないのですか?」


「何を言っているのですか、創造神…人間の信仰心があってこその神々。それを知っている上で、この者は私に会いたがっていたのですよ?」


そうなのだ、舞の当初の目的は、イメラさんを呼びだして終焉神と創造神に話を通すだけのこと。

同盟やら結託やらの話は、二の次の話である事。

其処に、舞からの攻撃ならぬ言葉の追撃を神々たちに猛威を振るう。


「神と云えど、生活観念を人間に与えるのは、『希望』というキッカケを与えるだけのこと。

ですが、人間は少なからず可能性の道さえあれば、生活もまた改善していくのも一つの在り方なのですよ。

でも、神々は、それを許されぬことだと決めつける概念が人間の生活に脅かされているのも事実なのです。

あなた方の見ているこの世界の人間は、どうですか?

各々で神に対抗する力を求めず、モンスターに立ち向かう勇気をまた…神が与えたものだと信じているのです。

今こそ、人間たちとの同盟ならぬ共生できる世界を築き上げるチャンスなのではありませんか?」


舞の真っ直ぐな眼と神に叱咤するような紙に書いてある『人と神の革命』と書かれた同盟の文章を眺める、最高位の三神。

たじろぐ創造神と召喚神をよそに、終焉神は、おもむろに口を開いて語り出した。


「遥か昔、人間との共存をしていたのは、我ら終焉神だった。

だが、人間に神の力が呪われた力だという輩も出て来たのだ。

我らは、それ以降…人間に加味することは、許されないことだと戒めを付けた。

……だが、舞と言ったか。君の言うことが事実だと言うならば、もう一度…手を貸そうではないか♪」


最初の言葉で終焉神のどぎつい睨みを利かせた視線を受けていた舞、身体にズシンッと重力を感じて青筋が立つほどの恐怖を垣間見えた。

でも、後から少しずつその重みが解放されていくと同時に、恐怖から笑顔を見せてくれたことで快諾を得てくれたのだ。

少し、ほっとすると創造神からもまた、口を開いた。


「まったく、終焉神は何を言い出すかと思えば。

私は、元から人間に信仰心を持たれているので安心しなさい。

少なくとも、私は、舞の味方ですよ♪」


創造神も、冷たい視線を舞に向けつつ終焉神に叱るように言葉を投げかけていた。

それもまた、最後まで聞いて行くと満面の笑みで温かな気持ちになるように見せてくれた。


「……。」


だが、召喚神だけは、頭を抱えていた。

本来、神々の世界に呼び寄せた張本人であるイメラだけは、望んだ世界を救って欲しいのだと思っていたのが舞だったのでその答えに頭を横に振る。

何が気に入らなかったのか、舞は、召喚神の話掛けようとした時だった。

召喚神の睨み…というか怒りの籠った視線が舞に襲った。


「…あ、がっ!?…う、ぐぅっ…。」


召喚神の力によって終焉神と創造神がその場から姿を消した。

いや、召喚神の力と言えば召喚を操る神…召喚陣を閉ざしたが正解なのだろう。


「ば、馬鹿姉様!?あぎゃっ!?」


「…ゆ…い…きちゃ…う、ぐがぁ!?」


結が舞に駆けつけようとすると、見えないバリアになのか何かの衝撃波で身体全体で叩きつけられたのだ。

その光景を見ていた舞は、結が気絶をしたことにある初めての感情が芽生えた。


『殺意』


舞が初めて感じた『殺意』に今まで抑えていた、何かが切れた。


一瞬の出来事だった、召喚神の顔は、怒りから青ざめた表情へとなったのは、舞の姿を見てはっきりとその怒りを納めた。

召喚神は、すぐさまに終焉神と創造神を召喚陣で出したのだが、時は遅かった。


「な、なんですか!?この異様な…かん…じ……ま、舞様?」


「うわっぷっ!?か、髪がみだれ…る!?」


「な、何事ですか!?」


「…ぬぉい、なんで…舞ちゃんがあんな姿に!?」


「あ、あんな…舞さん、み、見たこと…ないですよ!?」


「…まぁ、こうなることは、分かってたんですよね。」


「「「「「えっ!?どゆこと!?」」」」」


星詠神のプラウヌス曰く、舞の星座となる未来を見ていてこの惨劇な光景が視えたとのことだろう。

その理由を聞いて納得した、ルミナスたちは、召喚神の力によって手が出すことが出来ないように動きを封じられていた。

本当に使えない女神たちだなと思った、終焉神と創造神。


「貴方達は、其処から動かずにいるのですよ。」


「おい、イメラちゃんや…馬鹿やらかしてんじゃねーぞ♪」


「だ、だって…神と人間の共存なんて、あなた方に任せたら、全部、私に押し付けるじゃないですか!!」


「「…それが、仕事だろ。」」


「ほらぁー!!言い切った!!言い切りやがった!!だから、嫌なんですよ!!全部、私の責任になるんですから!!」


「いやいや、召喚神の仕事って召喚するのが当然ですよね?私達は、そんな頻繁に人間の世界に行けないのですから当然ですよ。」


「そうでしょうに。召喚できるのってイメラちゃんしか出来ないでしょうが。それより、攻撃来るよ?」


「「へ?」」


三神の茶番も終わり、舞の禍々しい『殺意』が篭った姿が一瞬にして消えた。

召喚神の胴体が真っ二つになると同時に、舞の攻撃が一瞬一瞬の動作をする毎に細切れになるイメラちゃんの姿が、跡形もなくなった。

創造神と終焉神は、舞の攻撃動作にマジでガチの死を覚悟した。

舞が創造神と終焉神に振り向いた瞬間、死ぬかもと思った時だった。


「お姉ちゃん、もうやめて!!わ、私は、もう大丈夫…だから!!」


「…ユ…イ?」


結が血まみれの状態で舞に抱き付くように、舞の動きを止めさせた。

結の姿を見た舞は、自我という理性と『殺意』という本能が戦い始めた。


(これ以上、妹を傷つけたくない。)


左の上半身と左の顔だけが、本来の舞の姿に戻った。

結が始めて“お姉ちゃん”と呼んでくれたことで、蝕まれていた理性が少し復活した。


「結、ありがとう…『コワセ』…わたしさ、この世界に残る…『コロセ』…結だけでも、帰って。」


「お姉ちゃん、ダメ!!一緒に帰ろう…もう、馬鹿なんて言わないから…もう、一緒に…へぅっ!?」


舞は、抱き付いている結を左手で振り払ってルミナスたちの方に投げつけた。

舞の身体が『殺意』に呑まれていく中、召喚神の大きな右手が舞を掴んで召喚陣の中へ連れ込んだ。

ただ、ある言葉を残して舞の姿が消えて行った。


「…遊美奈に伝えて…この私を、封印…して…。」


結は、姉の舞が消えた場所に駆け寄るが、召喚陣も召喚神もすべて、消え去ってしまった。

ただ、舞がいつも持っていた…あるゲームのカードデッキが鞄と一緒に残されていた。


「…お、おねえちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!ばかぁばかぁヴぅぅぅあぁぁぁぁかぁぁぁぁぁ!!!」


泣き叫ぶ結は、何もできなかった。

姉の運動神経は、並外れていたことも…姉のゲーム脳が、神の御業だったことも…今では、過去のものとなって。


ルミナス、アルテミス、ナイトメア、スターギャインは、結の背中を撫でたり肩を摩ったりする。

クリウス、グルナス、コスモ、エンダスト、ルミラーはというと、姉の舞の姿が消えた場所をじっと眺める。


「…遊美奈ちゃん…遊美奈ちゃんをこっちの世界に呼べない!?ねぇ、ルミナスさん!!」


結は、姉の言葉を思い返してルミナスに聞いてみた。

以前にルミナスから聞いたことも思い返していたのだ。


「え!?そ、それは、分からないです…あの時は、必死になって妹を助けたいって思ったり願ったりしたので。」


皆も、そのことに違和感を感じていた。

“ルミナスが妹を助けたい”

姉妹愛の強い女神である時界神が成せた技なのかと思っていたのだが、結のいる世界に干渉できる神が召喚神だけだったはず。

なのに、その思いに応えたかのような奇跡を出したように現れた水上姉妹。


「…ねぇ、これって…まさかだけど。」


「その、まさかかもしれないですね。」


終焉神と創造神が、頭を抱えてある答えに行き着いた。

ルミナスと結は、終焉神と創造神の話に耳をひくつかせる。


「…奇跡神と降臨神の女神二人の仕業。」


アルテミスが、思いがけない言葉を発して終焉神と創造神は、ぎょっとした。

そう、その奇跡神と降臨神の二人は。


「…私の、友達…もしかしたら、帰れるかも。」


アルテミスの言葉に結は、目を輝かせた。

だが、それもつかの間のことだった。

アルテミスから思いがけない一言を結に地獄の現実へとつき戻したのだ。


「…今、人間の世界…あの双子、満喫している。」


「………。」


「…自由気ままな、双子だから…帰ってくるの、分からない。」


とどめを刺すアルテミス。

結は、地獄の奈落へと堕とされていくと同時に、絶望の淵へと沈んでいった。

他の皆は、“えげつないアルテミス”として関わりを持たないようにすることにした。


「ま、まぁ…結ちゃん、良かったら…異世界神に会いに行こう?あの女神様なら、伝えることが出来ると思うしね?」


「………そうですね、頼んでみることにしましょう。」


こうして、結は、女神たちの居る世界で異世界神に合うことにした。

だが、遊美奈に伝えることが出来たのは…こっちの世界に着いてから話すことになることに気づいた時は、またしても遅かった。

姉の舞を助けることが可能なのかどうかは、まさに“神のみぞ知る”のだろう。

召喚神/イメラ・ルビナルス(最終ボス)28歳 最高ちょろ神 生真面目系 何でも召喚できる力


創造神/クリエイスト・ルミラー(女神の総帥者)27歳 最高神 眼鏡系 何でも作ることが出来る力


終焉神/ムゲニール・エンダスト(女神の管理者)29歳 最高神 ちゃらい系 何でも終わらせる力

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