18話 謎多き妖刀
「そうだ、妖刀からすれば生命エネルギーを吸い取るといいこととかあるのか?普通に気になるが」
「どうなんでしょうね。今わっちがこうやって話せているのも吸い取ったエネルギーのおかげやもしれなんし。もしかしたらものごっつい秘めたる力が解放されるやもしれなんし。真相は不明でありんすからなぁ……」
そう言われれば最初手に持った時には特に何の反応も無かったからな。そうなると生きているものとして捉え、定期的に生命エネルギーを与えてやるのも悪くなさそうだ。
それにしても不思議だ。口とか無いのに話せるなんてな。
「……わっちからも質問いいでありんすか?」
「ん?いいけど」
そりゃあこっちばっかり聞きたいこと聞いていただけじゃフェアじゃないからな。聞きたいこと俺みたいに山程あるはずだ。
「ごほん」
何故か咳払いをした後、間を少し開け、再び話し出す。
「わっちは何処から喋っているんでしょうか」
「今俺が気になっている事だ、それ!!」
「やはりぬし様も知り得ないでござんすか」
「まぁな……色々と調べればもしかしたら分かるかもしれないが、持つと生命エネルギーが」
「あっ」
話していた途中で楓刃が思い出したかのようにとぎらせてきた。
「確か生命エネルギーの確保には、睡眠の他に、食力を食べ、栄養素を取り込むことにありんした!! わっちってば冴えているでありんすなぁ」
栄養素か。となれば今丁度アイツらが作ってくれていた筈だ。
「ぬし様の女が手料理を作ってくれているそうではありんせんか?」
あれは別に俺の女という訳では無いんだが。ただ手料理を作っているということを踏まえてそう言った発言が出てしまったのだろうが……なんか嫌だ。
「まぁ、つまり生命エネルギーを食わせてくれと。それなら別に良いが。俺も楓刃も色々と知りたいことは多くあるからな」
「話の分かるぬし様で助かった!!この恩義は必ず返させていただくなんし」
すっごい上機嫌に喋ってくるものだな。ただベットの上で横倒しになった妖刀が。
階段を上がる音が聞こえてくる。
「出来たよ。朝ごはん」
レイミアが意外にも普通に入ってくる。
「あれ?まだ仕舞ってなかったの?」
「あぁ、まぁちょっとな」
別に妖刀が喋る云々の事は隠す必要が無いよな。とりあえず早めに理解してもらう為にも紹介ぐらいはしておくか。
「わっちの名は楓刃というなんし。以後お見知り置きを」
自ら名乗り出た!?
「……ね、ねぇ、私ってば疲れちゃっているのかな?」
「現実だ」
武器が話す。もうそれだけで普通は頭がどうにかなりそうなものだと思うが。
「待って、私、天の声が聞こえるのかも」
だが、レイミアの場合頭がおかしくなろうと、その現実を受け止めようとはしていなかった。
「それは無いから安心してくれ」
両手をぎゅっと握って、瞼を閉じ、何かに祈るかのような姿勢を取った。
「あぁ……お許しください……作った料理を摘み食いしてしまったことを……」
「……お、おう」
何勝手に懺悔しているのかしらないが、これじゃあ楓刃の出る間が無い。
「ぬし様、この女、大丈夫なんしょうかね?」
「色々と不安要素しかないが大丈夫だ」
寧ろ平常運転なのかもしれない。
「……さて、落ち着く為に懺悔も祈りも終わったし、話をしっかりと聞こうじゃない」
こいつはパニックに陥ったら懺悔や祈りを行うのか……。
まあそれは別に必要ではなくて、聞く耳を持ってくれたようで何よりだ。




