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女神は、ハチが眠りについたと言った。ハチを元に戻せないのか、バロートに聞いた。
「ゴーレムは、彼らの主が作り出した魔法生物だ。その状態になってしまっては作り直すしかないが、厳しい。ゴーレムは、魔石を生まれ持たない者にしか作れない。魔石を生まれ持たない者などいないのだから、手のつけようがない」
それではハチはずっとこのままということになる。せっかく仲間がこんなにいるのだから、会わせたかった。
一人ぼっちだったハチは、仲間と一緒にいたいのではないだろうか。ゴーレムたちにそう伝えた。
すると、ゴーレムたちは、ぎゅっと体を寄せ合った。何の儀式だろう。
「ゴーレムは、こうやって相談する」
喋れない代わりに、意思疎通する魔法でも使えるのかもしれない。
相談の儀式を終えたゴーレムたちは、俺が差し出したハチの魔石を、受け取らなかった。
「君に連れて行ってほしいんだろう。ゴーレムがどんな子たちなのか、長年連れ添ってわかったことがある。彼らは人間が好きだ。これまで人間との間でいろいろあったが、それでも人間の隣で生きたいと思っている」
バロートの言葉に、ゴーレムは同意した。
俺と一緒でいいのか聞くと、ゴーレムは、手でどこかを差し示した。その方向には、ゴンドラから出てきた聖女と侍女と、二人に付き添うフルルと勇者がいた。
俺が出会った人たちだ。確かに、俺といればあんな変な人たちと出会えると考えれば、退屈しないのかもしれない。
ハチの魔石を懐にしまった。
「私やゴーレムのことは、できれば秘密にしてほしい。クランのメンバーにさえ言っていない話だ」
誰にも話さないと約束した。
「話してよかった。誰かに覚えてもらえるのは、思っていたより安心する。信じられないかもしれないが、私は、自分がドラゴンだったことを思い出せなくなったことがある。まだドラゴンだったときの、人間への恐怖と憎悪に取り憑かれた記憶がなければ、忘れてしまったかもしれない。懐かしいな、あの頃が……」
バロートは寂しそうに笑ったが、物騒で笑えない話だった。
みんなのところに行くと、勇者に引っ張られた。
「バロートがあんなに会話するところ、初めて見た。何を話していたの?」
内緒だと言った。
「まあいいけど。なんだか楽しそうだし」
昔話に花を咲かせているのだろう、話をするバロートとゴーレムは楽しそうだった。




