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黒眼のカードマスター ~無頼漢の成り上がり~  作者: 迷井豆腐
レベル4 地下帝国ノームランド
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第82話 サブプラン

「御覧の通り、『祈りの硬質化』は対象の防御力を上昇させる【戦略】です。また、【リタイアゾーン】に【天使】が3枚以上ある場合、追加で強化幅をアップさせる事ができます」

「このバトル中に俺が倒したのは『平和の使者』と『転生聖女』、だが……」

「ええ、私の手札より【リタイアゾーン】に捨てられたカードの中にも、実は【天使】が居たんですよね。これで条件は達成され、強化幅が上昇します」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『極彩色の天使像』 防御力2⇒7

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 聖歌という名の鎧を纏い、元よりも頑丈となった『極彩色の天使像』。これにより『福音』持ちの攻撃力5、防御力7という怪物が誕生してしまう。


「強化を施した『極彩色の天使像』で『メイド生徒』を攻撃します」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『極彩色の天使像』 防御力7⇒6

『メイド生徒』 防御力1⇒0 破壊

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「これにて私のターンは終了です。いやはや、追加ドローをしたいところですが、今は『救世の聖像公園』に誰も居ませんからね。上手くいかないものです」

「その代わり、本当に厄介な敵が出現しちまったけどな。俺のターン、ドロー!」


 戦況をひっくり返し、またひっくり返される――この時のグラサンの顔には、今までにはなかった種類の笑みが表れ始めていた。


「ったく、【継承】を重ねたうちのもん気軽く潰してくれやがって。またいちからの出発じゃねぇか」

「低コストの【領主】は使い勝手が良いですが、それと同様に倒されてしまう手段も多いものなんですよ」

「だろうな!」


 その点、【福音】持ちはある程度の展開をカバーしていると言える。そしてゴキョージュが扱うこのデッキ、一見特殊勝利のみを目指しているようだが、その実、先のような除去とパワーアップ手段も備えており、グラサンには【カードマスター】を殴り倒す事もサブプランとして視野に入れているように思えた。今はその状況を打破済みではあるが、【門番】持ちで守りを固め、『転生聖女』で毎ターン強化を施し、ドローソースまで確保するというのは、理想の陣形のひとつと言えるものなのだ。


(変わり種で来たかと思えば、実際のところは王道の展開……何とも教師らしい、潰し甲斐のあるデッキだよ、ゴキョージュ先生)


 グラサンの笑みが更に鋭くなったの同時に、その手がカードの方へと向く。


「『メイド養成学校』をレベルアップさせ、もう一度ドロー! 白2と黒2の【税】を使い、俺は『合同歓迎訓練』を発動する!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『合同歓迎訓練』

分類:戦略 レア度:レア コスト:白2黒2

【領主】が置かれていない自陣の【領土】に『天使メイドの精鋭』と『悪魔メイドの精鋭』を召喚する。

【領主】が既に居る場合、それが【メイド】であれば【継承】してもよい。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 その【戦略】カードの発動後、『悪魔の屋敷』に『天使メイドの精鋭』が、『メイド養成学校』に『悪魔メイドの精鋭』が出現。熟練の雰囲気を醸すメイド達は、以下の能力を有していた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『天使メイドの精鋭』

分類:領主 レア度:R コスト:白2 タイプ:天使、メイド

攻撃力2/防御力2

【メイド】の【領主】2体を+0/+2

【継承(メイド)】継承した【領主】を+0/+2

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『悪魔メイドの精鋭』

分類:領主 レア度:R コスト:黒2 タイプ:悪魔、メイド

攻撃力2/防御力2

【メイド】の【領主】2体に【隠密】を付与。

【継承(メイド)】継承した【領主】を+2/+0

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「このメイド達は召喚時に能力を発動する。どちらの能力も対象は【メイド】の2体、今回は自然と自分達に向かうわな」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『天使メイドの精鋭』 防御力2⇒4 【隠密】を付与。

『悪魔メイドの精鋭』 防御力2⇒4 【隠密】を付与。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 この動きにプラスして、『悪魔の屋敷』の効果も発動。本日5度目となる【メイド】の【リタイアゾーン】送りが実施される。


「双方とも【隠密】状態、次のターンに備えますか」

「派手な動きがなくて悪ぃな。こうでもしねぇと、また破壊されそうだからよ。って事で、俺はこれでターンエンドだ」

「となると、『極彩色の天使像』の防御力が5以上で保たれましたね。【勝利】カウンターを1加算します」

「おう、漸くだな。随分とスロースターターのようだが、間に合うのか?」

「それに何と答えようとも、遠慮なんてしてくれないのでしょう?」

「当たり前だ、全力で潰す」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

5ターン目

ゴキョージュ ライフポイント20 手札1 【勝利】1

『安寧の大聖堂レベル1(白1)』=『空』

嚮導鐘塔きょうどうしょうとう・ルミナスベルレベル2(白2)』=『極彩色の天使像(5/6)』

『救世の聖像公園レベル1(白1)』=『空』

グラサン ライフポイント20 手札4

『悪魔の屋敷レベル2(黒2)』=『天使メイドの精鋭(2/4)』

『メイド養成学校レベル2(白2)』=『悪魔メイドの精鋭(2/4)』

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「私のターンです、ドロー。まずは『嚮導鐘塔・ルミナスベル』をレベルアップ、もう1枚ドロー……ううむ」

「流石の企業七騎きぎょうななつきも、その手札枚数だとキツイ感じか?」

「まあ、率直に言ってしまえば。とはいえ、元々私は引き運が良い方ではないんですけどね。オジョーさんとは天と地の差ですよ」

「いや、オジョーと比べたら誰だって天と地の差になるだろ」


 神とかカードとか精霊とか、そんな類の何かに愛されているレベル。と、なぜかゴキョージュの掩護に回るグラサン。色々と思うところがあったようだ。


「あはは、どうも……ともあれ、今ある手札で勝負しないといけませんね。白2の【税】を支払い、『聖女の護衛』を『安寧の大聖堂』に召喚します」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『聖女の護衛』

分類:領主 レア度:R コスト:白2 タイプ:天使

攻撃力0/防御力3

【門番】

自分のターン終了時、『転生聖女』の名を冠する【領主】を+1/+1

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 大聖堂に大盾を持った天使が降り立つ。


「次に白3の【税】を支払い、『聖女の勇者』を召喚」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『聖女の勇者』

分類:領主 レア度:R コスト:白3 タイプ:人間、天使

攻撃力2/防御力3

自陣に『転生聖女』の名を冠する【領主】が存在する場合、この【領主】を+2/+2

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 続いて現れたのは、恰幅の良い男性の天使だった。勇者と称される通りの容姿である。


「『転生聖女』、か。色々とバックストーリーを感じさせる構成だが、少し出て来るのが遅れたか?」

「お察しの通りです。ですがコストがピッタリ収まっただけでも、まあ良しな展開ですよ。あ、それとこれも忘れないうちに……『極彩色の天使像』で【カードマスター】に攻撃します」

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