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HEROES  作者: 秒速約30万Kmの点P
2140年4~7月

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side.篠宮①

side.篠宮 凛


「これやった。これもやった。クリアファイルに挟んだ。よし。」


篠宮は家で塾の課題をやっていた。課題をすべて終わらせた後、忘れないようにクリアファイルに挟み、ふと時計を見る。


「4時かぁ。」


時計の針は4時をさし、晩ごはんまでは時間がある。

(昨(・)日(・)の(・)夜(・)か(・)ら(・)座りっぱなしだったし歩いてこようかな?)

思い立ったが吉日とばかりにすぐに準備をし、外に出る。


「スーーーハーーーー。」


長めの深呼吸をした後、行き先を考えながら歩く。

(久しぶりにゲームセンターに行こうかな。)

最近はあまり遊んでいないことに気づき、大きめのゲームセンターがあるデパートへと足を運ぶ。デパートに入り中を歩いていると。


「委員長じゃんどしたの?」


突然後ろから話しかけられる。


「え?どちら様で?」


(誰だっけ?)

今目の前にいる少年の姿に心当たりが無く困惑する。


「俺そんな影薄かったっけ。古屋だよ。いつもは女装だなんだ言われてる。」


(え?)

自分の中の仁と、今目の前で話しかけて来ている少年の姿がイコールで結びつかず、困惑する。


「え?古屋さんでしたか?すみません。普段と印象が違ったもので。」

「まぁ今日はメイクしてないからな。」


篠宮は謝ると、気にしなくてもいいよというニュアンスの返事が返ってくる。

(いつもメイクしてるんだ。)


「逆に普段はメイクしてるんですか。」

「そうだよ?学校に行く前に少しだけメイクしてる。」


なんとなくメイクしていることが気になったので聞いてみる。

(確かに肌キレイだったなぁ。)


「流石に名誉女子と言われるだけありますね。」

「照れるぜ。」


少し弄るように話してみるがなぜか照れられてしまった。

(照れるならやらなければ良いのでは?)


「メイクしないと結構男の子に見えますね。」

「メイクしようがメイクしまいが結局子ども扱いされるんだよなぁ。」


篠宮はいつもより男の子っぽい姿をしている仁にここまでメイクで印象が変わるのかと感心する。

(まぁ確かにその身長では中学生ぐらいですもんね。)

少し見下ろすような姿で話している篠宮は、はたから見れば、姉妹か何かかと勘違いされてしまいそうだ。


「まぁその身長なら仕方ないことではあると思いますが。」

「この低さならなぁ。」


身長が低いから仕方のないことではあるのだが、仁は女の子扱いよりも子ども扱いのほうが嫌なようだ。


「で?どしたん?」

「ん?あぁここにいる理由ですか。塾の課題もすべて終わらせたので少し息抜きにと。」


仁がまたここにいる理由を聞いてくるので、それに答える。


「塾行ってんだ。真面目だねぇ。」

「逆にあなたは塾行ってないんですか?」


仁は篠宮が塾に言っていることを真面目だと評したことに驚く。

(古屋くんって確かいつも順位表のtop5に入ってましたよね?)


「行ってないよ?」

「なんでそれで定期考査の点数高いんですか。」


素の反応が口から出てしまった。

(意外だなぁ。まさか塾に通ってなかったなんて。)

篠宮が塾に通い始めた理由の一つは、いくら勉強しても上に仁が居て悔しかったからであり、自分の中で目標にしていた相手が塾にすら通っていなかったことに少し嫉妬する。


「授業の大事なところ抑えて、後は少し教科書の問題やったら行けるだろ。」


(頭いい人の答えだなぁ。)

多少勉強しただけであの点数が取れていることに才能の壁を感じた篠宮であった。


「これだから天才は。」

「日頃から授業を真面目に受けているからといってほしいね。」

「そうですか。」


少し言葉を強くしてしまったが、サラリと返される。

(強いなぁ。)


ビイィィィィ!


『ただいまこの近くにて魔物が発生しました。各自避難行動に移って下さい。繰り返します。ただいまこの近くにて魔物が発生しました。各自避難行動に移って下さい。』


話していると辺りに警報が鳴り響き、魔物が出現したことを知る。


ドガァァァァン!


魔物が発生し、避難用のアナウンスが流れ、同時に壁が破壊され、魔物が建物に雪崩込んでくる。


「委員長!逃げるよ!」

「でも周りに沢山の魔物がいるよ!」


落ち着きを取り戻した仁によって避難しようと言われるが、辺りは既に魔物が跋扈しており、逃げ場など無いように見える。


「委員長!とりあえずあそこにある職員用通路に身を隠そう!」

「わかったわ!」


仁が近くに職員用の通路があることを発見し、すぐにそこに逃げ込む。


「どどどうしよう。外は魔物が一杯で逃げれないよ?このまま死ぬのかな私たち。」

「委員長は少し落ち着いて下さい。少し考えます。」


篠宮は過去に魔物に家を破壊され、住む場所を失ったトラウマが蘇る。


「ハァハァ!」

「委員長落ち着いて。ゆっくり水飲んで、深呼吸して。」


仁によって水が手渡されたのでそれを飲んで少し深く息をする。


ドガガガガガガ


隠れている意味など無いとでも言うように魔物が壁を破壊し、魔物から二人の姿が丸見えになる。


「ヒィ!」

「すみません。少し持ち上げます。」


それを確認した仁によってお姫様抱っこされ、奥の方に連れ込まれる。

(なんでここまで助けてくれるの?)


「すみません。今から見たことは秘密にしておいて下さい。」

「ふぇ?」


突然仁から話しかけられ驚いてしまう。篠宮を降ろした仁はそのまま魔物に殴りかかり、魔物との距離を取る。


『カラーズモデル”青”を確認MS(マスクドシステム)Mの変身シークエンスを開始します。』


リュックから何を取り出したかは角度的に見えなかったが、突如仁がいる方から機械音声が鳴る。


「え?何を?」

「変身」


仁に何をしているのかと問いかけるが、返事はなかった。

(何してるの?変身って?)

すると突然仁の周りに魔法陣が出現し、仁を通過する。

(こういうのって見ちゃいけないんじゃないの?)

何をしだしたかの検討が付いた篠宮は混乱度合いが増す。


「こういうことですね。自分は<HEROES>に所属しているんで。」

「」


仁から返ってきた返答に篠宮は絶句した。

(それって知られちゃいけないもんじゃないの?)

辺りには魔物が多数居た。でも篠宮には不安はなかった。仁が守ってくれるだろうという確信があったからだ。


「さて、魔物共が。俺の休日をめちゃくちゃにした罪は重いぜ!」


仁はそう言った後、周辺の雑魚を蹴散らすのであった。

(仁君すごいなぁ。)

仁の戦いぶりに、篠宮は感動した。仁は辺りの魔物をすべて倒した後死身やに話しかける。


「委員長。絶対にその中から出ないで。」

「わ、わかりました。」


一瞬何のことかわからなかったが、いつの間にか篠宮の周りには水の壁が完成していた。その後すぐに仁は走り去っていってしまった。


「なんで守ってくれるのか聞けなかったなぁ。」


いつ帰れるんだろうという不安と、仁が作ってくれた壁による安心感が喧嘩して、何分経ったかわからない頃、水の壁が壊れ、外には<ガーディアンズ>の隊章をつけた3人が目に入る。


「救助に来ました。怪我はありませんか?」

「あっ大丈夫です。」


どうやら救助に来たらしい。そばに放置されていた自分の荷物と、仁の荷物を持ち<ガーディアンズ>の隊員についていく。

(助かったぁ。仁君にもお礼言わなきゃなぁ。)

<ガーディアンズ>の指示通りに外に出て、近くにあった<ガーディアンズ>によって設置された被害者用の天幕の中に入り、水をもらう。


「他にけが人などは見ませんでしたか?」


<ガーディアンズ>の隊員に話しかけられる。


「いいえ見ませんでした。」


仁のことは報告しなくてもいいだろうと思い、居なかったと話す。

明日はこの続きかなぁ



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