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魔法が通じない上に魔法を封じられてしまうなんて、コレクターでなくても悪夢に感じられるだろう。
「いや、そんなこと、あってたまるか。
ふざけたことを言って、後悔させてやる。聞いて驚け、ボクは離れた相手に放てる魔法も使えるんだぞ。くらえッ!」
コレクターは、俺に向けて両手をかざしてきた。
しかし、何も起こらない。虚しい沈黙がこの場に流れた。
「……魔力が出せない。本当に封じたのか。だったら……」
コレクターは、地べたに座って目を閉じた。コレクターなりの瞑想方法なのだろう。
「なるほど、この魔法でボクの魔法を封じたのか。よし、仕掛けさえわかればこんな魔法、分解してやる。
ボクがどれほど優れた魔法使いかは、お前たちも知っているだろう。なにせ、ボクの魔法を解除するのに、千年以上も費やしたらしいしな、ハッハッハ!」
コレクターは、瞑想を続けながら語る。
「本当は、解除されるとは思わなかった。ボクのコレクションのために、膨大な魔力を費やすとは思えなかった。この時代では、魔力はありふれたものなのか?」
「あなたの生きた時代と変わらないと思います。それより、魔力を費やしたわけではありません。私が解析後、分解して無力化しました」
冗談だと思ったのか、コレクターは笑った。
「またまたぁ。それができる類の魔法じゃないって知っているくせに。人間には千年経っても不可能だ」
返事のない女神に、コレクターは目を見開く。
「……本当に分解したの?」
「はい。あなたにかけた魔法がその証明になると思います」
瞑想を再開したコレクターの顔色が変わる。
「なんだ、どうなっているんだこれ。どうやって分解すればいいんだ……?」
「おそらく、あなたには千年かけてもできないと思います」
悔しそうなコレクターは、強がっている。
「ふ、ふん、少しはやるな! 魔法の技術では負けを認めてやろう! だが、いい気になるのもここまでだ! ボクの魔力にかかれば、お前のちっぽけな魔力でかけた魔法など、力ずくで壊せる!」
「では、やってみてください」
そろそろ女神の凄さに気づいてきたのか、コレクターは恐る恐る瞑想をした。
「……なんてことだ。ボクの全魔力と同じくらいの魔力が使われている。よくも用意して、よくもあんな一瞬で使いこなしたものだ。全魔力を引き換えにしてでも解除するしかないということか……?」
ただでさえ絶望するコレクターの答えに、女神は残酷に首を振る。
「違います。あなたの魔力を利用して、あなたに魔法をかけました。つまり、その魔法を力ずくで解除したいなら、あなたの全魔力と同じ量の魔力を、別に用意する必要があります。とてつもない魔力量で驚きました」
女神とは比べものにならないほど、コレクターは驚いている。
「ボ、ボクが、どれだけ時間をかけて、どれだけ苦労して、魔力を集めたか、知って言っているのか?」
「どうでもいいです、そんなこと」
コレクターはショックのあまり、立っていられず膝をついてうなだれた。




