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 古の勇者は、天空の竜に滞在することになった。


「お仕事、精一杯頑張る。その前に、一つお願いをしてもいい?」


 古の勇者は、覚悟を決めている。


「コレクターの様子を知っておきたい。面会をしたい」


 勇者は、少し考えた。


「王国に話を通してみる。そうなると、私が同行するとして、コレクターを知る二人にも、一緒に来てもらえるとありがたいんだけど」


 俺と女神も同行することになった。


 コレクターは、特殊な監獄に収監されているらしい。向かう道中、古の女神は神妙な面持ちだった。


「最初に会ったとき、コレクターは、私の家族を助けた。あいつの言う通りにしているだけで、私たちの生活はいい方へ変わった。私も、すっかりあいつを信用するようになった。

 私の力は、世界を変えられる。コレクターは、そう言った。事実、私には特別な魔法の力があった。この力で、生まれや身分の違いに苦しむ人が、一人でも少ない世界に変えたい、そう思うようになった」


 古の勇者の声色が、恐れを帯びる。


「異変は、徐々に忍び寄ってきた。おとぎ話の登場人物、魔王という存在の痕跡が、私の周りに現れ始めた。それからというものの、誰もが変わっていった。敵対していた人が、私を憐れんだ。信頼していた人が、私と距離を置いた。家族さえも、別人のように変わってしまった。

 魔王の仕業だと、何もかもが告げていた。知らない人までが、私を導くようになり、頭が変になりそうになりながら、魔王の美術館に迷い込んだ。そこにいた魔王の正体は、コレクターだった」


 古の勇者は、目を閉じる。


「コレクターが魔王だったことは、もうどうでもいい。ただただ、すべてを元通りにしたかった。けれど、私は勝てなかった。あいつのコレクションの一つとされることを、受け入れた。勝てないのなら、もう楽になりたかった……」


 何も言葉をかけられなかった。


 古の勇者はコレクターに敗北していた。女神にいいようにされていたコレクターが、不気味な存在に変わった気がした。



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